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『天・地・水・命』 ~自然の恵み~

 「 天を仰ぎつ 地に伏しつ 水に語りて 命覚ゆる 」 仙人

シオマネキ

2010-12-27 | 生物(etc)

 今年最も多く出逢った“カニ”のひとつである『シオマネキ』です。

 干潮時に干上がる“干潟”に生息し、オスの片方のハサミが大きい事で知られています。
 この大きなハサミを振り上げる動作が「潮を招いている」事にたとえられ『シオマネキ』の名前が付いています。
 このオスのハサミは個体によって左・右どちらかが大きくなり、その割合は1/2でほぼ同じ程度のようです。

 画像はオス・メスの両方が写っています。

 “干潟”の消失や減少により生息域が狭められその数を減らしていましたが、近年“干潟”の重要性の認識と共に“干潟”の造成や保護事業により『シオマネキ類』を保全しようとする試みが実施されています。
 環境省レッドリストの「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されています。
 以前は「準絶滅危惧(NT)」だったのですが、2006年のレッドリスト見直しにより、希少度がランクアップされました。

 オスのハサミは実に見事です。
 小さい方と比べたら格段の差がありますが、正直なところ用途は...あまりありません。
 精々“潮を招く”か“誇示する”使い方しかありません。
 食事は、小さいハサミで泥をすくい上げ、泥中のデトリタスや珪藻などを濾してエサとします。

 観察していると、小さい方のハサミは大活躍です。

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  干潟

オサガニ

2010-10-01 | 生物(etc)

 『オサガニ』は主に“干潟”の泥底に巣穴を掘って棲息し、干出と共に地上に這い出てきます。

 もちろん細かい環境条件によって違いますが、ここの干潟においては泥質の“干潟”では 『オサガニ類』、砂質の“干潟”では『チゴガニ』が優占しています。



 あまり大きく移動をせずに無心に食事をしています。

 移動をしないといえば、時々全く固まってしまったかのようにピクリとも動かずに甲羅や 体毛がカラカラに乾くまで日向ぼっこもしています。





 たまにハサミでOKマークを出してみたりも...



 “逆さオサガニ”です。

  干潟

威嚇

2010-09-27 | 生物(etc)

 「なんやコラ~、なんぞ文句あるんか~!」

 体を斜に構え睨まれています...
 やっぱ『ハマガニ』は“迫力”満点ですし、“悪そう”(失礼)です...



 ちょっと近寄ると、こんな感じで“威嚇”してきます。



 さらに近付くと、これでもかとハサミを振り上げます。



 これが究極の“威嚇”でしょうか...
 これ以上振り上げたら後ろにひっくり返ります。

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 カニを見ると、たまにどれくらいのものなのかハサミの力を試したくてチョッカイを出しますが、流石にこの格好を見ると素手では...

  干潟

黒弁慶

2010-09-26 | 生物(etc)

 干潟の悪者ばかり紹介しているようですが...

 “干潟のゴロツキ”とでもいいましょうか、非常に悪そうな顔つきの『クロベンケイガニ』です。
 非常に憶病で、こちらの気配を感じるとすぐに逃げてしまいますが、金色に見える目から感じる印象は、どうしても“悪どい”ものになってしまいます。
 (彼らには非常に申し訳ないと思っていますが...)



 河岸に捨ててある容器を隠れ家にして、奥の方から目を光らせています。
 しばらく待ってみましたが、一向に入り口には近寄ってくれません。
 時間を大分開けてからまた戻ってみる事にしました。

 そっと気付かれないようにして近付くと...

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 容器の入り口近くまで出てきていました。
 侵入者は決して許さないという感じで見張っています。

  干潟

木登り

2010-09-25 | 生物(etc)

 何気なくヨシ(アシ)の根元を見ていると...

 『アシハラガニ』がヨシの茎にしがみついていました。
 初めて目にする光景です。

 ここで疑問が...

 この『アシハラガニ』は自力でここまで登ったのか...
 潮位が高い時にしがみついたまま潮が引いて、空中に出てしまったのか...

 恐らく後者でしょうが、潮の引き具合から見て一時間程度は空中に出ていた事になると考えます。
 すごく我慢強い個体です。

 何かそうしたい衝動に駆られたのでしょうか?
 そこが知りたい!

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  干潟

迫力

2010-09-19 | 生物(etc)

 “干潟”の“首領(ドン)”こと『ハマガニ』です。

 アップにしたらかなりの迫力です。
 毛で覆われた甲背といい、側面から覆面に掛けての模様といい...
 まさに“強さ”が伝わってきます。

 全体の立ち姿もかなりのものです...
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 異様にでかいハサミが持ち上げ切れずに、絶えず地面に触れています。

 それにしてもこの“迫力”は『ハマガニ』以外では出せません。

  干潟

バンザイ

2010-09-14 | 生物(etc)

 もしも劇的な環境変化が自然界を襲ったとしたら...
 最後まで生き残る“干潟”の生物は?

 それは、現在“捕食者”である鳥類や“力”で干潟に君臨する『ハマガニ』や『アシハラガニ』ではなく、画像の『チゴガニ(稚児蟹)』ではないでしょうか?



 砂質の場所が主棲息地にはなりますが、礫混じりや泥混じりの場所、泥質の場所と適応範囲は広く、巨大なコロニーを形成しています。
 干潮時に一斉に“干潟”に出て摂餌する光景を見ていると、「彼らは生き残る!」と思ってしまいます。
 甲幅10mmにも達しない、『コメツキガニ』などとともに“干潟”では小型のカニながら、その数といい、占有面積からいっても必ず“勝ち組”になれるでしょう。

 『チゴガニ』を観察する上での見所は、やはり“ウエービング”でしょう。
 ♂は食事をしながら、白いハサミを前後に大きく振り上げる行動を延々と続けます。
 たまに周囲の個体とその振り上げ下ろしが同期して、スゴイ眺めとなる場合もあります。

 ただこの動きが早いので、なかなか振り上げた瞬間を捉える事が出来ませんし、ピンボケばかりになってしまいます。







 中途半端にしか上がっていません...
 個体によって殻の色がかなり違います。





 かなり「ピシッ」と上がっていますが、背中からなので色合いが...



 横からなので顔(?)あたりが隠れて残念です。

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 『バンザイ』画像ではありませんが、綺麗な生き物です。

  干潟

光るモノ

2010-09-13 | 生物(etc)

 チョット分かりにくい画像ですが、夜の渓流です。

 中央縦方向にこげ茶色・まだら模様の細長い物体が分かるでしょうか?
 “ハンザキ”こと『オオサンショウウオ』です。

 先日この夏二回目の“夜間観察会”に行きました。
 渓流に限った訳ではありませんが、夜の自然界は実にミステリアスです。
 こんな生き物が闊歩している訳ですから...

 水中をライトで照らすと、何やら小さな“光るモノ”がたくさん確認できます。
 思わずカメラを水中に突っ込んでシャッターを押してみました。





 何やら良く分かりませんが、石の隙間などで怪しく光っています。
 ようやくピントが近くなって確認できるようになりました。



 スジエビかヌマエビの仲間のようです。

 この他ヨシノボリやアユなど魚も結構うごめいており、夜の自然界は本当にじっとしていません。

  市川

浜蟹

2010-09-11 | 生物(etc)

 『アシハラガニ』を“干潟の顔役”と書きましたが、上には上が居るもので、“干潟のドン”とでも言いましょうか、最強のカニが上画像の『ハマガニ(浜蟹)』です。

 体も『アシハラガニ』より一回り・二回りも大きく、貫禄があります。



 生息数は『アシハラガニ』ほど多くなく、たまに見かけると嬉しくなってきます。
 ただ“コロニー”を見つけると結構な数が棲んでいます。



 最初の個体が青紫っぽいのに対しこちらはオレンジ色が強いです。
 かなり体色に幅があります。

 それにしても悪そうな(強そうな)顔つきをしています。

 ハサミも異常なほどに大きくいかにも重そうで、挟む力もすごいものがあります。
 このハサミにだけは挟まれたくないものです。

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 「掛かってこんかい!」
 って感じで迫力満点です。

  干潟

食事

2010-09-08 | 生物(etc)

 バトル好きの『アシハラガニ』のお食事風景ですが...

 何を食べているのか...“エサ”の形が大分崩れているので、時間をさかのぼると...



 う~ん...

 どうやらカニのようです...
 しかもおそらく同種ではないかと...
 エサとなっている方は多分柔らかそうな感じなので、脱皮直後に襲われたのかもしれません...

 自然界ではよくある話ですが、油断大敵です。

  干潟

全員参加

2010-09-07 | 生物(etc)

 三匹の『アシハラガニ』がかなりの異常接近中です。



 あぁ、とうとう二匹がバトルを始めてしまいました。
 もう一匹がどうするのかと見ていると...



 止めに入ったのか参加したのかは分かりませんが“三つ巴”のバトルに発展です。



 そこにさらに一匹が通りかかり、どうなるかと観察していると...

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 期待通りに“四つ巴”の壮絶なバトルになってしまいました。
 この後どんどん増え続けたら...

 想像するだけでも面白いのですが...

干潟

芦原蟹

2010-09-06 | 生物(etc)

 干潟の常連『アシハラガニ』です。

 何せ数が多いので、たまには仲間がかなり近寄る事もあります。
 上画像は仲良く水に浸かっているようにも見えますが...
 お互いに意識してかなりピリピリ緊張が走っているのかも知れません。



 これは...かなり緊張感が伝わってきます。
 “一触即発”の雰囲気ですが...



 こちらはとうとう“小競り合い”が始まってしまいました...
 結構気の荒いカニで、人が近寄ると一応は逃げて行くのですが、逃げ切れないような状況では、両方のハサミを大きく振り上げて威嚇してきます。



 こちらは珍しく並んで日除けです。

 「こういつまでも熱くっちゃ堪んないっすね~」
 「そうそう、日陰にでも入らなかったら“茹で蟹”になりそうだよね~」

  干潟

グルーミング

2010-08-16 | 生物(etc)

 干潟では潮の引いている短い時間を惜しむように、カニたちが必死でエサを食べています。
 泥の中の珪藻や微生物を食します。

 上画像はどうやら仲間の背中の泥の中からエサを摂っているようです。

 サルの『グルーミング』を思い浮かべました。

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  干潟

芦原

2010-08-13 | 生物(etc)

 “干潟”の出現と同時にその名の由来ともなっている棲家の“芦原”から続々と“干潟”に這い出して来る『アシハラガニ』です。



 いかにもカニらしい頑丈な鎧をまとったような体つきです。
 ハサミも太く強そうです。
 (実際挟まれたらかなり痛いのです...)



 結構気の強いカニで、シオマネキ類やチゴガニなどのハサミを振り上げる“ウェービング”ではなく、“威嚇のポーズ”です。



 ちょっと陸上に長居し過ぎたのでしょうか体が“カラカラ”に乾燥してしまったようです。



 そんな時は体を水につけて“潤い”と“クールダウン”です。



  干潟

潜望鏡

2010-08-12 | 生物(etc)

 干潟のタイドプールから水面上に伸びる二本の...

 まるで潜水艦の『潜望鏡』のようです。

 まさに“水面下”で“水面上”の様子をうかがうカニの『潜望鏡』です。



 その持ち主は...



 “干潟”の代表的なカニ、オサガニの仲間です。
 “干潟”の出現と同時にそこら中の穴から這い出してきます。

 泥場の“干潟”は『ヤマトオサガニ』や『ヒメヤマトオサガニ』に占領されたかのような様相を呈します。

  干潟