田添菜穂子の一期一会

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東京・春・音楽祭 オペラ『タンホイザー』(演奏会形式)

2012-04-09 14:24:07 | クラシック鑑賞

春爛漫、という言葉がピッタリの季節になりましたね☆ 

昨日は、お昼は代々木公園でお花見しながらピクニック、午後は上野公園・・・と

お花見のはしごでした。写真は、上野の桜。

青空と薄ピンクの組み合わせ、毎年のことながら飽きません・・・・。

 

家族と別れて、私は公園そばの東京文化会館へ。

今年の『東京・春・音楽祭』のトリ、オペラ『タンホイザー』(演奏会形式)鑑賞です。

 http://www.tokyo-harusai.com/program/page_941.html#03

 

5年前に『東京・春・音楽祭』で初めて『タンホイザー』のオペラを見たんですが、

それから、大好きな演目になりました!

(小澤征爾さん指揮でした、そのときのブログはこちら)http://blog.goo.ne.jp/tazoenahoko/e/5d1d7edb3391a46ce233883239a466eb 

 

今回は、演奏会形式。

それでもオケの前に歌手を立たせて歌うやり方ではなくて、

オケのいる舞台の後方上段にスクリーンを張りそこに幕ごとに情景を映し、

その前(つまり二階席のような状態で)歌手と合唱団を配置し、歌うといった感じでしたので、シンプルな演出のオペラのように楽しめました。

字幕もスクリーンに出てきてよく見えましたし。

オペラの場合、オケがピットに入っていて当然オケの様子や指揮者の様子が見えなくて、好きな曲の場合少し残念にも思ったりするんですが、今回はよく見えて曲が堪能できました!

 

それにしても、すばらしかったです!

まず、歌手。タンホイザー役のステファン・グールドは、声量も音程も素晴らしい!!

パッションも威厳もダイナミックに伝わってきました!

エリーザベト役のペトラ=マリア・シュニッツァーも気高く品のある歌声がステキでした。

あと、ヴォルフラム役のマルクス・アイヒェは、三幕の『夕星の歌』がとても美しくて、

これまでもいい曲だとは思ってましたが、この曲で泣いてしまいそうになったのは初めてでした。

領主のヘルマン役のアイン・アンガーも領主にふさわしい堂々とした歌いっぷりがよかったです。

 

指揮のアダム・フィッシャーもオケのN響も素晴らしかったです。

巡礼のファンファーレもばちっと決まってステキでしたし、木管も素晴らしかった!1幕の池田さんのイングリッシュホルンや2幕や3幕の茂木さんのオーボエや神田さんのフルートはうっとりでした。

弦も美しくて、ああ、ワーグナーをこんな風に生で堪能できて幸せでした。

そう思ったのは、どうやら私だけではないらしく、終演と同時にブラボーの嵐。

東京中のブラボー隊がここに集まってるのかと思うぐらいに右の人も左の人も上の人も叫んでました。

ブラボーを聞ける公演に行けることは本当に幸運です☆

 

それにしても、『タンホイザー』のお話自体は見るたびに難解でいろんなことを考えてしまいます。

私がキリスト教徒でないからか、よくわからないことも多いんです。

たとえば、『タンホイザーが情欲にまみれる生活をしたことが領地から追い出されて「悔い改めてこい!」とまで言われることなのか』とか、

『教皇に許されなかったからといって、エリーザベトが死をもって「タンホイザーをお救い下さい!」という必要があるのか』とか。

物語だから、そこまで深く考える必要もないのかな。

でも、エリーザベトの無償の愛にも似たタンホイザーへの気持ちはこれまで、あまりに清純すぎてなんか理解できないなぁなんて感じていたんですが、

自分が母になってみると確かにそんな「お母さんのような愛の気持ち」は存在するわけで、

実は今回、すとんと腑に落ちたんですよね。

 

年を経ることはこうしておもしろいこともあるのかな、と今月、また年を取る私は

慰められた気もしています、なあんて。(笑)

 

ともかく、

美しい桜に美しいオペラ、来年もこの春のワーグナーシリーズは続くそうですので、

楽しみにしてようと思います。


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