90代の繰言

後期高齢者の戯言

残照の記(101)

2021-09-21 03:22:17 | 日記
無念無想

という言葉があった。

 瀬戸内寂聴さんの「遠い声」の中に
   ようやく心がいつもの静坐せいざの時のように澄みきって来て、
   無念無想の瞬間に見舞われた。
とある。

 辞書によれば、「一切の邪念から離れて、無我の境地に到達した状態。単に何も考えていないことを指すこともある。」という。
 ここしばらく、ガラジイの頭の中は後者「単に何も考えていない 」状態が続いている。
 
 つまり、齢(よわい)90に喃々(なんなん)として、頭の中が空っぽの状態。パソコンに向かって書くこと何もなしと……
 
 これ、半月もの長い間、無音に過ごした言い訳!
(以上)


残照の記(100)

2021-09-06 13:27:56 | 日記
女子マラソンT12

パラリンピック(2021年8月24日 – 2021年9月5日 )が終了。

最後の日にマラソンが行われた。

マラソンは猛暑対策のため札幌に変更されたオリンピックとは異なり、東京都心のコースで行われる。
午前6時半に国立競技場をスタートして浅草の雷門や銀座、皇居外苑など都心の名所を巡って国立競技場にフィニッシュした。

行われたマラソンの種目は次の通り。

午前6:30 男子マラソン T54(車いす)決勝(鈴木 朋樹)
午前6:40 女子マラソン T54(車いす)決勝(土田 和歌子・喜納 翼)
午前6:50 男子マラソン T12(視覚)決勝(熊谷 豊・堀越 信司・和田 伸也)
午前6:50 男子マラソン T46(切断・運動機能)決勝(永田 務)
午前6:50 女子マラソン T12(視覚)決勝(西島 美保子・藤井 由美子・道下 美里)

マラソン狂いのガラジイは女子マラソンT12を観た。

16年リオ大会銀メダリスト・道下美里(44)=三井住友海上=が3時間0分50秒で優勝した。
30キロ付近で並走していたエレーナ・パウトワ(RPC)を突き放すと、競技場に入ってからは更にペースを上げ、パラリンピック記録を53秒更新してゴールした。  
144センチと小柄ながら、小刻みなピッチ走法が武器で、昨年は2度の世界新記録をマーク。
「表彰台で涙を流した5年前。あの時より強くなったと実感できる走りをします」と宣言通りの走りを見せてくれた。

前回に東京大会が行われた1964年生まれの藤井由美子(56=びわこタイマーズ)は5位入賞。
元実業団走者でガイドランナーを務めた山領駿さんとともに、笑顔で駆け抜けた。
「コーチに言われた通りの走りをして、夢に見た入賞という結果が取れてうれしいです」
と喜んでいた。  

日本選手団最年長の西島美保子(66)=JBMA=は3時間29分12秒で8位だった。 
何度も立ち止まっては、けいれんする足を伸ばした。
2016年のリオデジャネイロ大会は脱水症状で棄権した悔しさを胸に、西島は「どうしてもたどり着きたかった。その思いで必死で走ってきた」
と42・195キロを走り抜いた。
上りの多い後半への負担を考慮し、順調にペースを刻んだものの、30キロを過ぎた時点で足に違和感を覚えた。
リオ大会の記憶が頭をよぎる。
「とにかくフィニッシュを目指す」
と必死に足を前に出し続ける。
 視野がぼやける弱視障害で、景色や人物をはっきりと認識することはできない。
それでも、国立競技場に戻ってきた際に関係者からわき起こった拍手、ぼんやりと見えたフィニッシュラインが疲労困憊(こんぱい)していた西島の背中を押したのだろう。
執念の完走を果たし、笑顔をみせた。
鍛え上げられた肉体からは年齢を感じさせない。
「5年越し」の目標を達成し「つらい練習もあったが、克服しながら頑張ってきた」。
次なる目標を問われた西島は「ふふふ」と笑って答えた。
「パラリンピックはこれで最後。今度は、楽しみながらいろいろな所を走りたいですね」。
40代半ばで始めたマラソン。
まだ、立ち止まらないという。
(以上)