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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ノン子36歳(家事手伝い)

2010年02月08日 | 激辛こきおろし篇
元グラドルでバツイチ女のノブ子(坂井真紀)は、神社をやっている実家に出戻ってプータロー生活。無気力に毎日を過ごすノブ子ことノン子は、家事手伝いをするどころか、高校時代の同級生(新田恵利)がきりもりするスナックに入り浸り、自転車にのって帰り道(ちなみに自転車の酔っ払い運転は刑事罰対象)の道端に置いてあるゴミ箱を蹴り倒していく(こちらも立派な器物破損)のが日課という、人間失格の三十路女である。

そんなノン子が恋に落ちるのが、これまた自分探しの世界旅行に行くのが夢というプータロー青年マサル(星野源)。このマサル君、(『男はつらいよ』も見ていないのか)露天商が堅気の仕事じゃないこともご存知ないようで、祭りに出店するのを地元のやっちゃんに断られると、チェーンソーを振り回し逆切れするどーしようもない世間知らずなのだ。リアルといえばリアルだが、どうしたって観客の共感を呼べないこんな2人がただセックスを繰り返しても「それで?」以外の感想を持ち得ないのである。

ロードレーサーの練習のしすぎでレーサーパンツ焼けした鶴見辰吾の、サドルで擦り切れた尻も場違いこの上なく、終始ガムを噛みながら仕事をしている新田恵利だけが変な存在感を出していただけの映画なのだ。マサルが地元ヤクザ(津田寛治)の命令でボコボコにされた時、ほとんどの観客が「もっとやられちまえ」と思ったにちがいない。親が甘いため家の掃除一つ手伝わないノン子に対しても、「あんたたちがやった後の片付けは誰がしてるの?」と一人暮らしをしている同世代の女性たちはきっと疑問に思うだろう。

「卒業」よろしくイタい2人の逃避行で大団円かと思いきや、これまた目もあてられない歯切れの悪いラスト。将来何の展望もない視野狭窄の田舎ニートたちが、ひたすらドツボへとはまっていく様を描いて、この監督は一体何を伝えたかったのだろう。せめて、ノン子に捨てられたマサル君がすっかり女性不審におちいり、刑務所の中で801に目覚めるくらいの後日談がほしかったところである。そもそも巫女って処女じゃなくてもよいわけ?

ノン子36歳(家事手伝い)
監督 熊切和嘉(2009年)
〔オススメ度 

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