かえるこの手仕事

とにかく作ることが好きな「かえるこ」の手づくり覚え書き帳です。革のかばんを中心に手作り小物を紹介しています。

30年前のかばんを修復

2006-09-30 16:16:29 | かばん・バッグ

Dvc00060_1 これは、30年ぐらい前に父が母の誕生日にプレゼントしたかばん。父が知り合いの革をやっている人に注文して作ってもらったみたいです。あいにく2人とも今はもう天国の人になってしまったので、これは言ってみれば形見なのです。

で、ある日押し入れにしまっておいたのを出してみると、縁の皮ひもがあっちこっち切れているではないですか!でも、それさえ直せばまだまだ使えそう。何とかして生き返らせたいな・・・ってずっと思っていました。でも、皮ひもは難しそうな編み方で編んであって、どうしたら直せるのかぜんぜんわからなかったのです。

それで、革工房の先生に相談して、直し方を教わりながら作業を進めることに。でも、私の考えは甘かった。切れた部分だけ直せばいいのかと、高をくくっていたんです。とんでもありませんでした。結局、ひもが古くなってちょっと手で引っ張るとぼろぼろと落ちていく状態だったので、全部解いて分解することに。そして、表面も色がはげていたので、染め直し、裏地もはがせるところははがして付け直しました。反りも水をつけて曲げ直して・・・。

Photo_9「先生、これって、一から作るのと変わらないんですね。もっと簡単にできると思いました。」っていったら、「直すのはね、一から作るのより大変なんだよ」だって。

でも、この道40年の大御所先生と作業していて面白かったのは、当時の制作過程がわかったこと。先生によると、「これはいい仕事ですね。きちんと作られてますよ。こういうのは、直せるんだよね」とか、「裏側は買い置きしておいた豚革を使っているみたいですね」とか、「ほかの部分はとても丁寧なのに、なぜここだけ端の止め方が一重なんだろうなあ」などと言うのです。かばんを触るだけでかばんの生い立ちがわかるなんて、すごい。

Dvc00067というわけで、直すのに約20時間ぐらいかかってしまいました。2箇所ほど穴がつながってしまっていたので、補強の革を外から貼らざるを得なかったですが、全体としては綺麗に仕上げることができました。先生いわく、まだあと30年ぐらい持ちますとのこと。

でも、なんとなくもったいなくて、なかなか使えないなあ。

(2枚目の写真は、1979年頃のもの)


ガリガリ絵はんこ教室

2006-09-30 13:15:39 | その他

Dvc00052 去年の冬、「ガリガリ絵はんこ教室」というものに参加しました。がりがりっていう響きがいいでしょ?なんと、篆刻用の石に好きな絵を描いて、文字通りガリガリと彫っていくのです。

これは、その成果品。

まずは絵を石に写すところから。一体どうやるのかな?と見ていると、なぜか黄色の油性マジックが登場。コピーした絵を石にくっつけて、黄色いマーカーを裏から塗ってこすると、あら不思議。石に絵が転写されているではないですか!原理は、コピーのトナーが油で溶けて写るらしいんだけど、魔法のようでなぜか妙に感動してしまいました。「黄色いマジックを持っている人は、まず、はんこやさんに間違いないです。」(先生談)

さて、下絵ができたら、小さな木の台に石を固定して、あとはひたすら彫るだけ、ガリガリ、ガリガリと。ちょっと彫刻家になった気分。だけど、これが難しかった・・・。石があんなに滑るなんて知らなかった・・・。

ゴム板なら、彫刻刀でスーッとラインをなぞっていって、あとはその線に沿って彫っていけばいいけれど、石を彫るには案外力がいるのです。そして、滑る。で、初めてだから、どこまで彫っていいのかさっぱりわからない。ちょっと手が滑ると、線として残すところが点線になったりして・・・。何度か「あっ!!!」って言って周りを驚かしつつ、おっかなびっくり作りました。最後は先生助けて!って感じで、細かいとこを整えていただいて、どうにかこうにか完成しました。なんか、線ガタガタだし、変な絵だし。(泣)

先生の作品はとても味わいがあって素敵なんですよ。ぜひHP見て欲しいなあ。見ていると、ほんわか暖かい気分になります。それと、何でこんな細い線が彫れるの?ていうくらいに技もすごい。

過去の参加者の方の作品集を見せてもらったんですが、それにもびっくり。初めての人がほとんどなのに、なぜかみんな巧いんです。それぞれに個性があって、どうしてこんなこと思いつくんだろうっていう絵がたくさんあって。ひとつとして同じものがないし。本当に世の中いろんな人がいるんだな、人それぞれ自由な発想してて面白いなって思いました。2cm角のちいさな正方形の世界、でも発想は無限大なんですね。


ヘタクソなペンケース

2006-09-30 11:31:29 | 小物・雑貨

Dvc00046_1 だいぶ涼しくなってきたので、衣替えをしようとたんすをひっくり返していたら、しわくちゃの布がひょっこり顔を出した。

ん?何だろうって思ってよく見たら、昔むかしに作ったペンケースでした。あ、こんなとこに隠れてたんだ、コイツ・・・。

多分、これ、高校生のときに作ったんじゃないかなあ?あの頃はお金がなかったから、買うより先にいろいろ作っていたのよね。ミシンの縫い目はそろっていないし、左右で幅が違うし、なんだか今見るとヘタクソ。

でも、これがあるから今がある。ヘタのよこ好きも、数打ちゃうまくなるのさ、なーんて思いながら、懐かしんでしまいました。(でも、今も大してセンスないんだけどね・・・)


“和Cafeしず”のカードづくり

2006-09-25 23:41:12 | その他

Photo_5 今日は、グルメ案内です。というのは、数ヶ月前に会社の先輩の手伝いで、お店の宣伝用のカードを作ったからです。先輩の知り合いの方のお店で、名前は「和Cafe しず」。あんこがメインの甘いものやさんです。

お店をきりもりしているのは、明るくて、誰でも笑顔で迎えてくれる素敵な人。あんこで勝負をするといってお店を開いたそうで、彼女が炊くあんこは甘すぎず、とってもおいしいんです。なんでも、和菓子やさんで修行したのだそう。小豆も、北海道の大納言というのを使っていて、あんみつを食べさせていただきましたが、本当においしかった。お豆につかう形容詞じゃないけど、さらっとした感じ。でもちゃんとあんこのコクはあるんです。だから、もっと食べたいって思ってしまう。あんみつ、2杯はぺろりと食べられそうです。(あ、それは、私が甘いもの好きだからかな?)

Photo_7さて、カードは会社で仕事の合間にこそこそと、しかも急いで作ったので、なんだかもっと工夫できたのではないかと思ってしまう。和っていうことで、もっとシックなものもできたのでは?写真を使う手もあったのでは?部数が少ないなら、和紙を使って、手作り風にもできたかも、などなどと考えてみてもあとの祭り。次回はもっとがんばろう。(もし次回があれば)

Photo_8みなさん、ぜひ一度、しずのあんこを食べてみてくださいね。


はじめての革のバッグ。

2006-09-20 22:54:17 | かばん・バッグ

Photo_23これ、革工房に通い始めて、初めて作ったかばんです。

去年の11月、○才の誕生日を記念して、いままでず~っとやりたかった革のかばん作りをはじめました。

誕生日の、まさにその日に工房に電話をかけて、通いたいって申し込んだの。

そして、慣れない道具を使いながら、思い通りにならない革と格闘してできたのがこれ。

先生に写真を見せて、こんなの作りたい!といったら、「難しいですよ、でも、時間をかければできますよ。」といってくれたので、よーし、がんばるぞーと、型紙作りから挑戦。写真はあくまでも参考に、サイズもディテールのデザインも全部オリジナルにしたので、教えてもらいながら、あーでもない、こーでもないと、悩みながら作りました。

毎週2時間、家でも少しやって、全部で完成までに40時間、約5ヶ月。作っている時はなかなかできないなあ、と途方にくれることもあったけど、できたときの喜びはひとしお!!!

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でも、ふたをもう少し大きくしたほうがバランスが良かったかな?あ、ここのステッチちょとゆがんでる、などなど、反省するところもたくさん。

それでもやっぱり記念すべき第1作。愛着がわいて、いまでは大切なバッグです。