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『天・地・水・命』 ~自然の恵み~

 「 天を仰ぎつ 地に伏しつ 水に語りて 命覚ゆる 」 仙人

新温泉町

2012-12-02 | 化    石
 この建物は...

 兵庫県の北西部、鳥取県との県境にある新温泉町に行ってきました。
 ここは...





 知る人ぞ知る「おもしろ昆虫化石館」です。
 ずいぶん前から訪れたかったのですが、なかなか機会が無くて...
 やっと来る事ができました。



 館内は決して広くはありませんが、見やすく整然と標本が並べられてあります。
 古い施設を予想していたのですが、かなり新しい感じがしました。



 昆虫化石です。

 残念ながら現在は、産地保護のため採集禁止になっているのでここでしか見ることが出来ません。
 ここもまた、「今は昔...」「あの頃は...」の場所ですが...

 しかし、何よりもビックリは、入館料\100也。

  新温泉町

ふしぎ

2012-11-22 | 化    石
 「つやま自然ふしぎ館」です。

 入口はお世辞にも立派な感じではありませんが、看板はかなり興味を引きます。





 ↑中央上部のオレンジ色の部分に、しっかり“化石”と書いてあります。

 これは入らないわけには行きません。
 そう言えば近隣には、まだ採集には行ったことはありませんが、産地が点在しています。



 建物はかつての学校舎を利用しているので古さは否めませんが、展示はなかなかのものがありました。



 この地でお馴染みの『ビカリア』です。
 “おさがり”がいいですねぇ...



 『ビカリア』『ツリテラ』や二枚貝、なぜか古琵琶湖の『カラスガイ』もありました。



 もちろんこの地のものではありませんが、アンモナイトもしっかりありました。

 この他、現生の貝や昆虫類の標本、膨大な量の剥製などなど...
 充実の内容です。
 生き物に興味のある方なら1日楽しめます。

  つやま自然ふしぎ館

チビッ子

2012-10-29 | 化    石
 久々の『ナノナビス』です。

 未クリーニングのボックスの隅にコロンと転がっていました。
 このての小さいサイズでもナノナはナノナです。





 しっかり親に似た姿をしています。



 おそらくもうストックから合弁のナノナが出てくる事は無いと思います。
 もう片貝もまともなものは残っていなかったような...

 大事にしたい化石です。

  和泉層群

雲丹

2012-10-28 | 化    石
 石をちょいとめくると、こんなん出ました。
 棘残りの『ウニ』です。
 棘残りは初めての経験です。
 ただし、ボロボロの泥岩なので、うまく取り出そうにも...

  Click
 

 このまま固めてしまった方が一番いいような気もしますが...

 結局無理矢理取り出してこのような状態になってしまいました。



 かなり寂しい状態ですが、棘残りの『ウニ』であることには間違いない標本です。

  和泉層群

イノセラムス

2012-10-17 | 化    石

 昨日と同じく和泉層群のイノセラムスです。
 ここまで小さいのはあまりお目にかかった事がありませんでした。



 一応合弁です。
 合わさった殻頂が見えています。

 周りの石を除去してみました。





 もちろん本音はグルグルを見つけたいのですが、このイノセラも小さくまとまって、標本棚の間隙にスッポリおさまりそうです。

 一応アンモナイトです。



 若干表面の凹凸の装飾が残るバキュリテスです。
 和泉層群では多産しますが、やはり幅のある長い標本を見つけたいものです。
 贅沢を言えば縫合線でも出ていたら、“真っ直ぐ”でも納得がいくのですが...

 グルグルも見つけました...



 この形そのままに石化していたら言う事無いのですが...(笑)

  和泉層群

メタプラセンチセラス

2012-10-16 | 化    石
 久々にというか、二度目ですがメタプラ狙いで四国の和泉層群に出掛けました。

 なかなか厳しい産地ですが、何とか手にする事が出来ました。
 上画像は、へそが出ていないものの、一応は全体が揃っていそうです。



 こちらは一部消失していましたが、母岩の中から残りの部分が出てくるかも...
 さらに、



 縫合線が出ていました。



 こちらは、残念な事に半分しか本体が残っていません。
 ただし、♀型の美しさはなかなかのものです。

 クリーニング後です。







 何とかへそが分かる程度にはなりましたが、これ以上は危険なので止めました。

 二つ目です。







 こちらも何とかへそは出ましたが、これ以上は触らない事にしました。

 ペラペラの極薄アンモですが、くねった肋が何とも言えません。

 二つを並べてみると、



 肋の感じがかなり異なっていて、同じ種のような感じがしませんが、左のアンモの住房部が仮に大きく欠損していたとして、残っていたら近いようすであったのかも知れません。



 最初は本体を犠牲にしてレプリカ用の型にしようとも考えたのですが、やはりこのまま残す事にしました。

 今回雨の中、短時間の採集でもまぁ成果がありましたので、次回はじっくり粘ってみようと目論んでいます。

和泉層群



河原

2012-09-16 | 化    石

 河原を歩いていると、丸い石の塊が...
 間違いなくノジュールです。
 サッカーボールぐらいのかなり大きなモノでした。
 外部に何か痕跡が出ていないかと嘗め回しましたが、何も出ていません。



 エスティング一本ぶら下げての川歩きなので、チョットはつっただけで放置しました。
 もしかしたら、デカイ“カニ”が入っていたかも知れません。

 近くで現生のものに出逢いました。



 一日歩き回りましたが、なかなか痕跡には出逢えません。

壮行会

2012-09-01 | 化    石

 “化石ネタ”が全くご無沙汰と言う事で、久々の“化石ネタ”です。

 化石仲間が秋から転勤と言う事で、先ずは室内壮行会を行いました。
 その時に公開されたクリーニング済み、グリーニング途中の化石たちです。
 種などがよく分からないので、画像だけの羅列ですが...

























 スケールが無くて申し訳ありません。

 今回持ち寄られませんでしたが、まだまだこの他にも素晴らしい標本が数多く採集されています。
 私が行ける日まで化石があるのか心配です...

 次は、壮行巡検です。
 何とか記念となる化石を皆で採集したいものです。

ヘテロ

2012-04-06 | 化    石

 『ヘテロセラス』か『アナハムリナ』の部分化石です。

 真っ直ぐなので棒状アンモナイトかと思ってしまいます。
 細い竹の棒があるとついつい擦って楽器にしてしまいそうです。(笑)

 こちらは太さが変化しています。



 殻口近くの部分でしょうか?

 なかなか全体像が分かる化石には出逢えません。



 せめてこのようにターン部であれば、化石らしいのですが...

  白亜紀前期

タマ

2012-03-17 | 化    石

 もうまともな『タマガイ』は残っていないと思っていましたが、小振りながらストッカーの隅に新聞紙に包まれて、コロリと出てきましたのでクリーニングしました。



 “歴戦の勇者”のように傷だらけです。



 殻口を掘りはじめるとキリがありません。

 何度止めようと思った事か...
 もうチョットもうチョットと、しつこく掘ってみました。



 ついつい手の中で弄びたくなる、いい形をした化石です。

  内浦層群

ナノナビス

2012-03-16 | 化    石

 和泉層群産出の『ナノナビス』です。

 数年間温めた上、引っ張り出してクリーニングしました。

 反対側はあまりお見せしたくないのですが...



 完全な虫食い状態です。

 上から眺めると...





 蝶番の部分が完全に外れていますが、これでも合弁というのかなぁ...

 一応、両殻揃った標本という事で。
 よく見ると木の化石“珪化木”のような感じです。
 積年の苦難の道のり(笑)が見てとれます。



 殻縁の方はしっかり閉じているのですが...

 状態の悪い化石でも、やはり綺麗にしてやるとそれなりの標本に見えます。
 石には申し訳ないのですが、慎重さや気合に若干欠けてしまいますが、やはりクリーニングして標本箱に収めてあげなくてはいけません。

  貝塚

黒化石

2012-03-15 | 化    石

 和泉独特の黒い化石『ナノナビス』です。

 採集はしたものの、状態が良くないので数年間放置していました。

 少しでも放置化石を減らすために、ボチボチ“激務”の気分転換にクリーニングに勤しんでいます。
 (日々10分ぐらい...気が遠くなるくらい時間が掛っています...笑)

 殻長8cm程度のまずまずのサイズですが、片側がボロボロです。



 裏側の状態がさらに...
 グチャグチャに潰されてしまっています。



 上方から見ると、左右にずれています。



 しっかり両殻が閉じた合弁ではありますが。



 横から見るとちゃんとハート型です。

 負け惜しみですが、潰れた標本は本当に化石らしくて、数千万年の歴史を感じることが出来、これはこれで貴重だと考えています。
 どうしてもクリーニングが雑になってしまいますが...

  貝塚

和泉層群

2012-03-13 | 化    石

 今年は少々気合を入れて“化石採集”に打ち込もうと考えているのですが、週末に冷え込みが厳しくなかなか...
“ハンマー初め”にもまだ行っていません。

 という訳で、以前採集したままで放置しっ放しの石達を引っ張り出してクリーニングをやっていますので、ぼちぼち紹介して行きます。

 2,3年は訪れていない和泉層群の畔の谷の化石です。
 ここは、化石は多産するのですがなかなか状態のいいモノには出逢えず、ノジュールも二枚貝や巻貝、棒状アンモナイトが断片の佃煮状で密集する赤茶けたものです。
 まずは原生の『シジミ』のような『エリフィラ』です。
 合弁ではありませんが、片貝が二枚重なったいい置物になります。



 私はあまりお目にかかった事が無かった『イノセラムス』です。
 こう見えても一応合弁でした。





 かなり両貝がずれていましたが...

 状態はよくありませんが、『イズマイア』だと思われます。





 そして、棒状アンモナイトの『バキュリテス』です。





 このアンモナイトもなかなかまともな状態のものには出逢えません。
 形状からして、必ず化石化の途中で折れてしまうのでしょう。

  畔の谷

恐竜

2012-02-16 | 化    石

 日本の恐竜図鑑
        宇都宮聡+川崎悟司[著]

 伝説の“ドラゴンハンター”として知られる宇都宮聡氏の2冊目の著書です。
 このいかつく物々しい異名とは打って変わって静かで温厚な人物ですが、こと化石や古生物の話になると目が光ります。
 冗談じゃなくて“目が光る”と私は感じています。(笑)

 産地では、手持ち無沙汰に辺りを散歩でもするように歩きながら、「おっ、こんなところにサメの歯が...」と、こちらが散々見て回った場所からお宝を拾い上げます。

 「もう、かなわんなぁ~」と思いながらも「やっぱ、すごい」と思うのが正直な気持ちですね。

 行く先々で大物化石を発見されているので、これからもガンガン“ドラゴンハント”されるでしょう!

 「いつかは自分も!」と思ってはいるのですが...

 あっ、本のレヴューは、
 面白くて一気に読んでしまいました。
 「自分にも大物化石が見つかるんじゃないか!?」とまでは思いませんが、自分が見つけてしまった時を想像してしまいそうな一冊です。

 

強度

2012-01-31 | 化    石

 ご存知『ディディモセラス』の住房部です。

 いわゆるC型に垂れ下がる部分だけです。



 ディディモの場合、よほど良質のノジュールでない限り、気室部はほとんどまともな状態では出ないか、腐ったような状態でボロボロです。
 逆に運良くノジュールを見つけても、カッチカチの母岩なので、普通のチスやドリルの刃などでは全く歯がたちません...
 まずは、グラインダーなどで余分な石をある程度大まかにカットして、後は細かな切れ目を賽の目に入れながら少しづつはつって化石本体に近づき(fossil1129式)、最後はやはりチス作業でしょうか...
 そんな場所も技術も無いので、憐れディディモ・ノジュール達は未だにベランダのコンテナボックスの中で眠ったままです。
 例えば「兵庫県立人と自然の博物館」の“ひとはく恐竜ラボ”や福井県立恐竜の“化石クリーニング室”を使わせてもらえるのならば、“一冬”ぐらい籠ってクリーニングをするのに...



 それにしても、ディディモの肋は規則正しく細かく入っています。
 棒状を除いて異常巻きのアンモナイトにはほとんど肋があるように思われます。
 当然、平巻きと比べて異常巻きのような複雑な形状を持つ種には殻の強度が重要になってきます。
 ちょっとした事で殻が破損したりすると、当然浮力の問題も生じますし、外敵から襲われた場合あっという間に食べられてしまいます。

 波形と強度には強い関係があります。
 工場や倉庫などの屋根に使われる“波形スレート”や段ボールの波形の層は、その強度を増すために考えられた構造です。
 アンモナイトの肋も強度を増すために考えられた自然の知恵(適応・進化)なのでしょうか?
 ただ全く肋の無い平巻きのアンモナイトもありますが...

  御山