『ハクセンシオマネキ』の子供です。
成体は、甲幅15mm程度の個体が最も多いのですが、中には25mmに達するものにも出逢った事があります。
ただそういったものは稀で、大きくても甲幅20mm程度の小型のカニです。
その小型のカニの子供は、甲幅3,4mm程度ののものから見られ、メチャクチャ可愛いものです。
これらの♀の個体は、甲幅5,6mm程度で歩脚にも透明感があり、“干潟の小さな宝石”といったところです。
もう1つの『ハクセンシオマネキ』の子供の特徴として、甲羅の色が“白っぽい水色”です。
前に紹介したような多彩な甲羅の模様ではありません。
ほとんどの個体が“白っぽい水色”の甲羅をしています。
♂の場合も、同様に“白っぽい水色”をしています。
小さいくせにいっちょ前のハサミを持っています。
中には歩脚の色が若干赤みがかった個体もいます。
こちらは、さらに歩脚の色が濃い上に、左右で配色が違います。
それでも甲羅は『ミルク・ブルー』です。
< 干潟 >
この間『ハクセンシオマネキ』の色んな甲羅の模様を紹介しましたが...
『シオマネキ』の場合は、基本の模様は上画像のように“唐草模様”です。
でも、やはり『ハクセンシオマネキ』と同様に、この模様にも個体差があります。
という訳で、今回は色んな『シオマネキ』の甲羅です。
< 干潟 >
全身に水を被った『ハクセンシオマネキ』です。
日蔭という事もあり、“メタリック”な輝きです。
すぐ近くに居た♀です。
こちらも“メタル”っぽく見えます。
よく見ると、お腹いっぱいに“抱卵”しています。
もうしばらくして卵から幼生が孵化すると、水際で体を震わして子供たちを旅立たせます。
その儀式は夜に行われるのか、なかなかお目にかかれません。
< 干潟 >
シオマネキ類や陸生のカニ達は、エラに含んだ水を外気に触れさせて“空気”取り込み、またそれを体内に運んでエラで呼吸するという事を書きましたが...
それがよく分かる光景が“カニの床屋”でお馴染みの“泡”です。
『ハクセンシオマネキ』が居ましたが...
口の所に「ポコッ」と泡が出たかと思っていると...
あっという間に口の周りから脚の方まで泡だらけになります。
苦しくて“泡”を吹いている訳ではなく、これが体内・外で水を循環させて空気を取り込んでいる証です。
今回の画像でも『目から毛』がよく確認できます。
さらに、眼と眼柄が格納される窪みが確認できます。
眼柄が両外に倒れて、窪みにキッチリ収まります。
< 干潟 >
成体でも甲幅10mm以下の小型のカニ『コメツキガニ』です。
干潟の砂地の場所に生息し、食事をしながらドンドン小さな“泥団子”を作っていきます。
『コメツキガニ』が食事をした周りは、“泥団子”だらけになります。
(残念ながら、その画像はありません...)
こちらも『コメツキガニ』ですが、全く体色が異なります。
同じ砂でも生息場所の砂の色によって大分体色が変わります。
(背中の方に“泥団子”が一つだけ落ちています。)
仮にこの個体を、全く違った色の砂場に持っていくとどうなるのでしょうか?
甲羅の色は早々変化しないと思うけど...
本人は“保護色”ではない自分の体に不安を感じ、かなりストレスが溜まるのではないでしょうか?
Click
気を許せばすぐに見失ってしまうほどの“保護色”です。
< 干潟 >
『ハクセンシオマネキ』です。
意外な秘密を紹介しましょう。
カニにはこのように体に毛が生えていますが...
↓こちらを見てください!
なんと眼に毛が生えています!!
↓眼柄にも!
↓さらには硬い甲羅にも!
それにしても眼に毛が生えている理由は?
ざっと調べても分からなかったので考えてみました。
干潟生活者なので体が泥だらけになるのは当たり前の話ですが、大事な眼がすっぽり泥に覆われたら困ります。
何も無いつるっとした球面の眼だったら、表面にべっとり泥が付着してしまう可能性がありますが、一部分毛が生えていると、その部分には、(水を含んだ)泥は眼球にべっとり付かないのではないでしょうか?
さらには、巣穴に入る時彼らの眼柄は甲羅にピッタリと格納される構造となっています。
ちょうどその際、毛が眼を守るような位置、つまり上のほうを向いて生えていることになるので、一種の感覚器のような働きをして、眼を守っているのではないでしょうか?
"目から鱗"じゃなくて“目から毛”の話でした。
< 干潟 >
意外な秘密を紹介しましょう。
カニにはこのように体に毛が生えていますが...
↓こちらを見てください!
なんと眼に毛が生えています!!
↓眼柄にも!
↓さらには硬い甲羅にも!
それにしても眼に毛が生えている理由は?
ざっと調べても分からなかったので考えてみました。
干潟生活者なので体が泥だらけになるのは当たり前の話ですが、大事な眼がすっぽり泥に覆われたら困ります。
何も無いつるっとした球面の眼だったら、表面にべっとり泥が付着してしまう可能性がありますが、一部分毛が生えていると、その部分には、(水を含んだ)泥は眼球にべっとり付かないのではないでしょうか?
さらには、巣穴に入る時彼らの眼柄は甲羅にピッタリと格納される構造となっています。
ちょうどその際、毛が眼を守るような位置、つまり上のほうを向いて生えていることになるので、一種の感覚器のような働きをして、眼を守っているのではないでしょうか?
"目から鱗"じゃなくて“目から毛”の話でした。
< 干潟 >
『シオマネキ』の子供です。
甲幅(甲羅の横幅)が10mm無いぐらいの小さな小さな♂ですが、しっかり片方のハサミは大きく、『シオマネキ』である事を主張しています。
これが成長と共にどうなって行くかと言うと...
最終的に『シオマネキ』は甲幅が40mmを超えるくらいにまで成長します。
甲羅との比率がどんどん大きくなり、いつの間にか甲幅を超えます。
と同時にかなり“いかつい”感じになっていきます。
< 干潟 >
甲幅(甲羅の横幅)が10mm無いぐらいの小さな小さな♂ですが、しっかり片方のハサミは大きく、『シオマネキ』である事を主張しています。
これが成長と共にどうなって行くかと言うと...
最終的に『シオマネキ』は甲幅が40mmを超えるくらいにまで成長します。
甲羅との比率がどんどん大きくなり、いつの間にか甲幅を超えます。
と同時にかなり“いかつい”感じになっていきます。
< 干潟 >
今や希少となった干潟の名物『シオマネキ』より一回り、二回りほど小型の、これまた希少な『ハクセンシオマネキ』です。
『シオマネキ』同様♂の片方のハサミは異常に大きくなり、大きなハサミを振りながら干潟で“潮を招く”姿は、のんびりとして豊かな干潟を有する海・汽水域の貴重な光景です。
この『ハクセンシオマネキ』の甲羅の模様は実に多様で、カニの中で最も個体差が大きいのではないでしょうか?
最初の画像とこの画像のカニが同じ種類だとは!!
どうしてこのように差が出るのでしょうか?
棲んでいる場所とかは全く関係ないようです。
ただし、小さい間は多くのカニが水色がかった白い色をしています。
それが大きくなるにつれて、実に色々な色・模様を呈して行きます。
ちょっと集めてみました。↓
さらに2個体加えて20尾の一覧です。
Click
“十人十色”ならぬ“二十匹二十色”です。
< 干潟 >
ご存知『シオマネキ』の♀です。
『シオマネキ』は干潟に穴を掘って巣としますが、上画像のように若干入り口部が盛り上がった塔状の巣穴です。
『シオマネキ』はカニ(甲殻類)なので当然“エラ呼吸”ですが、陸上生活に特化した呼吸法を習得しています。
絶えず体内に水を溜めていて、その水を外気に触れさすことで外気から空気を取り込み、エラと循環させながら呼吸をしています。
カニの“泡”は、その呼吸の際に発生する訳です。
ちなみに、『シオマネキ』の仲間や『ベンケイガニ』『スナガニ』などの陸生のカニ達は長時間水中に居ると窒息してしまいます...
干潟は、潮が引いた干潮時に現れる場所なので、満潮時は当然水の中です。
その時『シオマネキ』はどうしているのでしょうか?
実は『シオマネキ』は潮が満ちてきて穴が水没する前に“ふた”をします。
干潟の“湿り気”によってその時を予測するとの事です。
そんな場面に出逢えました。
歩脚を使って泥を巣穴の入り口に持ち上げます。
体を穴の中に滑り込ますと同時にさらに泥を持ち上げて...
「パタッ」という感じで“フタ”をする事が出来ました。
おそらく内側で、“ふた”の周囲と穴の内壁を密着させる「左官作業」をやっているはずです。
画像では捉えれませんでしたが、最初に穴の周りから“ふた”用の泥を集める時も、泥の表面から入口の大きさの泥の皮を剥がすようにします。
ちゃんと計算づくなのです。
なかなか見事でしょう!?
ほんと生き物のやる事は...スゴイ!
おまけ談ですが、
この画像を撮った時は、満ち潮時ではありませんでした。
???
実は...しばらくして雨が降り始めました。
しかもかなり激しい雨が長い間降り続きました。
つまり、『シオマネキ』は雨さえも予測していたと考えられます。
「実に面白い!」
< 干潟 >
大事なハサミが折れた『シオマネキ』です。
おそらく小さい時に受けた傷でしょうか?
大きくなってからだとなかなか折れるような柔なハサミではないので...
仲間同士ではなかなか争いはないと思うので、小さい時に『ハマガニ』や『アシハラガニ』などの大型の気の荒いカニにやられたか、鳥かも知れません。
こちらは折れた部分がかなり丸くなっていますので、やはり小さい時に折れたものでしょう。
でも考えたら、♂にとっては食事をする小さいハサミに傷を負ったほうが致命傷です。
< 干潟 >
『シオマネキ』♂の“大きいハサミ”の役割は、「ウェービング」という名の下大きく振りかざして♀にアピールしたり、他のライバルである♂への示威行為としてが主のようです。
観察していると、彼らは比較的平和主義者のようで、♂同士で争っている姿はあまり目にしません。
“小さいハサミ”はもちろん、生きて行くために最も重要な「食事」に利用されます。
一方、♀は両方とも“小さなハサミ”です。
当然、両方が「食事」のために利用されます。
両方のハサミで泥をすくい、交互に口に運びます。
つまり、同じ速度でハサミを口に運ぶとなると、♀は♂の2倍の量の「食事」が出来る事になります。
見ていて凄く効率的ですが、「行儀悪いよ!」とかついつい思ってしまいます。
本当に生き物の観察は見ていて飽きません。
kurosionoumiyamaさんから質問がありましたので、回答画像をアップします。
<追加画像>
Click
< 干潟 >
観察していると、彼らは比較的平和主義者のようで、♂同士で争っている姿はあまり目にしません。
“小さいハサミ”はもちろん、生きて行くために最も重要な「食事」に利用されます。
一方、♀は両方とも“小さなハサミ”です。
当然、両方が「食事」のために利用されます。
両方のハサミで泥をすくい、交互に口に運びます。
つまり、同じ速度でハサミを口に運ぶとなると、♀は♂の2倍の量の「食事」が出来る事になります。
見ていて凄く効率的ですが、「行儀悪いよ!」とかついつい思ってしまいます。
本当に生き物の観察は見ていて飽きません。
kurosionoumiyamaさんから質問がありましたので、回答画像をアップします。
<追加画像>
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< 干潟 >