田添菜穂子の一期一会

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0歳からのクラシック

2009-08-06 18:12:40 | クラシック鑑賞
先日、『0歳からのクラシックコンサート』に行ってきました。

http://www.smf.or.jp/kids/

このコンサートは妊娠中からチェックしていて生まれたら必ず行こう、と思っていたもの。

普通、クラシックコンサートは『未就学児の入場はお断りしております』の
一文がついていますが、このコンサートは、
『大人のみの入場はお断り』なんです。

コンサートに行くのにいつもは子供の預け先がちらつくのに、
これは、コンサートホールに入るのに、「こども連れじゃないといけない」なんて(涙)(涙)うれしい・・・

場所は、その時々で変わりますが、今回は上野の東京音楽学校旧奏楽堂。
音楽学校は東京芸大の前身。滝廉太郎たちが音楽を奏でた由緒あるホールで聞けるなんてステキ。

その日、上野は雨でしたが楽しみにしてベビーカーを押して森の中を通っていきました。
 
すると、前から知った顔が・・・・

「竹島さ~ん!!!!!」

「お~!!!!!」

N響の打楽器奏者の竹島さんが満面の笑みで手を振ってくれています。

出演することはわかっていて、それもたのしみにしていたんですが、まさか
開演前にこうして会えるとは!!

「もう、産んだんだね~!お~!これがおこさんかぁ」

妊娠中にも竹島さんのコンサートには足を運んでいて、マリンバをゆったりと聴きよい胎教をさせていただいたんですが、図らずも、こんなに早く再び聞ける機会があるとは!!

小雨の中ではありましたが、芸大出身の竹島さんはこの辺りに来るのが懐かしくて
出演前のお散歩をしていたんだそうです。奏楽堂で弾くのも10年ぶりとか。

「じゃ、後ほど~」
「演奏楽しみにしてま~す」
と言っていったんお別れをしました。

初めて入る奏楽堂はステキな洋館。

でも、一階の立派な広間がこの日はベビーカー置き場。
二階には10人ほどが一度に入れるオムツ替えスペースや、ゆっくりソファにもたれて授乳ができる授乳室(演奏中にはテレビでホールでの演奏を生中継で見ることができる)があるなど、重要文化財でもさすがの設備。
というか、重厚な建物を子供用スペースとして使わせてくださり、それだけでとてもゴージャスな気分に。

200席ほどの客席は、ちっともじっとしてない0歳から2歳ぐらいまでのお子さんと、そのお子さんに始終「○○ちゃん、こっち、ほら、いすに登らないで!」とか、何かしら話しかけてるお母さんたちでいっぱい。

中にはパパママ3人できているファミリーもいましたし、結構多かったのは、おばあちゃんと3世代で来ているファミリー。

それにしても、明治時代に西洋の建物を模倣しただけあって、なんだかヨーロッパの小さなホールのよう。
実際プラハで人形劇を見たときの劇場にサイズも雰囲気も似てるなぁ、と感じました。

さて、そうこうしているうちに開演ブザーが鳴り、会場はわいわい、まったく静かになることなく(!)コンサートは始まりました。

チェロの古川展生さんがバッハの無伴奏のプレリュードを静かに弾き始めると子供たちのお話ボリュームが下がります。小さくても何か楽器が鳴り始めると耳をすませるんですね。チェロの温かな音色でコンサートしょっぱなで癒されます。

それでもすぐ、「あー」とか、「うー」とか、「キャー」とか赤ちゃんの声が。
どのおうちも一緒だな、と思っていると、息子も「ひゃは!」と声を出しあわててなだめました。

こんな風にいろんな音と声がするのがこのコンサートなのね、と状況を受け入れる準備が整ったところでピアノの安宅薫さんの演奏。

演奏者のみなさんは何度もこのコンサートに出ている方々のようで楽器説明や
小さい子への話しかけもとっても慣れてらっしゃいます。

楽しく説明を聞きながら、「エリーゼのために」と「幻想即興曲」。

あまりに有名な曲だけに生で聞くのはすごく久しぶりで新鮮。
エリーゼならおうちでも弾いてあげるよ~、と思いつつ、弾けるよねぇ?
弾けるかな?楽譜どこかな?弾けないと切ないな。
とか、逡巡しているうちに演奏も後半。
安宅さんの演奏は素直で聞きやすく胸にすっと入ってきます。

後ろのお母さんたちが
「チェロの人かっこよくない?」とうわさしていると、
古川さんがふたたび入場。
「おくりびと」のテーマ曲を奏でます。
映画の中での演奏も実際古川さんが担当したそう。
見とけば感動が違ったのになぁとちょっと悔やまれました。
美しい旋律ながら、コンサート開始から15分ほどが経ち、息子がむずむずし始めました・・・・。

このコンサートでは、子供がまったく静かにしている必要はないものの、泣いたり大きな声を出したらロビーに出なくちゃいけません。
運良く私は席が最後列から2番目、一番右端。すぐそばの通路で立ってあやしたら後ろのご迷惑にはなりません。

すばらしいことに、ここからはマリンバが活躍する忙しい曲が続きます。
「熊蜂の飛行」「チャルダッシュ」「エンターテナー」「剣の舞」「リベルタンゴ」。

うーん、ナイスなプログラミング。
これならやりやすい。

息子が「うにゅうにゅ」いい始めたら、即立ってリズムに合わせて揺らす。
メロディーも歌っちゃう。大きな声でぐずらせないためならなんでもやります!

気づけば、こうして無我夢中なお母さんたちがそこかしこ。
ホール両端の通路には子供とともにゆらゆらダンスをしている
「ロビーに出たくないのでここでなんとか子供をなだめる必死ママ」
がずらーっとひしめいています。

こうして字にすると「ああ、なぜそこまでして」という気にもなりますよね。
確かに出産前ならこの光景はひいたかも・・・。大変そうだもの。

でも

実はそれも楽しかったりして。

忙しいチャルダッシュのメロディーを歌ってたら後ろのお母さんとハモってたり、
タンゴのリズムに合わせて足を踏み鳴らしたり。

クラシックだって、座って静かに聴いてなくても、
歌ったり、踊ったり、リズムを取ったりしても当然楽しむことができる。

きっとそれが音楽の起源であり、本来の姿だろうな、なんて。

軽快でとても的確な竹島さんのマリンバとともに、ずっと立ちっぱなし、踊りっぱなし、歌いっぱなしで息子と楽しみました。

すると・・・・・

続くソプラノの大西ゆかさんの美しい「アヴェマリア」で息子は
こくんと首をうなだれて眠りに落ちてしまいました。

「ラ・ボエーム」のムゼッタのアリアで大西さんが客席を回りながら歌ったのも、
最後にモーツアルトのトルコ行進曲が流れて大団円で終わったのも、
息子は夢の中で聞いていました。





「小さいときからいろんな音楽を聞かせたほうがいい」とか
「連れて行っても覚えてないしわかんないよ」とか、
0歳からの音楽についてはいろいろあるでしょう。

でもこうして必死に楽しく聞くのもいい思い出☆

たとえ息子の記憶に残ってなくても
私自身はステキな演奏で心が満たされ
息子と二人で楽しく踊って聞けて
大満足でした☆





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2 コメント

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打楽器☆ (花♪)
2009-09-01 23:53:48
可愛い息子さんと一緒にプロのコンサートへ行くことができて良かったですね

以前、甥っ子と地元アマチュアコンサートへ出向いたときにオーケストラの演奏はゴソゴソして落ち着きがなくて困りました
しかし、和太鼓の演奏になるとジ~ット興味を示してもらえて打楽器の迫力に感謝しました。

音楽生活を楽しみましょう



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そう打楽器☆ (たぞえ)
2009-09-02 20:53:53
<花♪さん

ありがとうございます!

花さんは小さな甥っ子さんとオケを聞かれたんですね!!

打楽器は小さい子の注目を一身に集めますよ。
子供たちは竹島さんを一生懸命に見てました。確実にあの日のヒーローだったと思います。

ま、今は息子が好きとか嫌いとかとも話せるわけではありませんが、何度も行くうちに成長して、そのうち興味をもってくれるとうれしいなぁなんて思ってます。
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