ニーチェの有名な言葉に「神は死んだ」というのがある。この神は西洋の神だ。そして、この言葉の意味とは裏腹に、この言葉を口にする時、神は懐かしい人の思い出のように蘇る。それに比して、日本、そしてアジアはどうだろう。西洋の文化を受け入れた時、同じようにアジアの神も死んだ。しかも、我々は神々の思い出までも奪われた。「神は死んだ」あるいは「アジアは死んだ」、そう言挙げするタイミングを奪われたのだ。今、改めて「アジアは死んだ」と言いたい。そして、アジアの神々の亡霊を召喚したい。
誰かの顔が何かの動物に似てる、視覚的類似。このメロディーはあのメロディーによく似ている、聴覚的類似。それらはよくあることだ。しかし、その二つ、あるいはそれ以上にまたがっての類似を感じることは稀である。例えば、あなたは、あの曲のあの部分のメロディーにそっくりだ、などと言われたら、どうだろう。そんな能力が欲しい。