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武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

濡れせんべいと電車

2007年03月04日 | 人生の意味
車窓から見る風景はのどかな田園である。
春の暖かい陽射しを浴びてマッチ箱の古びた電車はカタコト走る。
千葉県銚子市を走るその電車を存続させるため、ぬれせんべいを販売し、多くの人々が支えている。
銚子市の人口は7万5000人。この町を走る銚子電鉄は、銚子駅から終点の外川駅まで6.4キロ。東京の銀座線で長い間活躍し、引退した電車を譲り受け、今も現役で走らせている。
電車の床は木製で、昔から変わらない制服の駅員さんが柔和だ。 
映画、鉄道員に出てくるような古びた小さな駅舎。 銚子電鉄は鉄道会社だが、実は菓子販売に経営を頼っている。
ぬれせんべいの価格は1枚85円、たい焼きは90円だ。
2005年の1年間、銚子電鉄は3億1000万円の売り上げだが、そのうちの約70%がぬれせんべいとたい焼きで稼いだ。そのため「お菓子で走る電車」と呼ばれているそうな。
1976年に4100人だった1日平均乗客数は、2005年には1700人にまで減った。慢性的な赤字のため、会社の借金は3億円を超え、国の補助金も、2003年を最後にストップされた。
駅員たちは昨年11月、HPに掲載した「電車の運行を続けるために、ぬれせんべいを買ってください」「お年寄りや子供の移動手段を奪わないでください」といった訴えを通して全国に支援が広がり、多くの人々が立ち上がった。
それから半月もたたないうちに、ぬれせんべいの注文は1万件を超えたそうである。
赤い車体の電車は、今日も風を切ってカタコト走るのだ。
(ムラマサ、静かだ)