Bill Evans(ビル・エヴァンス、p)の最早定番とも言える名作「Portrait In Jazz」と「Waltz For Debby」そして死後発掘された晩年の傑作「You Must Believe In Spring」をひさしぶりに引っ張り出してきて、呑みながら聴いてる。
酔っ払ってるので語りたがりの虫が騒ぎ出して、Evansへの激情にまかせてあれこれ書こうと思った。
結構ベロベロなので、文章としての体裁を成してなかったらごめんなさい(笑)。
暗い。
Evansはいつ聴いても暗い。
いや、音楽自体は暗くないんだけど、なんて言うかなぁ・・・・・聴衆を含めた他者を排斥して、演奏する事のみに埋没していくような荒涼とした哀感を感じる。
またそれが孤高といった感じではなくて、もっと地に足がついていて等身大でなおかつウエットな印象なのね。
演奏の完成度と自身の表現に沈み込んでいくというか・・・・・難しいな、この人は表現するという事を凄くクールに厳しく突き詰めていくような一面を持っていて、だから「自分に酔う」とか「陶酔する」という言葉は使いたくない。
だって明らかに違うもの。
ええと・・・・・耽溺かな・・・・・うん、これが言葉面のイメージとしては一番近そう。
なんだろ・・・・・「オイオイ、そんなに自分の世界に沈み込んでてどうするの?」とでも言いたくなるような自閉的な感じがするんだよね。
この暗い印象ってのは、この人の音色からくるところが多分にあるのかもしれない。
いつも俯いて、鍵盤にのめり込むようにして、背中を丸めて肩を落として弾いてる。煌びやかな音を出すことはまったくといっていいほどないよね。
明快でカチッとした音を出す時って、ピアニストは普通背筋を伸ばして肘を張るよね。煌々と響き渡るような音、キラキラと転がるような音、錚々と芯の太い音、それぞれに必要なフォームってあるよね。
Evansにはそれがない。
いつも音がモコモコしてる。
これはEvansがピアニストとしての幅が狭いとか力量がないとかいう事ではなくて、そういう演奏を意図して選択しているって事なんでしょう。
それがこの「暗い」って印象に繋がってるんだと思う。
弾き出すフレーズは糖分多めのものが多いんだけど、演奏が繊細な上にフレーズのロマンティシズムと反比例するように演奏者のタッチがどんどん耽溺していくから、そのギャップにどうしようもないほど寂しさを感じる事が、ふとした時にあるのね。
暗いよ・・・・・暗い。
そういった面も含めてEvans大好きなんだけどさ(笑)。
Evansのベストパートナーと言われたScott Lafaro(スコット・ラファロ、b)、実は僕はこの人あまり好みじゃない。
ピッチのズレがどうしようもなく気になる時があるんだよね。
ベーシスト、アップライトベースを弾く人がピッチを指摘される事は往々にしてあるし、あまり揚げ足を取ってもしょうがないんだけどね・・・・・。
この人って結構艶のあるって言うか、明快な音色でしょう。なおかつ前ノリで、インタープレイにおいて高音部も多用してくるから、音がぶれたりすると聴いてて「ウキー」ってなる。
これがもっとくすんだ音色のベーシストだったり、音は艶っぽくても一拍一拍のアタックが重いタイプならあんまり気にならないんだろうけどね。
Evansと共演した人で言えば、前者はChuck Israels(チャック・イスラエルズ、b)で、後者はRay Brown(レイ・ブラウン、b)なんかがこれに当たるかな。
しばらく前に読んだEvansに関する書籍で、Evansと共演したベーシストに点数をつけるという企画がやっていて、その中でEvansと共演させてみたいベーシストは?、という事が書いてあって、Miroslav Vitous(ミロスラフ・ヴィトウス、b)やGary Peacock(ゲイリー・ピーコック、b)などが挙げられていたんだけど、僕はねぇ・・・・・僕はNiels-henning Orsted Pedersen(ニールスへニング・オルステッド・ペデルセン、b)とやったのを聴いてみたいと思う。
ピッチはもとより、ビートはレガートで正確だしフレージングがロマンテイック。テクニックもずば抜けてるし表現も繊細だしね。
そして何より、Evansと違ってこの人の音色は沈溺しない、沈んでかないのね。カラッとしてるの。
これは自分の中では、永遠に実現する事のない夢の共演として、ずっと恋焦がれ続けるでしょうねぇ。
うう・・・・・酔っ払った(笑)。
なんか適当な事をズラズラと書いてるねぇ・・・・・・明日読み返したら赤面するかな?。
まぁいいや、Evans聴いて寝る。
本日の安眠盤、Bill Evansの「On Green Dolphin Street」
ではでは。
酔っ払ってるので語りたがりの虫が騒ぎ出して、Evansへの激情にまかせてあれこれ書こうと思った。
結構ベロベロなので、文章としての体裁を成してなかったらごめんなさい(笑)。
暗い。
Evansはいつ聴いても暗い。
いや、音楽自体は暗くないんだけど、なんて言うかなぁ・・・・・聴衆を含めた他者を排斥して、演奏する事のみに埋没していくような荒涼とした哀感を感じる。
またそれが孤高といった感じではなくて、もっと地に足がついていて等身大でなおかつウエットな印象なのね。
演奏の完成度と自身の表現に沈み込んでいくというか・・・・・難しいな、この人は表現するという事を凄くクールに厳しく突き詰めていくような一面を持っていて、だから「自分に酔う」とか「陶酔する」という言葉は使いたくない。
だって明らかに違うもの。
ええと・・・・・耽溺かな・・・・・うん、これが言葉面のイメージとしては一番近そう。
なんだろ・・・・・「オイオイ、そんなに自分の世界に沈み込んでてどうするの?」とでも言いたくなるような自閉的な感じがするんだよね。
この暗い印象ってのは、この人の音色からくるところが多分にあるのかもしれない。
いつも俯いて、鍵盤にのめり込むようにして、背中を丸めて肩を落として弾いてる。煌びやかな音を出すことはまったくといっていいほどないよね。
明快でカチッとした音を出す時って、ピアニストは普通背筋を伸ばして肘を張るよね。煌々と響き渡るような音、キラキラと転がるような音、錚々と芯の太い音、それぞれに必要なフォームってあるよね。
Evansにはそれがない。
いつも音がモコモコしてる。
これはEvansがピアニストとしての幅が狭いとか力量がないとかいう事ではなくて、そういう演奏を意図して選択しているって事なんでしょう。
それがこの「暗い」って印象に繋がってるんだと思う。
弾き出すフレーズは糖分多めのものが多いんだけど、演奏が繊細な上にフレーズのロマンティシズムと反比例するように演奏者のタッチがどんどん耽溺していくから、そのギャップにどうしようもないほど寂しさを感じる事が、ふとした時にあるのね。
暗いよ・・・・・暗い。
そういった面も含めてEvans大好きなんだけどさ(笑)。
Evansのベストパートナーと言われたScott Lafaro(スコット・ラファロ、b)、実は僕はこの人あまり好みじゃない。
ピッチのズレがどうしようもなく気になる時があるんだよね。
ベーシスト、アップライトベースを弾く人がピッチを指摘される事は往々にしてあるし、あまり揚げ足を取ってもしょうがないんだけどね・・・・・。
この人って結構艶のあるって言うか、明快な音色でしょう。なおかつ前ノリで、インタープレイにおいて高音部も多用してくるから、音がぶれたりすると聴いてて「ウキー」ってなる。
これがもっとくすんだ音色のベーシストだったり、音は艶っぽくても一拍一拍のアタックが重いタイプならあんまり気にならないんだろうけどね。
Evansと共演した人で言えば、前者はChuck Israels(チャック・イスラエルズ、b)で、後者はRay Brown(レイ・ブラウン、b)なんかがこれに当たるかな。
しばらく前に読んだEvansに関する書籍で、Evansと共演したベーシストに点数をつけるという企画がやっていて、その中でEvansと共演させてみたいベーシストは?、という事が書いてあって、Miroslav Vitous(ミロスラフ・ヴィトウス、b)やGary Peacock(ゲイリー・ピーコック、b)などが挙げられていたんだけど、僕はねぇ・・・・・僕はNiels-henning Orsted Pedersen(ニールスへニング・オルステッド・ペデルセン、b)とやったのを聴いてみたいと思う。
ピッチはもとより、ビートはレガートで正確だしフレージングがロマンテイック。テクニックもずば抜けてるし表現も繊細だしね。
そして何より、Evansと違ってこの人の音色は沈溺しない、沈んでかないのね。カラッとしてるの。
これは自分の中では、永遠に実現する事のない夢の共演として、ずっと恋焦がれ続けるでしょうねぇ。
うう・・・・・酔っ払った(笑)。
なんか適当な事をズラズラと書いてるねぇ・・・・・・明日読み返したら赤面するかな?。
まぁいいや、Evans聴いて寝る。
本日の安眠盤、Bill Evansの「On Green Dolphin Street」
ではでは。
『You Must Believe In Spring』は聴いた事ないので今度聴いてみます!
文章を拝見するとかなり聴きこんでる方だなぁという印象を受けました。
私は演奏をしないので技術的な部分を聴くというより、単に自分の感覚で聴いてるだけなので、そういうコメントを読むと面白くて、私もこんな風に語ってみたいと思ってしまいます。
私的には、エディ・ゴメス、ジャック・デジョネットと組んだ『At The Montreux Jazz Festival』なんかが好きです。
また読ませてもらいます!
わざわざの御来訪、ありがとうございます。
ジャズは同好の士が少ないので、こういったところで交流が持てるのは嬉しい限りです。
>『At The Montreux Jazz Festival』
68年でしたっけ?。ドラムが固定せずに流動的だった時期のものですよね。
リリカルなEvansが珍しくノッてますね。それが楽しくて、僕も結構長い間聴いてました。
そちらにもまたうかがいますね。
ではでは。
ジャズは大好きです。が、1枚を深く聞き込むたちであまり詳しくないのです・・
ちなみに、一番よく聴くアルバムは、「kind of blue」です。何故だかよくわからないのだけど。ひどく心ひかれてしまいました。
TAROさんの文章を読んでいると、もっともっと聴きたくなってしまいます。
なかなか回りにジャズ好きの人がいないので、今後もお邪魔しますね!
よろしくお願いいたします。
わざわざ御来訪いただきましてありがとうございます。
>「kind of blue」
Milesのモード期の名盤で、Evansも弾いてますよね。
名盤はいつ聴いてもいいもんですね。
こういった名演奏がもっと世に知られて、ジャズファンが増えていくといいんですけどねぇ。
今後ともよろしくお願いします。
TBいただきありがとうございました。
ジャズは大好きなんですが、余り詳しくありません。
少しずつ幅を広めて行きたいと思います
宜しければまたお越しくださることを楽しみにしております
よろしければ、コメント残してくださると嬉しいです。
ありがとうございました^^
そちらにもちょくちょく伺いますね。
ジャズ以外にはまったく疎いんですが、興味のある記事にはコメントさせていただきます。
よろしくお願いします。
ではでは。
確かにエヴァンスは暗いですよね。
その暗さが良かったりするんですけどね。
あの名盤「ワルツ・フォー・デヴィ」なんかも
暗い代名詞みたいなものですもん。
私もそこが彼の好きなところなんですけどね。
結構自分的に沈んだ気分のときに聴いたりしてますよ。
そしてまた、さらに沈むんですが・・・(爆)
く・・暗い・・かも?
Evansってキャリアがいくにつれてどんどん暗くなっていってるような気がします。
テンポは走り気味だというのはいっつも言われますが、晩年のどうしようもなく走りまくっている、超アップテンポの演奏でも、音色自体は暗いんですよね。
僕も最近ウエットな気分なんで、今日当たりはEvans三昧ですごそうかな(笑)。
ではでは。