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『天・地・水・命』 ~自然の恵み~

 「 天を仰ぎつ 地に伏しつ 水に語りて 命覚ゆる 」 仙人

医者

2010-04-13 | 淡 水 魚

 最近色々なところで話題になり、養殖事業などもなされている魚です。

 『ツチフキ』や『ゼゼラ』などの底生魚
と体形が似ており、や『モロコ類』ともかなり雰囲気が似ています。

 別名「ドクターフィッシュ」と呼ばれる『ガラ・ルファ』です。



 しかし、考えると不思議です。
 人が温泉を利用する以前、さらには有史以前は何を食べていたのでしょうか?
 『ヒト』のように皮膚を露出させ、さらに水の中に体を入れる生き物は...?
 あまり思い付きません。

 『ハタ』の仲間など大型の魚の寄生虫を食べる海水魚の『ホンソメワケベラ』のように、他魚に依存していたのか...?
 「ウロコ」から栄養は補給できないでしょうから、『ナマズ』や『ウナギ』など「ウロコ」のない魚の「粘膜」を栄養としていたのか...?
 だったら、『サンショウウオ』などの両生類の「粘膜」も食べれますが...
 う~ん、色々と研究してみたい魚です。



 そにしても、人間に対して恐怖心がDNAに植えつけられていないのでしょうねぇ。

  ゆめぎんが

山ノ神

2010-04-10 | 淡 水 魚
 『ゆめぎんが』でなかなかタイムリーな企画展を行っていました。

 “川と海を旅する魚たち”仕事でも趣味でも馴染みのある魚の展示が見られました。

 そんな中で、最も出会いたい魚の一つである『ヤマノカミ』がいました。



 有明海と流入する河川だけに生息する固有種で....詳しくは...



 雰囲気が同じカジカの仲間の『カマキリ(アユカケ、アラレガコ)』に似ています。



 『カマキリ』は繁殖時期になると♂魚の口腔内が真っ赤になりますが、『ヤマノカミ』の場合、鰓(えら)の中が赤くなっており、♂魚が成熟するとさらに赤くなるようです。

 水槽では出逢えましたが、実際に潜って水中で出逢いたいものです。

  ゆめぎんが

ナマズ

2009-10-22 | 淡 水 魚
 以前“益田川水系”で見かけた『ギギ』を紹介しましたが、夕暮れ時でピンボケ画像ばかりでした...

 今回木津川で見かけました。
 若干濁りがあったものの何とか写せました。

 普段は昼間になかなか姿を見られない魚ですが、川底の石をひっくり返して見つけました。
 夜行性で、明るい間は物陰や石の下に隠れているわけです。

 

 ナマズの仲間特有のヒゲとクリクリっとした目が愛くるしい魚です。

  木津川

生息

2009-10-14 | 淡 水 魚

 ビオトープ池で出逢った生き物です。
 上画像は『メダカ』です。
 一瞬外来魚の『カダヤシ』かとも思いましたが、尻ビレの形や背ビレの位置から間違いなく『メダカ』です。

 池の中だけではなく、流れ込む水路にもたくさん生息していました。

 池の周囲では数種類のトンボが翔んでいました。
 その中で画像に納めれたのを2種。

 まずは、“豚鼻”などと失礼な呼び名もある『マユタテアカネ』です。

 

 アップにすると“マユ(眉)”がよく分かると思います。

 

 確かに“マユ”なのに目の下、鼻の部分にありますが...
 私の場合は“クゲ(公家)トンボ”と呼んでいます。

 お次は...
 残念ながらここでは「アカトンボの仲間」としておきます。

 

 

 似た種に『アキアカネ』『ナツアカネ』『タイリクアカネ』『タイリクアキアカネ』『マイコアカネ』などがいますが、胸部側面の黒条線形がはっきりしませんので決め手を欠きます。
 とりあえず「アカネ属」のトンボということには間違いありません。

  灘浜サイエンススクエア

接近

2009-09-15 | 淡 水 魚

 雨の中頑張って潜ったお陰でちょっとした成果がありました。

 『オヤニラミ』とかなり接近する事が出来ました。

 潜っていて魚を見つけたときは、ほぼ相手もこちらを見つけています。
 水中で急な動きをしたり近づきすぎるとモチロン魚は逃げていきます。
 また、水中で音を立てるのも禁物です。
 接近するためには、ギリギリ近寄れる距離を見極めて、出来るだけゆっくり近づく必要があります。
 この近寄れる距離というのも、それぞれ種ごとに異なっているようです。
 コレばっかりは経験が必要です。

 

 時にはこちらに興味を持って正面を向いてじっとにらめっこをする場合もあります。
 アゴから背びれ方面、体の上部に続く白い模様が印象的です。

 

 普通『オヤニラミ』は川底や周囲に何も無い場所には居らず、上画像のように石の横や、下画像のように水草の脇など“物陰”を好む魚です。

 

 この『オヤニラミ』が棲む場所は、川底近くの水温が水面よりかなり低いんです。
 それは、上流の水が伏流し(地下を通り)、この辺りから湧き出しているからです。
 こういった“湧水(伏流水)”があるということは、河床に泥などが堆積せず、底質が礫や砂である事の証明でもあるため、夏場でも水温の上昇を抑え清冽な水を供給している生物にとって快適な環境です。
 下画像の『オヤニラミ』の周囲の河床には銀色の粒、つまり“気泡”がたくさん確認できます。
 これは“湧水”により冷水を好む緑藻や水草が繁茂し、それらが光合成により酸素を供給するためです。
 もちろんそれは魚にとっても快適な環境となります。

 

 この『オヤニラミ』ですが、体の中にさらに魚がいると言われます。

  Click
 

 上画像を見ると、エラの後縁の緑の模様が目の部分で、側線上の白い線が背中の輪郭を示しています。
 よく見ると本体の尾鰭の付け根で白い線がちょっと向きを変え、しっかり尾鰭も描いています。
 さらに本体の目から後方に口が描かれています。
 (かなりタラコ唇ですが...笑)

 これってやはり敵を威嚇する(驚かせる)ためのものなのでしょうか?
 何気ない川の小魚にも実に興味深い事実があります。

  中国地方の川

托卵

2009-09-11 | 淡 水 魚

 “托卵”とは、自分の卵を多種に育てさせる習性のことを言いますが、鳥類では『ホトトギス』や『カッコウ』が有名ですが、魚類ではこの『ムギツク』がよく知られています。

 『ムギツク』の場合は、前記事で紹介した『オヤニラミ』や底生魚の『ドンコ』に“托卵”します。
 群れで多種の産卵床に押し寄せて、そこに生まれている卵を食べ散らかした上で、自分の卵を産卵するようです。
 そして、多種に育てさせる.....

 種を維持するための凄まじいまでの習性です。
 でも...「自分で育てろよ~!」と言いたくなる習性ではありますが...
 托された方こそいい迷惑です。
 自分の子供達を食べられた上に、食べた種の子供達を育てるのですから...

 

 画像は、右が『ムギツク』左が『オイカワ』の♀です。
 『オイカワ』の場合は産卵環境が全く異なるため、“托卵”されることはありません。

 中国地方の川

見っけ!

2009-09-08 | 淡 水 魚

 「まさかこの魚がいるとは!!」

 この水系に生息していることは知っていましたが、出水後に出逢えるとは!!
お気に入りの淡水魚『オヤニラミ』です。

 

 『カワメバル』という別名(実は学名もCoreoperca kawamebari)の通り海水魚の『メバル』に似ており、とても淡水魚には見えません。
 (熱帯の淡水魚の『ナイルパーチ』あたりとはかなり似た感じです。)

 

 よく見ると下あごにケガをしているようですが、出水を逞しく乗り越えたものと考えます。
 各地で減少が危惧されている魚ですが、頑張って欲しいものです。

  中国地方の川

復活

2009-09-07 | 淡 水 魚

 現在仕事で定期的に通っている中国地方の河川です。
 この河川も今年の夏の豪雨で少なからず出水の被害を受けたようですが、生物の、特に魚類の“復元力”は素晴らしいものがあり、行く度に元の河川の魚類相に戻りつつあります。

 河川で出水があった場合、その規模にもよりますが多くの魚が下流に流されてしまいます。
 特に河川工事で河道が直線化していたり、護岸が整備されているところは一気に水が流下していくため、魚類はその勢いに耐え切れないと同時に、避難して隠れる場所も無いため水の勢いに逆らいようがありません。
 自然に近い河川では、大岩の裏側やワンドの奥、水際の植生の根元や河畔林の樹木の陰に隠れる事が出来るのですが...

 上画像は『シマヨシノボリ』です。
 海と川を行き来する回遊魚ですので、出水に耐えて河川内に居残っていたのか、落ち着いてから再び海から遡上してきたのかは分かりません。

 

 こちらは同じく回遊魚のおそらく『トウヨシノボリ』です。
 本種の場合は、“縞鰭(しまひれ)型”や“橙色(とうしょく)型”ほか数種に分かれますが、画像からだけでは判断できません。

 

 さらに回遊魚の『ヌマチチブ』です。
 いずれもハゼ科で腹部に吸盤があるため、遊泳力は弱い底生魚ながら、垂直近い壁をよじ登ったり、強い流れに耐えたりが可能ですが、洪水の流れに耐えることは困難でしょう...

 

 最後に一生を河川内で過ごす純淡水魚の『イトモロコ』です。
 こちらは遊泳魚ながら『アユ』や『オイカワ』、『カワムツ』などに比べると遊泳力は劣ります。
 かなりの群れで観察できました。
 おそらくピンポイントで隠れる場所を見つける事が出来、出水に耐えたものと考えます。

  中国地方の川

純淡水魚

2009-08-21 | 淡 水 魚

 一生を淡水(河川・湖沼)の中で送る魚類を“純淡水魚”といいます。
 反して淡水と海水(海洋)を行き来する種を“回遊魚”といいます。

 ハゼの仲間のヨシノボリ類には“回遊魚”が多く、『オオヨシノボリ』『シマヨシノボリ』『トウヨシノボリ』などなど...
 一部“回遊魚”であるヨシノボリでも、湖を海代わりに行き来する“陸封型”のモノもいます。

 画像のヨシノボリは『カワヨシノボリ』で、その名からも分かるように回遊しない“純淡水魚”です。
 地域によってかなり模様などに変異が見られますが、淡水で一生を過ごします。

 

 上と下の画像でもかなり色の違いが見られますが、同一の場所でも違いが見られます。
 一つには、繁殖期には♂♀でもかなりの差異が見られるようになります。

 

 ヒレを立てていないので分かりにくいのですが、背びれの端っこが黄色く色付いているのは分かると思います。
 繁殖期には背びれや尾鰭の先端が黄色く色付く、つまり“婚姻色”が現れます。

  揖保川

ニゴイ

2009-08-20 | 淡 水 魚

 堰の上流側でゆったり遊ぶ『ニゴイ』の群れです。

 『コイ』に似ているから『ニゴイ』...安易なネーミングですが....

 普通このように群れで行動しており、かなり流れの急な瀬の部分でも見ることができます。
 体長60cm程度にもなる大型の魚で、潜っている時に突然目の前に現れると、かなり驚いてしまいます。
 “コイ釣り”の外道であったり、“アユ釣り”の際にも引っかかって釣れたりするので、厄介者扱いの場合が多いようです。

 地域によっては食用にするところもあるようで、刺身はシコシコした食感で美味しいようです。
 一部「アユよりも旨い」と珍重されている場所もあるようですが...?
 河川の下流域で泥を食べている(エラでこして、中の底生動物を食す)姿を見ているだけに、あまり食べたくはない魚です。

揖保川

雷魚

2009-07-03 | 淡 水 魚

 川の流れの緩やかな“澱み”から突然水飛沫があがりました。

 よく見ると、巨大な二つの物体が...

 

 二尾の背びれが見えますが、左の方に頭の部分が確認できます。
 通称“雷魚(ライギョ)”と呼ばれる『カムルチー』です。
 かなり似た種に『タイワンドジョウ』がいますが、かなり数が少なくめったにお目にかかれないため、『カムルチー』の方だと思います。

 大正時代の終わりに朝鮮半島から移入されましたが、甲殻類、昆虫類、カエルから水鳥の雛やネズミまで捕食する獰猛な性質で、全長1m近くにまで成長します。

 丁度今の季節、彼らの繁殖の時期です。
 下画像のように♂♀が寄り添ったり円を描きながら...

 

 時々“バシャッ!”と大きな水音をたて飛沫をあげます。

 

 おそらく♂が♀に産卵を促す合図だと思うのですが...
 体が大きいだけに迫力があります。
 全長70~80cmぐらいはありそうです。

  揖保川

希少魚類

2009-04-18 | 淡 水 魚

 淀川沿いにある「水道記念館」に行ってきました。
 水道局柴島浄水場に併設された施設で、水道の歴史や仕組みの紹介と淀川・琵琶湖の淡水魚が展示してあります。

 

 この建物は、国の“有形文化財”の指定を受けています。
中ノ島の「中央公会堂」に似た感じで、歴史を感じさせてくれます。

 ここには環境省レッドデータリストで最高ランクの“絶滅危惧ⅠA類”に指定され、なおかつ“国内希少野生動植物種”、“国の天然記念物”でもある『イタセンパラ』『アユモドキ』が展示されてあります。

 まずはタナゴの仲間の『イタセンパラ』です。

 

 淀川水系、富山平野、濃尾平野の限られた地域にのみ生息する日本固有の魚です。
 ただ生息域の環境悪化や産卵床となる淡水二枚貝の減少で、絶滅寸前にまでなっており、すでに何年も確認されなくなっている地域もあるようです...

 

 これがドジョウの仲間の『アユモドキ』です。

 

 他のドジョウの仲間とはチョット姿が変わっており、アユに似ていることからこの名前が付いています。
 胴がドジョウのようにまん丸ではなく扁平で、尾ビレに切れ込みがあるのが最大の違いです。
 琵琶湖淀川水系と、岡山県吉井川・旭川・高梁川水系のみに分布しています。
 これまた各地で絶滅が危惧されている魚です。

 

 どの画像も水槽写真なので、写りが悪く残念です...
 是非とも自然の水系で写真を撮りたいのですが...難しいです。

  水道記念館

冬の住人

2009-01-31 | 淡 水 魚

 「夜の川」の住人、『カワヨシノボリ』です。
 彼らは結構寒さ(冷たさ)には強いようで、冬でもしっかり川底を動き回っています。

 ただ上画像ではチョット寒いのか、“落ち葉の毛布”をしっかり被っていました。(笑)



 こちらは『カワムツ』です。
 かれらも確かに流れの緩い“澱(よど)み”に集まっていますが、元気いっぱいって感じでした。

 画像の中に『カワヨシノボリ』が居るのに気づかれたでしょうか?

 画像の下方のこげ茶色の棒切れの下に!

 彼らも“カモフラ名人”です。

とある川

ギャング

2008-12-16 | 淡 水 魚
 川の“ならず者”と言ってしまうのは可哀相ですが、他の小魚や底生生物をパクパク食べてしまう『スミウキゴリ』です。
 仲間の『ウキゴリ』『シマウキゴリ』とは第一背鰭の後縁の黒斑の有無で区別しますが、本種には斑紋がありません。
 それぞれ汽水域から中流域までの間で“棲み分け”をしていますが、三種とも同じ場所で生息している河川もあります。
 そんな場所は環境が多様でエサとなる生き物も豊富なのでしょう。

 

 岩陰や沈木の陰などに潜んで、近付いた生き物を「パクリ!」とやってしまいます。
 「浮鮴(ウキゴリ)」名前の通り底成魚なのに川底にピタリと張り付かずに中層で浮いている事があります。

 

 ハゼ科でヌマチチブやヨシノボリなどの仲間ですが、総称して「ゴリ」と呼ぶ地方もあります。

 in 浜田川水系

ギギ

2008-12-14 | 淡 水 魚
 今日の画像は正直言って披露するようなものではありませんが...
 ナマズ目ギギ科の『ギギ』です。
 夜行性なので昼間はほとんど出会うことは出来ません。
 この時は夕方陽が傾きだしてきたとき、一斉に岩の陰から『ギギ』が這い出してきて盛んにエサを探す様子が確認できました。
 不運な事にストロボの用意が無く、一時もジッとしていないのでまともな画像を残せませんでした...

 
 
 先日紹介した『アカザ』も近い仲間ですが、この他『ギバチ』『アリアケギバチ』そして天然記念物の希少種『ネコギギ』なども仲間です。
 『ギギ』も30cm程度のサイズになると可愛さもなくなりますが、画像の3,4cm程度のヤツは非常に可愛いです。
 胸鰭の棘と基底部の骨を擦り合わせて「ギイギイ」音を出すので『ギギ』という名前になったとか...

 

 かの徳川家康が次男の秀康が生まれた時に、あまりにも醜かったため幼名を魚の『ギギ』に似ているということで「於義伊(おぎい)」と付けたと言われています。
 ひどい親もあったものです。(悪魔君を思い出します。)
 この秀康は幼少の頃ほとんど父である家康と会う事も無く遠ざけられ、後に豊臣秀吉に養子(人質)に出されたり、下総国の大名結城家の家督を継いで結城秀康と名乗ったり...
 本来であれば、長男の信康が亡くなっていたので、三男の秀忠よりも二代将軍となるべき位置にいたのに...
 たった34年の不遇な生涯を送った男です。

 

 話が逸れましたが、この『ギギ』に出会うといつも「結城秀康」のことを思い浮かべます。
 しかし、可愛い『ギギ』には迷惑な話です。

 in 益田川水系