近くの道路が拡張工事のためいくつもの雑草の生えた空き地が出現しています。その空き地の風情がなんとも心そそるものなのです。なにが魅力なのかと考えてみると、空き地そのものよりもその空き地が出現したことによって露になった隣と後ろの建築物の壁とその周辺の物体です。本来は壁と壁に挟まれていて、人目を気にすることがないのでむき出しの機能そのものの状態なわけです。それが、不意に隣がさら地になったため、意表をつかれた素肌をさらしているわけです。これは何かににている。電気製品などを分解したときに中から出てくる光景です。スケルトンのおもしろさです。表面の化粧された美しさももちろん魅力的です。でも、その裏にある仕組みの美しさもそれ以上に美しいのです。19世紀に現れた美術の新しい動向も美しいという表面についてあるネジをはずして、その中の仕組みをみたいという、子供ののような好奇心がそこにあるような気がします。