昨日とは一転して濁った水路ですが...
一応“魚巣ブロック”として効果を発揮するように、中に砕石(間詰め石)を入れてはいますが...
魚類等の“隠れ場”となるべき“間隙(空間)”が創出されていません。
おそらく、ただコンクリートブロックを積んで、重機で「ガラガラ」っと砕石を入れただけの施工なのでしょう。
「なぜこんなブロックなのか?」「なぜ砕石を入れるのか?」というその理由、『魚類等の生息場を創出する』というコンセプトが理解されていないから、こういう事になります。
“環境”と“土木”の融合は永遠の課題です。
その意図を持って設計されても、それが施工に反映されなければ何の意味もありません。
この場所もカメのために“甲羅干し”の場所を提供しているに過ぎないような気がします。
でも、これは施工業者の責任ではないと思います。
多分設計図面通りに施工しているのでしょう。
設計屋が図面に「空間を持たせるように石を積む」の注釈を付ければ済む事なのです。
若干手間暇は掛りますが、ある程度まで石を入れて、配置しながらさらに石を足していけばいいだけなのですから...
設計屋が施工時に立ち会うのが最も有効なのでしょうが、予算上厳しかったら、図面に一工夫があってしかるべきでしょう。
しかも...
両岸に延々と...
数があればいいってものではありません。
効果を発揮しなければ意味がありません。
その中身が大事なのに...
こちらは一見何の変哲もない両岸直立の環境面から貧相な護岸に見えますが...
水路の中に二箇所、水生植物の繁茂が見られますが、それをつなぐ区間、水路の中央より水草のある岸側が浅くなっています。
水深に変化を与える事で、水生植物の着生を促し、水生動物の生息を可能としています。
“水と陸の連続性”は叶えられませんが、ちょっとした工夫で少しでも新たな環境を創出しようという試みはいいと思います。
こちらは若干分かりにくいですが、右側が直立護岸です。
かなり植物が繁茂していますが、反対側から見れば、水面からコンクリートの壁が真っ直ぐに立っているだけのものです。
逆に水路の左側は水面に植物が覆いかぶさり、いい感じに見えますが...
実はこちらもコンクリート護岸なのです。
でも、直立ではなく傾きを設けた緩傾斜護岸なのです。
広い用地を必要とする問題はありますが、護岸を傾けただけで、地上部からこれだけの植物が水面方向に繁茂し、“水と陸の連続性”を創出するのです。
次にこちらは、左側はまだどのように施工されるかは分からない造成中だと思いますが、右側は、自然護岸のように見えます。
正面から見ると、遮水シートに粗めのネットを被せて、丸太で押さえただけの構造です。
施工直後は人工的な感じが否めないでしょうが、年月が経つとなかなかいい雰囲気が出るものです。
壁から植物も生えてきていますし、場合によっては眼には見えませんが、水中部に植物の根が張り出す事も考えられます。
河川や湖沼では、河岸ギリギリに植物が生え、水面に覆いかぶさっているような場所は、絶好の魚類等水生生物が溜まっている場所です。
捕獲調査では、一番の“オイシイ”ポイントとして、真っ先に手網等で攻めます。
さらに、この水域では考えられないかも知れませんが、直立ですがこの護岸でしたら、ホタルの幼虫が這い上がるのにも十分だと思います。
また、この丸太が何ともいい役割を果たします。
一般に生物は、陸上にしろ水中にしろ周りに何もないオープン・スペースには長居したがらないもので、何かちょっとした変化がある場所に寄り添うものです。
“外敵から身を守るor外敵を襲う”という本能によるものでしょう。
丸太も水中の生物が身を寄せるにはいい場所となっています。
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