おおいた酒蔵巡り⑮ 二階堂酒造(日出町)

「伝統を受け継ぎつつ、冒険心も忘れない」と語る二階堂圭二専務=日出町

2016年度の合計生産量は約2340万リットル。
同年の焼酎売り上げランキングは全国4位。
「大分むぎ焼酎二階堂」は生の味を楽しめるロックがお勧めで、肉や魚などさまざまな料理の味を引き立てる。
緑茶や炭酸で割るのも人気の飲み方という。
サイズは900ミリリットル、1.8リットルなど3種類がある。
他に製造している焼酎は上級品の「吉四六」「豊後路」「やつがい」などがある。
看板商品の「大分むぎ焼酎二階堂」は、郷愁を覚えるテレビCMでもおなじみの“全国区”。国東半島の鹿鳴越(かなごえ)連山から湧き出す清水を使用。日本で初めてこうじ、原料とも麦を100%にしたパイオニア焼酎だ。日出町にある本社近くの工場で、徹底的な品質管理の下、製造している。
二階堂酒造の前身は幕末の慶応年間に創業した蔵元「喜和屋(きわや)」。1964年に法人化し、当主の二階堂雅士社長(63)は7代目に当たる。51年から独特の風味が出る麦こうじを使った焼酎の開発を進め、74年に「二階堂」を発売。口コミや麦商品の健康ブームなどに後押しされて、爆発的に販売を伸ばした。
「形を変えず、味を変えず」の理念が広い世代の心をつかむ。すっきりした口当たりで何にでも合う「二階堂」。1年以上寝かせることでより深みを増した「吉四六」も愛好者は多い。
一方、二階堂圭二専務(50)は「冒険心も忘れない」と話す。県オリジナル大麦のトヨノホシを使った新商品「速津媛(はやつひめ)」は「二階堂」とは対極のイメージ。減圧蒸留から常圧蒸留に製法を変え、香ばしく豊潤な味わいの「昔ながらの焼酎」に仕上げた。
「守り続ける心、挑戦し続ける心の双方を持ち、愛され続ける酒を造っていきたい」
試飲できます
連載は、大分市セントポルタ中央町の「おおいた銘酒館ゆたよい」とのタイアップ企画です。週末の土曜日午後1~5時に紹介した酒蔵の酒が試飲できます。一般は会費千円で蔵元らによる「語り部養成講座」に参加できます。
(大分合同新聞2017年11月7日夕刊)