田添菜穂子の一期一会

アメーバブログ「田添菜穂子の一期一会」http://ameblo.jp/tazoenahoko/へ引っ越しました!

竹島悟史さん  オペラシティ B→C リサイタル

2011-11-04 12:52:15 | クラシック鑑賞

先日、N響の打楽器奏者、竹島悟史さんのリサイタルに行ってきました!

http://www.operacity.jp/concert/2011/111101/about.php

 

竹島さんはご自身のリサイタルシリーズ『sound garden』を3年に一回なさっていて、

こちらはガーデンがタイトルにあるように、色とりどりの花の祭典のように、

他の楽器のゲストも演奏したりして、美しい音の中にも楽しさ満載のコンサート!

竹島さんご自身が、心あたたかな方だから、会場の雰囲気も胸いっぱいにほっこりした

気分を感じることができます。

(竹島さんのブログ) http://soundgarden.air-nifty.com/blog/

(『sound garden』 の私の鑑賞記)http://blog.goo.ne.jp/tazoenahoko/e/44744b834a77e00b3bc39fab2adcd5c2

 

でも、今回は全く違った、リサイタルでした。

竹島さんは、オケの打楽器奏者であることを意識し、(だからか、衣装もオケと同じ燕尾服)

オケでは、一曲につき、1つ、または2つの楽器しか担当しないことから、

打楽器の『ソロ楽曲』を集めたラインナップに。

いろんな楽器をつかうことで音の豊かさを楽しんでもらうのではなく、

一つの楽器でここまで豊かな音が出ることを楽しんでもらうコンサートにしたとのこと!

真のプロフェッショナルでなければ、こんなことできません!!!

実際に、すごい、コンサートでした。

 

_____________________________

『東京オペラシティ リサイタルシリーズ B→C(バッハからコンテンポラリーへ)

136回 竹島悟史 パーカッション』

 11月1日 19時開演

NAフーバー:クラッシュミュージック (シンバル・ソロ)

Aマッソン:プリム(スネアドラム・ソロ)

竹島悟史:銀の滴(グロッケンシュピール・ソロ)

Bジネー:『太鼓のためのエチュード』から第二番「ザッツ」(トムトム・ソロ)

Fドナトーニ:オマー(ヴィブラフォン・ソロ)

(休憩)

NJジブコヴィッチ:たかがリズム、されどリズムop21(マルチパーカッション・ソロ)

JSバッハ:『無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第二番』ニ短調BWV1004から「シャコンヌ」

                                               (マリンバ・ソロ)

竹島悟史:手紙(マリンバ・ソロ)

アンコール~ 竹島悟史:Let's

____________________________________________________

シンバルにはそんな音も、こんな音も出るのか、と思わせ、

スネアドラムの超絶技巧に息をするのも忘れ、

グロッケンシュピールからは硬くて柔らかい滴がこぼれていくのが見える気がしました。

前半で、リズムと豊かな音の雰囲気をおおいに味わった後は、

マルチパーカッション・ソロで、今まで出てきた楽器を縦横無尽にたたいて音の重なりを感じさせてもらい、

そして、バッハ・・・・・。

今までのハイスピードの手の動きからすると、『シャコンヌ』は音の数も少ないし、

ゆっくりでもあるけれど、その人の技量全てが透けて見えそうな、難しい曲。

でも、さすが竹島さん、それはそれは、美しいバッハでした。

私は泣いてしまったし、客席で泣いている人が他にもいました。

崇高でストイックで、でもあたたかさも切なさも同居した、ステキなバッハでした。

 

そして、そのバッハと同じぐらい素晴らしかったのが、続く『手紙』。

3部に分かれていて、

「Ⅰ.お気に入りの木の椅子」にすわって、

「Ⅱ.一杯のコーヒー」を手に手紙を読む(または書く)準備をし、

「Ⅲ.親愛なる・・・・」で始まる手紙を読む(または書く)・・・・・・・・。

 

内容の解釈は聴く人にゆだねられていると思うんだけれど、当初、少し思いつめたような

フレーズに、私は友人の悩みを真摯に受け止める用意のある主人公を想像し、

おしまいに近づくにつれてせきをきったようにあふれる感情の高まりから、

相手を思う気持ちの強いことがわかり、ああ、主人公はつらい恋をしているのかな、

と感じました。

このストーリーの真偽はどうでも良くて、すばらしいのは、聴く人にそんな物語を

つむがせてしまう竹島さんの作った楽譜と演奏。

 

全てが終わった後は、拍手が鳴り止まず、少し目を赤くした竹島さんは何度も

袖とステージを往復していました。

アンコールはいつもの竹島さんのようににこやかに軽やかにジャジーな曲を

演奏して、客席をも緊張から解き放っているように感じました。

 

本当に極上の二時間。ステキな秋の夜を過ごすことができて、幸せでした。 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿