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後期高齢者の戯言

<原発のない国へ>(4)

2018-03-31 00:38:40 | 社会

<原発のない国へ>(4) 再生エネ化、受注直結
(東京新聞2018年3月16日 朝刊)

 スマートフォンのiPhone(アイフォーン)で世界的に知られる米アップル。そのホームページに昨年三月、岐阜県大垣市の電子部品会社イビデンの名前が掲載された。

 「アップル向け部品の生産を、すべて再生可能エネルギーにすると約束した、初めての日本企業です」

 「再生エネ100%で部品を生産できないか」。iPhone向けに電子回路などを製造していた同社に、アップルからアンケートが届いたのは二〇一六年。「すぐできます」と返信すると、アップルは「ビッグサプライズ!(驚いた!)」と反応した。

 イビデンには自信があった。一九一二(大正元)年の創業当初は、揖斐(いび)川で水力発電所を建設・運営する「揖斐川電力」だった。現在も水力発電所のほか、加工用木材をためていた愛知県高浜市の池に太陽光パネルを浮かべ、国内最大級の水上フロート式にするなど、二十一カ所の太陽光発電所を運営している。アップル向けの生産に必要な電力は確保できる。

 アップルが「地球環境の悪化を食い止めたい」と再生エネを重視し始めたのは、二〇〇〇年代に入ってから。欧米を中心に、環境に悪影響を与える製品の購入を避ける、消費者の意識の高まりが背景にある。

 まず、本社や各国の「アップルストア」など自社の施設で使う電力を、すべて再生エネにする目標を掲げた。各国で再生エネ専門の小売会社と契約したほか、資金を拠出して再生エネの発電所を設置。米国や中国など二十四カ国で再生エネ100%を実現し、一六年時点では世界全体で96%にまで高めた。

 「残り4%の大部分は、再生エネの価格が高く、制度も遅れた日本だった」(国内のアップル関係者)。昨年九月、ビル屋上を活用した都市型太陽光発電を手掛ける第二電力(大阪)と提携。日本に三百四カ所、一万七千キロワット分の太陽光発電所を造り、年内にも国内で100%再生エネとなる。


 同時に力を入れたのが、iPhoneなど製品生産工程の再生エネ化。世界に広がる部品生産企業にも、再生エネの活用を求めている。納入している会社の関係者は「協力できる企業は、受注面で優遇される可能性がある」と明かす。再生エネ化は、業績に直結する課題となっている。

 アップルなど再生エネ100%経営を目指す企業は「RE(アールイー)100」というグループをつくっている。米マイクロソフトや独BMWなど百二十八社が加盟し、毎年、進捗(しんちょく)率を報告し合う。メンバーの米小売りウォルマートもアップル同様、商品の納入元に再生エネ活用を求める。

 「ビールから車まで、消費者が再生エネ使用の環境に優しい商品を選ぶ傾向は、世界的に加速する」と、米国ロッキーマウンテン研究所のリリー・ドンジ主幹。再生エネへの取り組み方によって企業が選別される時代が、もう始まっている。 (吉田通夫)

RE100> 「Renewable Energy(再生可能エネルギー)100%」の略。再生エネだけでの経営を目指す企業でつくるグループ。英国の非政府組織(NGO)が2014年に立ち上げた。加盟社は再生エネ100%の目標達成時期を定め、毎年、進捗状況を報告する。日本では積水ハウス、リコー、アスクル、大和ハウス工業の4社が加盟。RE100のサイトに名前が掲載され、社会的責任を積極的に果たす企業としてPRできる効果もある。




<原発のない国へ>(3)

2018-03-30 00:30:23 | 社会

<原発のない国へ>(3) 藤沢の分譲地 地産地消
(東京新聞2018年3月15日 朝刊)



 街が丸ごと太陽光発電所になっていた。都心から四十キロ、神奈川県藤沢市の大型分譲地。藤沢駅から車で十分ほどの広大な敷地(十九ヘクタール)に、約五百七十戸が立つ。全戸が太陽光パネルなどを備え、再生可能エネルギーで地域の需要を上回る電気を生み出している。

 南向きの屋根に太陽光パネルを載せた二階建ての住宅がずらりと並ぶ様は圧巻だ。歩道沿いにも太陽光パネルが並ぶ。電柱はなく、街並みはすっきり。電機大手パナソニックの工場跡地を関連会社のパナホーム(大阪)が再開発した。

 太陽光発電と蓄電池のほか、ガスを使った燃料電池を装備している家も多い。価格は周辺相場よりも五百万円ほど高め。東京から移り住んだ後藤貴昌(たかまさ)さん(63)は二〇一四年に買った。購入の決断には、東京電力福島第一原発事故が大きく影響したという。

 「原発に依存しない安全な電力源の確保を、最も重視しました」

 蓄電池があるので、短期間なら停電知らず。消費量を上回る発電が見込める。後藤さん方では、太陽光で発電して蓄電池にため、燃料電池も活用する。使い切れずに電力会社の送電網に流して売却した電気は、一月だけで三百九十五キロワット時。初期投資は必要だが、結果的には財布にも優しい。

 分譲地全体でみると、直近の一六年度は太陽光で計百八十二万キロワット時を発電し、利用量は計百五十二万キロワット時。年間の電気収支は三十万キロワット時のプラスだ。蓄電池の容量に限りがあるため、電力会社の電気も使ってはいるが、一般家庭(月当たり約二百五十キロワット時)百世帯分の電気を生み出している。

 しかも、歩道沿いの太陽光パネルでの発電分は普段は売電し、利益を共用施設の運営費に。災害時には分譲地だけではなく、周辺の住宅の非常用電源にもなる。敷地内の病院や集会所も自前で発電している。



 大手住宅メーカーはこぞって発電機能付き住宅に力を入れ、分譲地の中心的な仕様にしている。藤沢ほど大規模ではないものの、千葉県浦安市や滋賀県草津市など、各地で「エネルギーの地産地消」を模索する動きが出ている。

 経済産業省によると、太陽光発電(十キロワット未満)で余った電気を電力会社に売る契約を結んでいる家庭は、一七年度末で約百五万軒。全国で五十軒に一軒は電気を自ら作っている。

 国は、二〇年までに新築の注文戸建ての過半数で、エネルギーを自給自足できるようにする目標を掲げる。三〇年には、マンションを含めた新築住宅全体で、計算上はエネルギーを自給自足することを目指す。この通り進めば、電力会社への依存は減り、市民の力が脱原発を後押しすることになる。 (宮尾幹成)





<原発のない国へ>(2) 

2018-03-29 00:19:28 | 社会

<原発のない国へ>(2) 太陽と相談して生活
(東京新聞2018年3月14日 朝刊)



 浜松市中区に住む静岡文化芸術大教授の下沢嶽(たかし)さん(59)は、自宅の太陽光発電だけで電気を賄う生活を始めて三年目になる。電力会社の送電網に接続しない「オフグリッド」と呼ばれる形態だ。本当に実現可能なのか、不安はないのか。自宅を訪ねた。

 JR浜松駅から車で約二十分。二〇一五年七月に完成した下沢さん宅は、竹やぶの丘を背に立つ。南向きの大きな屋根に、十二枚の太陽光パネル(出力二・九キロワット)。屋根全面を覆っているかと予想していたが、意外に小さい。

 「システムの難しいことは分かりません。家を新築するとき、設計士に相談したら、『オフグリッドはできる』と。妻も乗り気でやってみた」と下沢さん。

 太陽光パネルの数は必要最小限。高価な蓄電池は、電動フォークリフト用の中古バッテリーを探した。蓄電まで含め通常の半額程度でできたが、それでも約二百四十万円かかった。

 夫婦と男児二人の四人家族で、一日平均の電気使用量は四キロワット時強と、一般家庭の三分の一程度。電力会社に払わなくて済む電気代(月二千円程度)で、費用を回収するのは現実的には無理だが、下沢さんは「何より電力会社と縁を切り、加担しないことに大きな意味がある」と語る。

 オフグリッドを考え始めたきっかけは、東京電力福島第一原発事故だった。「原発のリスクの異常な大きさを思い知った。そんなことを続けていていいのか。自分にも未来への責任があるから、できることは何かと考え始めたんです」


 冷蔵庫、テレビ、電気オーブン、炊飯器、掃除機、パソコン…一通りの家電はある。エアコンはないものの、家の断熱性と風の抜けやすい構造で、必要性を感じていない。

 リビング脇の壁に埋め込まれた表示器で、発電やバッテリーの状況を見て、どう過ごそうかと考える。妻の未希さん(40)は「例えば今は満充電で放電中。こんな時は、電気を使わないともったいない。オーブンで何か調理しようか、掃除機をかけようか。逆に日が陰り、バッテリーの電気を使うようになると、家事をやめようかな、と」。

 この二年半で停電は二回。一回目は一六年十月の長雨時で計十三時間。蓄電量低下が原因だった。二回目は一七年の大型連休時でバッテリーの接続端子の緩みが原因と分かるまで四日間、ロウソクやオイルランプの明かりでしのいだ。

 下沢さんは「中古の蓄電池には不安も残る。安くていい蓄電池が出てきたら、買い替えを検討します」とオフグリッド生活を楽しみながら続けるつもりだ。「誰でもできるとは思わないが、太陽と相談しながらの生活は、気持ちがいい」
(山川剛史)





<原発のない国へ>(1)

2018-03-28 00:56:33 | 社会

<原発のない国へ>(1) 
未来へ 光 風 大地の力

(東京新聞 2018年3月11日 朝刊)


朝日を浴びて光る大規模太陽光発電所(メガソーラー)のパネル。
右には除染で出た土などを詰めた大型土のうが積まれ、
左奥には東京電力福島第一原発がかすかに見える
=4日、福島県大熊町上空から、小型無人機(ドローン)で平野皓士朗撮影

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から七年となった。福島第一から放出された大量の放射性物質が今も福島県を中心に大きな影響を及ぼす中、全国各地で原発再稼働の動きが進む。しかし世界の多くの国は、すでに太陽光や風力など再生可能エネルギー中心へと大きく舵(かじ)を切っている。遅れていた日本国内でも脱原発・再生エネ導入は進むのか。「原発のない日」に向かう道を探る。まずは被災地・福島から-。

 ◆ 大熊町 メガソーラー コメつくれぬなら電気つくる
 常磐自動車道を、東京から仙台へ。途中、全住民が避難している福島県大熊町に入ると、左右にソーラーパネルが広がる。その向こうに、太平洋に面した福島第一原発の排気筒を望む。

 「まさか電気をつくるなんてなあ。田んぼが荒れ放題になるぐらいなら、と思ってよ」。大規模太陽光発電所(メガソーラー)に農地を貸した、志賀紀郎(としお)さん(78)が語る。八代続く農家。コシヒカリを作っていた水田は原発事故で荒れ果てた後、生まれ変わった。

 東側十六ヘクタールは民間の合同会社が運営し、昨年十月に稼働を始めた。東京電力の原発の送電網を使っている。西側三・二ヘクタールは二〇一五年十二月に稼働。いずれも電気は東北電力に売り、利益の一部を県の復興事業や、町が計画するイチゴ栽培施設の運営に生かす。

 二つの発電所は、福島第一が立地する大熊町が事故後に誘致し、出資もしている。年間の発電総量は、一般家庭四千百世帯分。事故前の町のほぼ全世帯分の電力に相当する。

 いずれの敷地も、事故前は水田だった。避難指示が出た十二市町村がある浜通り地域には、放射能に汚染され、農業を営めなくなった土地が多い。そこにメガソーラーが二十三カ所集中している。今後さらに五、六カ所増える予定だ。

 福島県が事故後に掲げた計画では、二〇四〇年に太陽光などの再生可能エネルギーで、県内の電力需要を満たす能力を確保する。その中核を、原発事故で打撃を受けた浜通りが担っている。 


(小川慎一)




Windows10 [Windowsアクセサリ]のアプリ 02

2018-03-27 00:30:50 | Windows



 ● クイックアシスト(Quick Asist):[Microsoft クイック アシスト]を使用すると、リモート接続を通じて 2 人のユーザーが 1 台のコンピューターを共有できる。一方のユーザーがもう一方のユーザーのコンピューターの問題解決を支援できるようになる。


起動画面


○ 数式入力パネル:複雑な数式をきれいに成形するアプリ。
   数式入力パネルの使い方
   Windows10で数式を入力する方法
 

 
 ● ステップ記録ツール:操作手順を記録するアプリ。
   操作手順を記録 - ステップ記録ツール



 ○ ペイント(Paint):昔からあるお絵かきソフト。随分と進化してきた。


[ペイント]起動画面


 ○ メモ帳(Note Pad):昔からある、最もシンプルなテキストエディター。
   Windowsアクセサリを起動する方法


[メモ帳]起動画面


 ● 文字コード表:Windows10標準搭載の文字コードツールで、検索機能がイマイチ
   Windows10で記号の文字コードを調べる方法



 ● リモートデスクトップ接続:離れた場所から PC に接続するには、Windows 10 PC や、Windows、Android、iOS デバイスでリモート デスクトップを使う。
   リモートデスクトップ接続の使い方



 〇 ワードパッド(Word Pad):ワードパッドは、Windowsに標準で搭載されている文章執筆ソフト。Wordとは違って無料で使えるから、Windows PCを持っていると誰でも気軽に使うことができる。「メモ帳」に比べると多機能だが、「Word」に比べると機能は少なく、その中間に位置する。
   [ワードパッド]の使い方まとめ



(つづく)