（面白話１７１）たい焼き

私も弟も　いとこもまだ小学生だったころの話です。
祭りを見るために田舎に帰りました。
いとことも久しぶりに会い、二人で弟には内緒で
たい焼きを買いに行きました。
二階にある　いとこの部屋でたい焼きを食べていると、
階段を上がってくる足音が。
弟らしいので、私たちはベッドの反対側に隠れました。
その瞬間、弟が障子を開け、いとこの部屋に入ってくるなり、
『あっ　たい焼きの匂いする』と叫びました。

未だに分からないんです。
弟が何故　形まで分かったのか？
匂いだけでは、今川焼きと思うかもしれないのに、
何故　たい焼きと断言できたのか？
弟は、今年４５歳になりますが、今も
そんな雰囲気を残しています。
あなどれません。