国立近代美術館 本館の洋画を紹介します。
満谷国四郎が、渡欧したときの作品。 柔らかな色彩に安らぎを感じます。
明治40年に文部省美術展(文展)が開かれ、その頃から洋画、日本画の区分が明確化されたようです。
この、山本森之助の作品に対する、美術館Webサイトの解説では、洋画ではあるが、日本画の伝統的な俯瞰図に接近しているとあります。
あまり分析的に見なくても、この絵の海の色、山の描き方は好きです。
ルノアールを勉強しようとして描いたのでしょうか。 当時の洋画家は、ポスト印象派のゴッホ、ルノアール、セザンヌに熱狂していたという。
これっといった特色はないのですが、見て違和感のない絵でした。
中村 彜は、セザンヌの影響・・・・というような分析的な見方をやめ、素直にみると、背景の山、民家は鷹揚とした感じでいいのですが、手前の風にあおられる木と枝葉でしょうか、暗く鬱積した怒りがあるように感じます。
村山槐他のバラと少女は以前にも採りあげました。 22才でなくなった異才の画家。
今回、顔の部分など細かく見てみました。 しっかりとしたデッサン力です。 少女の容貌は部分部分は、普通に描かれているのですが、少し異様な雰囲気を感じる。 後ろ髪あたりの描き方、全体の色の使い方がそんなイメージを与えるように思います。
岸田劉生のこの絵も、以前採りあげていますが、実在感を感じる作品。
リアルな印象を強く受けます。
この、一見、モナリザを意識した作品・・・最初はさして興味もひかず、写真は撮らないで通り過ぎたのですが、何かひっかかるところがあり、戻ってきて撮影しました。
調べてみると、モデルの女性は、河野通勢の妻(光子)の妹。 妻と結婚するまでは、妹の好子に惚れていて、光子・好子姉妹の姉夫婦の主人(通勢の友人)に結婚の
希望を打ち明けると、姉の光子をすすめられたとのこと。 当時、妹から先に結婚するのは道徳的に受け入れづらかったようだ。 通勢は後に、光子と結婚するが、
この絵は、姉妹に初めて会ったころの肖像画で、通勢の恋心にあふれた絵であるわけだ。 なお、通勢や姉妹はキリスト正教徒で、絵もそれをうかがわせる。