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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

えびボクサー

2007年11月03日 | ネタバレなし批評篇
昔、川口浩を探検隊長にすえた『水曜スペシャル』なる超ヤラセTV番組が存在した。『アマゾンの奥地に○○○原人を探せ!』とか『恐怖の人食い鮫を○○○海に見た!』などのセンセーショナルなタイトリングが受け、高視聴率を獲得したことも記憶に新しい(?)。「そんなもん、いるわけないやろ」とは思いながらも、その怪物を真剣になって探す探検隊の表情が非常に面白くついつい見てしまったのを覚えている。

カリブ海に生息するマンチェス・シュリンプなるエビに、マジでボクシングをやらせようとする発想が凄い。この映画自体がスポンサー探しにかなり苦労させられたらしいが(そりゃそうだろう)、劇中TV局へのえびボクサー売込みに難航する主人公の姿は、そのまま監督兼脚本家のマーク・ロックに重なるのだ。

ホテルの部屋で、金魚鉢に入った小エビを食べさせたり、甲羅が乾かないように保湿クリームを塗ったり、どう見てもハリボテにしか見えないえびボクサーの足がしびれないようマッサージをほどこす姿が、なんといってもこっけいでおかしい。

ネッシーやミステリー・サークルなどを生んだイギリスは、こういったB級ナンセンス映画に金を出す洒落っ気がまだ残っているということだ。見世物のエビに同情した主人公が人間性を取り戻す、なかなかホロっとさせられるヒューマンな終わり方で映画は幕を閉じる。変なウメキ声と手足をばたつかせるだけのエビちゃんに、観客はなぜかKOさせられてしまうのだ。

監督 マーク・ロック(2003年公開)
〔オススメ度 

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