見ると言うことは網膜に光のスピードで光景が入ってくるのではなくて、視線のほうが光のスピードで物体を摑まえにいくのです。それゆえ宇宙は人間の視線に捕まらない様に光のスピードで膨張しているのです。人間以外の動物は星を見ません。もし星を見上げている犬をみつけたら近づかないことです。別のものが入ってます。
重力がもう少し小さかったなら、刑務所の塀を受刑者たちが簡単に乗り越えてしまうので問題である。その星の住人の魂のレベルにふさわしい重力があるにちがいない。犯罪のない星では人はほとんど浮かぶよう歩き、悪に満ちた星では這うように歩くことしかできない。一番ひどい地獄では重力に押しつぶされ世界は2次元の平面になるのかもしれない。朝、ふとんから立ち上がるとき感じる重さがあなたのカルマである。
鳥
鳥は飛んで行く
どこまでも飛んで行く
成層圏など気にしない
破裂しそうな真空で宙返りだ
心臓は何度も破裂する
巨大な鶴は月のクレーターの真ん中で一本足で世界を支え
からすは太陽の中で燃え上がる
鴨は木星の渦巻く気体を泳ぎ
すずめの群れは天王星をせわしく横切る
鷲は銀河をひと掴みし
アルバトロスは群青の時空を孕む
鳥は飛んで行く
どこまでも飛んで行く
成層圏など気にしない
破裂しそうな真空で宙返りだ
心臓は何度も破裂する
巨大な鶴は月のクレーターの真ん中で一本足で世界を支え
からすは太陽の中で燃え上がる
鴨は木星の渦巻く気体を泳ぎ
すずめの群れは天王星をせわしく横切る
鷲は銀河をひと掴みし
アルバトロスは群青の時空を孕む
補色、例えば 赤と緑、黄と紫を混ぜ合わせると何という色になるかと問われても、我々はその色のはっきりとした名前を知りません。現実には微妙にくすんだふたつの色の中間色になります。キャンバスに塗ると奥に引っ込んだ感じになり、そこにあるはずのない空間をつくりだします。鮮やかな色としての存在を断念し、空間をつくりだす。そんな感じです。
ものが自由に動くことができる空間という不思議なものは、存在する可能性をあえて断念したものの自己犠牲という秘密があるような気がします。
ものが自由に動くことができる空間という不思議なものは、存在する可能性をあえて断念したものの自己犠牲という秘密があるような気がします。