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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ビューティフル・デイ

2020年01月13日 | 激辛こきおろし篇



サイコキラー役といえばデニス・ホッパーかロバート・デ・ニーロが定番中の定番だったが、最近のサイコ映画にでは必ずといっていいほどこの人ホアキン・フェニックスの姿を目にする。この人台本にものっていないアドリブを平気でかますことでも有名で、撮影中ナイフ片手に『サイコ』の真似をしたシーンを採用した結果、1万5千ポンドもの罰金を支払うはめになったというから、笑うに笑えない“ジョーカー”なのである。

幼い頃ドメバイ親父から虐待を受けていた主人公ジョー(ホアキン・フェニックス)は、湾岸戦争の帰還兵、認知症を患った母親と二人暮らしをしている。行方不明者の救出を生業としていて、得意の武器は親父ゆずりの“トンカチ”。(大雑把な編集で非常にわかりにくいのだが)このジョー母親や戦友を救えなかったことにかなりのトラウマを抱いているらしく、ちょっとしたことですぐカッとなる自殺願望男なのである。

金持ちの娘を娼館から救い出すオファーを受けたジョーだったが救出直後公的機関の襲撃を受け少女は拉致、その魔の手は胴元や母親にもおよび、ジョーの幻覚症状も日増に悪化していくというシナリオ。途中、ジョーが返り討ちにした自宅侵入者と、その死に際手をとりあって歌謡曲を歌いながら涙するというシーンがあるのだが、リン・ラムジーというオバサンここがいたくお気に入り(?_?)のようなのだ。

“世界の警察”を放棄したアメリカ・マチズモの限界をテーマにした原作とは似ても似つかない映画になってしまった本作。撮影期間わずか1ヶ月、アドリブをかましまくる俳優と思い付き大好きな女流監督が作り上げた支離滅裂な本作は、『タクシー・ドライバー』になりそこねた自殺願望男が見た“夢”という形で終わらせるしかなかったのかもしれない。

ビューティフル・デイ
監督 リン・ラムジー(2018年)
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