流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

衝動と反動の中間的な羽根のタービン1段(静翼+動翼)

2010年10月24日 | 流体機械設計

わずかに静翼出口で圧力を残し、それにより衝動型と反動型の中間的なタービン段が出来たとしても不思議はないでしょう。

衝動型の良い点は、反動型に比較して同一熱落差や落差を吸収する場合に最高効率点での動翼回転数を遅く出来ることにあり、気体タービンでは高圧側で必須となります。

しかし衝動型は、静翼で全落差を運動エネルギーへと変換している為、動翼内に入って流体がその方向を転向する場合に割と大きい損失を発生してしまいます。

つまり衝動型は、動翼内での速度係数が低くなり、最高効率では反動翼に負けるようになります。

それならば下の図のように、わずかに静翼出口で残った圧力で衝動型動翼内での転向時損失を圧力開放による加速又は等速度でのわずかなものとすればその最高効率もかなり反動翼に近づき、しかも最高効率周速係数を小さく出来る利点を有する事となります。

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この考えでタービンの最高効率点回転数を下げて、しかも最高効率も維持するように設計すれば、減速の問題、軸受けの問題、シールの問題など色々と解決した高圧型タービンが完成するでしょう。

衝動と反動の最高効率点周速係数の問題、これは常にタービン設計では重要な検討事項です。