goo blog サービス終了のお知らせ 

意思による楽観のための読書日記

ゴールデンタイム 山田宗樹 ***

「続・嫌われ松子の一生」というサブタイトルではあるが、全く別の物語だと思った方がいい。嫌われ松子、川尻松子の甥の川尻笙とそのガールフレンド渡辺明日香は松子の一生を辿るうちに松子が惨殺されたこと、そしてその一生を知ることになる。そして、笙は、大学を卒業、偶然知り合った劇団員のミックとユリに引っ張られるように劇団の活動に惹かれる。一方の明日香は笙との付き合いを断ち切っても医学生としての道を選ぶ。

二人が迎える人生の「ゴールデンタイム」はいつなのか。笙は24歳になっても定職にはつかず、劇団で知り合ったミックの生き方に惹かれ、そして松子の知り合いのプロダクションの女社長から、俳優になったらどうかと勧められその気になる。明日香は医学生として勉学するあいだに知り合った病院の跡取り息子の輝樹に結婚を申し込まれ、一時はその気になるが、俳優を目指すという笙に再会して、米国への医学生としての留学を実現するため輝樹のプロポーズを断る。

松子が辿ったような波乱万丈の人生を二人も送るのか、意味のない人生などないのだ、と笙は松子の死を知って思うようになる。さらなる続編と、長編小説の予感を存分に残しながら物語は閉じていく。「嫌われ松子の一生」とは秀逸のタイトルであった。その続編を期待して読む読者には肩透かしを食らわせるが、新たな二人の一生に全く異なる一生を提供することになるのか、この先に期待したい。


読書日記 ブログランキングへ

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「読書」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事