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ドキュメンタリー映画「正義の行方」(木寺一孝監督)

2024年04月29日 18時17分29秒 | 一言
 もし、これが冤罪(えんざい)だとしたら…。ことの重大性に背筋が冷たくなります。公開中のドキュメンタリー映画「正義の行方」(木寺一孝監督)。1992年に福岡県飯塚市で起きた「飯塚事件」に迫りました。
 殺害されたのは小学1年生の少女2人。登校中に行方不明になりました。直接証拠がないまま、DNA型鑑定が決め手となって、“犯人”逮捕。でもそれは、導入されたばかりで足利事件で冤罪が確定したのと同じDNA型鑑定でした。
 監督は黒澤明の「羅生門」の手法を取り、当事者それぞれの主張を並べます。捜査にあたった警察、「重要参考人浮かぶ」の一報を打った西日本新聞、死刑執行後に再審請求をした弁護団…。何が本当なのか。観客は藪(やぶ)の中から自分の目で見つけることを余儀なくされます。
 驚くのは最高裁で死刑が確定された、わずか2年後に死刑が執行されたことです。元福岡県警・捜査1課関係者の一人が語ります。「難しか死刑を下してくれた…。証拠が少なかったけん、早(はよ)うしとかな因縁つけられやせんかちゅうような判決やないと。こう、自分には私は言いきかせた」。
 第1次再審請求は棄却。希望は西日本新聞の自己検証です。社内に逆風がある中、自らを“被告席”に立たせ、ゼロベースで取材をやり直しました。検証キャンペーンは2年で83回。1年かけて目撃証人にたどり着いた執念に拍手を送りたい。
 “過ちては改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ”。映画は改むることができない日本の警察と司法の姿もあぶりだします。


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