ZEN and ZOO  玉野大介

動物園の中に禅の精神、禅の芸術は生き残っているか、そんなわけの分からないテーマを小脇にかかえ、美術を中心につづります。

町の背中

2010-08-04 20:10:02 | 思索
人は正面の顔よりも背中のほうが多くを語ってしまう。これは計画的に作られた町はすべてが化粧をした正面であるため、何かが足りないと感じる理由だと思う。車が通れない狭い路地、複雑になりすぎた電線を担う電柱、違法に道路に出っ張った商品、隣近所を無視した建築、空き地ができたために現れるむき出しのコンクリート、切ると祟る巨木、動かせない地蔵、これらは町の背中である。背中は計画しても作れない何かだ。
芸術作品も最後は背中が勝負かもしれない。