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詩を贈ることについて 谷川俊太郎

2021-03-31 03:10:42 | 文学・芸術

詩を贈ることについて   谷川俊太郎

詩集『詩を贈ろうとすることは』

集英社、一九九一年より

誰にもあげることはできないのだ
詩はネクタイとはちがって
私有するわけにはいかないから
書かれた瞬間から言葉は私のものでも
あなたのものでもなく万人のもの
どんなに美しい献辞を置いても
どんなに個人的な思い出を連ねても
詩を人目からかくすことはできないだろう
当の詩人のものですらないのだから
詩は誰のものでもありうる
世界が誰の所有でもないのに
すべての人のものであるのと同じように
詩は微風となって人々の間をめぐる
稲妻となって真実の顔を一瞬照らし出す
アクロスティックの技巧をこらして
愛する者の名をひそかに隠してみても
詩人の望みはいつも意味の彼方へとさまよい
おのが詩集にさえ詩を閉じこめまいとする
詩を贈ろうとすることは
空気を贈ろうとするのに似ている
もしそうならその空気は恋人の唇の間から
音もなくこぼれおちたものであってほしい
まだ言葉でなくすでに言葉ではない
そんな魂の交感にこそ私たちは
焦がれつづけているのだから
こんなふうに言葉に言葉を重ねながら

 

映画『イル・ポスティーノ』で、郵便配達員のマリオが、パブロ・ネルーダに言うように、『詩は書いた人間のものではない。必要な人間のもの』なのかもしれない!

 

「雪☃️が溶けると、何になる?」と質問すると、多くの人が「水」と答えるようだが、「春になる」と感じる感受性や想像力も『詩』で伝えたい!


Snow melting into memory
You know I'm waiting for spring
to come around

Snow into water!
You go into somewhere!

流れゆく
思いとともに
春を待つ

雪解け水よ
君は何処へ

 

桜🌸が咲き、舞い散るこの時期、別れがあり、また新たな出会いが・・・

さようなら👋は、また新たな出会いの始まり!


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