goo blog サービス終了のお知らせ 

ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

2019年07月08日 | ネタバレなし批評篇

実話に基づくお話である上に、何と映画に登場しているこの猫、実はモデルとなった本猫がそのまま演じて?いるらしいのだ。食うに困ったシンガーソング・ジャンキーが、ボブという名の野良を飼いはじめた途端、運が好転。ホームレス生活ともおさらばし、麻薬依存性からも立ち直るジェームズ。ボブを肩の上に載せて路上で歌う姿がYOUTUBEにアップされ大注目、本を書けばベストセラー、さらには映画化までされるという、まさに幸福の招き猫なのである。

このボブ、いわゆる茶虎の見た目は普通の野良猫で、わが家の庭でよくくっさいネコションをぶちかます野良猫とさして変わらない。猫嫌いの私にしてみればどこがかわいいのかよくわからないのである。このボブ、人間様が手を差し出すと軽く猫パンチを繰り出す癖があり、それがハイタッチしているように見えたため、ロンドンの人々の人気を博したようなのだ。

親が離婚したショックで麻薬中毒に、路上パフォーマンスも邪険に扱われるだけで、ジャンキーの友達もオーバードーズで急死…そんな身も心もボロボロに疲れはてた救いのないジェームズを、猫目線で描いたショットがとても斬新なこの映画、ボブとジェームズの親密さが徐々に深まっていく様子が、オリジナルのギターソングにのってとても優しく自然体のまま描写されている。

猫は犬のように人間の気持ちくみ取らないというが、そんな猫でも見るに見かねるほどのズタボロ状態だったジェームズだからこそ、映画化されるほど奇跡的な関係性を築けたのかもしれない。いずれにしても、このボブのおかげで一介のジャンキーが映画原作者として印税をガッポリ稼げたのはまぎれもない事実であり、今度野良が庭に遊びに来たら手のひらを差し出してみようかと思うのだが、おそらく爪を立てて引っかかれるのが落ちだろう。

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ
監督 ロジャー・スポティスウッド(2016年)
[オススメ度 ]
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 終電車 | トップ | ナミヤ雑貨店の奇蹟 »
最新の画像もっと見る