久喜市長 田中 暄二(たなか けんじ) ~久喜市の発展のために~

職員一丸となって日々公務に励んでいます。

日々の公務や生活を通じ、感じたり考えたりしたことを発信していきます。

医療制度について(1)

2013年07月10日 | 日記

本年1月に市内の男性(75歳)が医療機関への搬送を25医療機関に36回断られ死亡した悲しい事案が発生してしまいました。

その原因としては、
(1)医師不足、特に医療の高度化・専門化に伴い救急に対応できる医師の慢性的不足があること。
(2)医師を養成する医学部、特に埼玉県には国公立医学部が無いこと。
(3)救急車を呼ぶ程の重篤な状態でもないのに、タクシー代わりに救急車を利用するような安易な事例が残念ながら見られること。
(4)医療機関に患者を搬送する役割を担う消防の救急搬送体制の問題
(5)本来、介護施設や自宅での療養で対応すべき患者が長期にわたり入院をする。つまり、医師、病院、介護施設等の限られた医療資源を適切に活用していない。
などの問題等が挙げられます。

限られた医療資源を活用するためには、
(1)今後、我が国においては、欧米先進諸国と比較して不足している介護施設の充実を図ること。
(2)専門医を病院に常時配置できるような救急に対応し得る医師の確保を図ること。
(3)いわゆる病院と診療所との役割分担を明確にすること。そのためには、総合医・家庭医制度の充実を図ること。
(4)国公立大学医学部が地域医療における医師の配置、派遣の中心的な役割を担う体制を作ること。
が考えられます。