天星人語

世間と空、そして(時々)海をぼんやり眺める毎日です。

生命は星から? 海から?

2005-09-25 12:55:31 | 人間歴史の途中経過

 生命はどこから生まれたのだろうか、ということを考えた。先日、海を見ながら「われらをめぐる海」(レイチェル・カースン)を読んだ時のことである。(多分)生命のなかった地球で、代謝と遺伝という相互に絡み合った性質が、どのようにして生まれたのだろうか。まだ、確定した事実はないが、段階的に生命が生まれただろうことは分かってきた。

 カースンさんによると世界初の海洋探査船は、チャレンジャー号である。それ以前には、深海に生物はいないものと信じられてきた。しかし、この船は1872年にイギリスを出帆し、深海の生物を続々と発見した。知られる生物誕生候補地は「熱水噴出孔」周りである。 

 一方、この1月に、小型探査機「ホイへンス」が土星の衛星である「タイタン」に着陸した。一説によると、現在のタイタンの状態は約46億年前の地球の生命誕生時期と似ているらしい。生命がいる惑星が地球に衝突して生命体が運ばれた可能性もある。 

 果たして生命は星から運ばれたのか。あるいは海から生まれたのだろうか。生命のなかったこの地球に、どのような変異で生命が生まれ、ついには人間にまでつながったのか。

 今夜も星をながめる。

 

 以上が当初書いた文章です。2022年になり星から運ばれた説を補強する証拠がニュースになり始めた。

はやぶさ2試料から液体の水 地球外で初、海の起源解明へ

東北大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは、探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「りゅうぐう」の試料(サンプル)を分析し、液体の水を発見した。一滴にも満たないが、宇宙の天体で採取した水は初めて。地球の水の起源や太陽系の成り立ちの解明のカギになる成果だ。

研究成果は22日付の米科学誌「サイエンス」に掲載された。

過去に隕石(いんせき)から宇宙由来の水を検出した例は報告されている。ただ地上で混入した可能性を否定できなかった。これまでの解析で、りゅうぐうのサンプルに水が含まれることは分かっていたが、見つかっていたのは鉱物と化学反応した状態だった。

研究チームはサンプルの成分や構造などを詳細に分析した。水は塩や有機物のほか二酸化炭素(CO2)を含む炭酸水の状態で、鉱物の結晶にある数マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの大きさの穴から見つかった。水は約46億年前の太陽系誕生直後にできたもので、りゅうぐうにあるときも氷ではなく液体だったとみられている。

東北大の中村智樹教授は「水をたくさん抱えた小惑星が地球に衝突すると地球に水が供給される。そこには有機物も含まれている。海や有機物の起源に直接関わる証拠だ」と話す。生命誕生に欠かせない水や有機物の由来は詳細には分かっていないが、地球上で生じたもの以外に宇宙由来の可能性があるわけだ。

成果は太陽系の成り立ちを解明する手掛かりにもなる。サンプルの熱変化などに関する解析結果から、りゅうぐうの成り立ちが詳細に分かってきた。太陽系誕生直後、太陽系の中心近くにあった微粒子が外側にとばされ、そこで集まってりゅうぐうの母天体の一部になった。その後、ほかの天体に衝突されて一部が飛び出し、現在のりゅうぐうのある火星と地球の間に移動したと予想している。太陽周辺からのガスの噴射や他の天体の引力の影響などが関係している見込みだ。

サンプルの解析は国内では計8チームが進めてきた。今後は有機物の成分に関する詳細な解析などが注目だ。りゅうぐうからは有機物であるアミノ酸が23種見つかっているが、その成分の詳細な報告が期待されている。

出所 2022年9月23日日本経済新聞。

はやぶさ2試料、宇宙からも生命の源 耐熱鉱物が運搬役

分析に使った小惑星「りゅうぐう」の試料(サンプル)=JAMSTEC/Phase2キュレーション高知提供

海洋研究開発機構などは探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料(サンプル)を分析し、宇宙から生命の源となる有機物が太古の地球に運び込まれる仕組みを明らかにした。熱などに強い鉱物が有機物を守るように囲んだ構造を見つけた。これが運搬役となって無事に地球に届けられ、地上にある物質とともに生命誕生に役立った可能性があるという。

サンプルには粒が粗い形状の「ケイ酸塩」と呼ばれる鉱物があり、その中に種類は特定していないが有機物の一種が含まれていた。

ケイ酸塩は水も含み、有機物と混ざり存在していた。この有機物はセ氏30度以上の温度で分解してしまう。海洋機構の伊藤元雄主任研究員は「粒が粗いケイ酸塩は熱などに強い。水や有機物を地球に運ぶ役割を果たした可能性がある」と話す。

地上の隕石(いんせき)からも有機物は見つかっているが、地上まで無事に届ける方法は不明だった。

研究チームは研究成果を15日付の英科学誌ネイチャーアストロノミー(電子版)に発表した。

「ケイ酸塩」の集合体。有機物や水を運ぶのに重要な役割を果たした可能性がある=JAMSTEC/Phase2キュレーション高知提供

はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、19年にりゅうぐうに2回着地してサンプルを採取した。20年12月にサンプルを地球に届けた。国内外の研究チームが解析を進めている。

出所 2022年8月16日日本経済新聞。

生命誕生の謎に迫る はやぶさ2、採取試料にアミノ酸

探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った試料(サンプル)に、生命の源となる物質のアミノ酸が含まれていることが分かった。他の天体から採取したサンプルを地球に持ち帰る取り組みは国際的に盛んで、データを合わせて解析すれば、生命誕生の起源や太陽系の成り立ちの解明につながると期待される。

出所 2022年6月6日日本経済新聞。

 

 

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(更新履歴)

・2005年9月25日投稿。

・22年8月16日、はやぶさ2部分を更新。


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