ZEN and ZOO  玉野大介

動物園の中に禅の精神、禅の芸術は生き残っているか、そんなわけの分からないテーマを小脇にかかえ、美術を中心につづります。

絵から音楽が聞こえてくる。

2009-06-28 14:14:43 | 芸術
どこかで読んだことですが、いい絵はそこから音楽が聞こえてくる、ということです。
だとすれば、良い音楽は絵をイメージさせ、いい物語、いい詩は絵や音楽を触発するのでしょう。
そういったことが異種の芸術家を結び合わせていくのでしょう。
残念ながら現在の状況は芸術のなかにそんな力が衰えているような気がします。
目の前の絵や彫刻の本質を知りたければ、それを音楽に翻訳すればどんなものになるかと想像すればよいのかもしれません。

歴代のアニメソングには心に残るものが多いです。これはアニメやマンガには他分野の芸術を触発する力があるからでしょうか。
絵の世界の作家達もアニメからインスピレーションを得ているひとが多いです。
口惜しいですが、今の時代アニメやマンガがリアルな芸術なのかもしれません。
でも、それらに凋落の兆しも感じます。それは最近のアニメソングで心に残るものが一つもないという理由からです。
もちろん、僕が年を取って、新しいものについて行けなくなったのかもしれません。

赤の誘惑

2009-06-26 21:14:46 | 芸術
男性はだいたい青系統の服を身につけることが多いです。
ときたま赤い服を着た男がいます。こういう人は執拗に赤い服で現れるものです。
僕は正直なぜ男のくせに赤なんだと心の中で思ってました。
最近、ユニクロの店をうろついていると、靴下のコーナーの真っ赤な靴下が目に止まったのです。
履いてみたい。正直な気持ちでした。しかし、なんとか買うのは思いとどまりました。
でも、いつか買うでしょう。そして、赤いシャツ、赤いズボン、赤いジャケット、
男のくせに真っ赤なやつになるのです。

芸術家の死

2009-06-21 21:13:58 | 思索
芸術家が死ぬと、その作品が作者が生きていたときとは全く違って見えてくるということがある。
いつも作者の存在に目を奪われていたのが、その存在が消滅して、作品だけが目に入り、
その作品群が一列に並び、それがひとつの矢印になり、そして、その矢印の目指すものがすばらしいものであったとき、
我々はそれを永遠に所有しようと思うのだろう。
芸術家ではなくとも、知人が死ぬと、その人が何をしたかったのか、そして、どれだけそれをできたのか、どれだけできなかったのか、
それを考えるのは切ないものです。

ゴミと現代美術

2009-06-20 13:23:25 | 芸術
現代美術でときたま見かけるゴミやがらくたを集めてある具体的な形にするようなものがあるが、
なんとなく、ゴミが教育されて正しい人生を強制されているような思いがする。
町のチンピラを集めて、制服を着せて、自警団を作ってしまうような。
ゴミにはゴミのダンディズムがある。乞食への憧れ、放蕩への誘い。
ゴミ箱をのぞいてみよう。なんて美しいやさぐれ方だろう。

野菜と果物

2009-06-11 22:25:51 | 思索
料理と胸を張って言えるほどのことはしませんが、野菜の残飯の処理をおろそかにしていると、腐って、とてつもない悪臭を放っていることがあります。
これに比べ果物は腐る前に熟れていきます。果物はそれなりに植物自身の策略もありますが、素直に考えて、食べてくださいと差し出しているところがあります。
聖人の伝説にもその人の臨終に芳しい香りがたったという話がよくあります。
これもその聖人が果実をこの世に差し出したことを表現しているのでしょう。
我々も、年を取り、腐るか、熟れるか、どうなるのでしょうか。やはり、最後は人のために生きて、果実となって、熟れて、芳香のひとつも放ちたいものです。

たまにはこんないいことも考えます。

日本の美しい墓

2009-06-08 19:01:25 | 思索
日本の一般的な墓、あの石でできた四角い墓は、外国のすっきりしたシンプルな墓に比べて、何とも美しさに欠けると感じたことはないですか。それはなぜか。最近、発見したのです。日本の現在作られている墓は花を活けるためのくぼみが最初から墓石にくみこまれているのです。おまけに家紋まで。ファンタスティック!
江戸時代以前の墓をどこかで見つけてみて下さい。花は竹を30センチぐらいに切って、墓の前に底を埋めるようにして、それに活けているのです。風流です。
でも、いまさら仕方ありません。逆転の発想です。外国のあのシンプルな墓石に花を活ける穴を据え付けたタイプを売り込んではどうでしょうか。あんな便利なものをいくら文化が違うといっても、断るなんて考えられません。日本墓石協会のみなさん、よろしくお願いします。

マンションやアパートの名前について

2009-06-06 18:58:47 | 思索
日本ではマンションやアパートの名前をつける場合、地名や所有者の名前の前にほとんどの人がその意味をしらない外国の単語を、それも、どこの国の言葉かもわからない単語をを付けることが多い。
おまけにカタカナ表記なので辞書も引けない。日本のマンション、アパート名辞典をだれか作らないだろうか。それをもって散歩に出ると楽しいに違いない。
日本人は言葉の響きを愛するのかもしれない。
だからと言って、意味のないでたらめな言葉ではいけないらしい。
例えば、クリミヨイ―レ牛込、キーキラレ―ナ牛込などは問題外なのだ。

古代の枕言葉も何かこういう傾向のものかもしれない。