珠美子的博客    

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『超強台風』

2008年10月23日 | Weblog
先週末開幕した 東京国際映画祭。
毎年中国映画を 何本も観ているけれど、
今年は 諸般の事情で 2本だけ鑑賞。
オープニングの『レッドクリフ 赤壁』は
ゲストが見たくて ぴあ のプレリザーブに申し込んだけど
当らなかった。倍率高い!
映画祭とは別の試写会に当ったので そちらで観る予定です。

最初に観たのは コンペに出品した 『超強台風』。
前評判が あんまり・・・だったので
中国映画通の方でも スルーしちゃった方が多いと聞きました。
いやー ベタでした、あまりにも。

有史以来 五回目(だっけ)の強力な台風が
南方の沿海の市(温州かな)を襲う。
台風は進路を変えるのか?
上陸するなら 住民を避難させなければならないが、
進路が逸れたなら、その苦労は無駄になり
経済的にも損失が出る。
苦悩する市長と その部下たち。
学術的に 台風を 観察、分析する 気象学者は
市長の小学校の 恩師だった。
自分の危険も省みず、一人でも多くの市民を救うべく
身を挺して戦う市長。
悲惨な自然災害に ほんとうに頼りになる人民解放軍。

やっぱり 中国映画は 国策のプロパガンダなのね、と
痛感してしまうストーリーなのですが、
でも あそこまで 徹底してくれると
すがすがしさ すら感じてしまうし
私は 面白かったです。

主演の市長役の 巫剛さん、確かにいい男だけど
あそこまで完全無欠のヒーローにしなくても・・・。
彼が 登場すると
市井の一般庶民は 水戸黄門にひれ伏すように
ははぁー となっちゃう。
それに 市長が ヒロイックなところで
笑っちゃうような 感動音楽が お約束で流れるの。
私の周りは 同年代の男性(サラリーマン風)が
多かったのですが
最初は 意地悪な感じで苦笑していたのが、
だんだんと好意的な笑いに 変化していったのがわかりました。
この映画は いっそ笑っちゃっていいのね、と。

市長の小学校の恩師役であり、
五十年前の台風で父親を亡くした女性気象学者を演じた
宋暁英さんの芝居がよかったです。

宋さん この映画のパンフだと 小英さんて 書いてあったけど
中国電影展のチラシだと 暁英さんて 書いてある。
小英さんで ググっても ほとんどヒットしないので
正しくは 暁英さんかな。
しかし 発音が一緒だからって 間違える?改名したの?

上映後の ティーチインでは
この宋暁英さんと フォン小寧監督、インターン女医役の 劉小微さんが
登壇。



監督さんと 劉さんは ご夫婦だそうです。
うーん、年の差夫婦ね。
宋さんは 非常にクレバーな印象で きれいな女優さん。
役柄は けっこうオヤジな市長の恩師、ということで
老けて つくっていたので、
よりいっそう 「ほんものキレイ♪」と思ってしまった。
それで ティーチインのとき 一列目で じーっと見ていたら
退場するときに むこうから 握手してくださって
いい人だぁ。
それから 二時間後くらいに
偶然 ヒルズの シネマカフェ前で お会いしたときは、
マダム・チャンさんが
「この人も演員なのよ」と言ってくださったこともあり、
さらに フレンドリーに 2ショット写真も 撮ってくださいました。

宋さんて 『初恋の想い出』(原題:情人結)で
陸毅の こわーいお母さん役を 演っていた女優さんなんですね。
あれも 内に秘めたテンションが高くて、 ヒステリックで
怖かった~ 
あの怖い母親じゃ 恋のほうを 諦めざるをえない、みたいな
説得力あったもん。
芝居が 巧いだけじゃなくて パッションと 風格があるの。
この映画の ベタな ステレオタイプの 脚本も
彼女の芝居で ずいぶん 説得力が増していると思う。
芝居では 凄みがあって、
ふだんは きれいで さっぱりしてて ユーモアがあって
姿勢がよくて。
私も 五十代は そういう方向に行きたいです。
道険し。