昨夜、NHK総合「所さん!大変ですよ」の『追跡!行列ができるパン屋さん 知られざる秘密』を見た。
"人気のパン職人が始めた「たった5日でパン屋になれます」という「スピード修業」。若手の独立を支援するため、材料の分量や手順をマニュアル化、誰でも短期間で開業できるようにした。この修業、一般にも門戸を開いたところ、なんと中高年が押し寄せる事態に!中学校の女性校長先生から、会社一筋の人生に疑問を感じた50代の男性や残業続きで「家族との時間が欲しい」と脱サラした人など「スピード修業」に挑む人々の人間模様。"(番組ホームページより)
なるほど、確かに、同じ機材と原料を使ってレシピ通りにきちんとやれば、どんな素人にもおいしそうなパンが焼けそうだな、と感心した。
たった5日でパン屋さんになれるというのは、それほど誇張ではなさそうだ。
でも、店舗経営となると、それはまた別の話だと思った。
初期投資に1千万円以上かかろうとも、フランチャイズではないので、自分自身のお店が持てるわけだが、この「スピード修業」では、経営のノウハウまでしっかりと教えてくれてはいないように見えた。
当たり前だが、モノを作ることと売ることとは違うわけで、おいしいパンを提供し続けるためには、できるだけ多くの人に買ってもらい、利益を出し続けなければならない。
番組では、ニーズはあっても近所に競合店がないというのどかな地方で開業して成功した人や、激戦区で開業して苦戦中の人、はたまた、開業準備に追われて数か月パン作りから遠ざかり、習ったことを忘れて再度習うはめになった人まで紹介されていた。
このパン屋独立開業支援を行っているのは、某社が手掛けている事業プロジェクトだ。
そのホームページを見ると、「技術指導に始まり、経営ノウハウにいたるまで、トータルでサポート」とある。
パン作りには納得できたが、経営ノウハウのほうはどうなのだろう?
まだ若い人ならともかく、中高年が退職金をつぎ込んで(あるいは借金して)開業するからには、生半可な気持ちで始める人はいないだろうが、それまで経営とは無関係だったと思われる人たちが、パン作りだけでなく経営まで意識するのはなかなか大変そうに思える。
このプロジェクトでは、「マニュアルに沿った製パン」を可能にするため、「無添加生地」「国産小麦100%」の原料は、指定業者から仕入れなければならないとされている。
たぶん、季節や天候によって仕入産地を替えたりするだろうから、指定業者というのは複数あるのだろう。
原料の見極めができない素人にとって、安心して仕入れることができるのは大きなメリットだ。
ただ、いつまでもそのままでは、本当の意味でのパン屋さんにはなれないのでは、とも思う。
また、スタートダッシュで商売が軌道に乗った時、自分で開発したいパンがあっても、まずは某社に相談してからでないと勝手に販売できないというのは、品質保証のためであっても、独立開業という言葉のイメージから外れている気がする。
とはいえ、町のパン屋さんが諸事情によりひっそりと消えていく中で、次々と新しいパン屋さんが生まれるのは頼もしい。
それでも、つい思ってしまう。
無事にめでたく開業し、やがて経営が安定した人たちの中から、パン作りをさらに追求する人たちが現れてくれればいいな──と。
※備考
先月、テレビ東京「カンブリア宮殿」にも取り上げられていたようだ。
よほど流行っているらしい。
"人気のパン職人が始めた「たった5日でパン屋になれます」という「スピード修業」。若手の独立を支援するため、材料の分量や手順をマニュアル化、誰でも短期間で開業できるようにした。この修業、一般にも門戸を開いたところ、なんと中高年が押し寄せる事態に!中学校の女性校長先生から、会社一筋の人生に疑問を感じた50代の男性や残業続きで「家族との時間が欲しい」と脱サラした人など「スピード修業」に挑む人々の人間模様。"(番組ホームページより)
なるほど、確かに、同じ機材と原料を使ってレシピ通りにきちんとやれば、どんな素人にもおいしそうなパンが焼けそうだな、と感心した。
たった5日でパン屋さんになれるというのは、それほど誇張ではなさそうだ。
でも、店舗経営となると、それはまた別の話だと思った。
初期投資に1千万円以上かかろうとも、フランチャイズではないので、自分自身のお店が持てるわけだが、この「スピード修業」では、経営のノウハウまでしっかりと教えてくれてはいないように見えた。
当たり前だが、モノを作ることと売ることとは違うわけで、おいしいパンを提供し続けるためには、できるだけ多くの人に買ってもらい、利益を出し続けなければならない。
番組では、ニーズはあっても近所に競合店がないというのどかな地方で開業して成功した人や、激戦区で開業して苦戦中の人、はたまた、開業準備に追われて数か月パン作りから遠ざかり、習ったことを忘れて再度習うはめになった人まで紹介されていた。
このパン屋独立開業支援を行っているのは、某社が手掛けている事業プロジェクトだ。
そのホームページを見ると、「技術指導に始まり、経営ノウハウにいたるまで、トータルでサポート」とある。
パン作りには納得できたが、経営ノウハウのほうはどうなのだろう?
まだ若い人ならともかく、中高年が退職金をつぎ込んで(あるいは借金して)開業するからには、生半可な気持ちで始める人はいないだろうが、それまで経営とは無関係だったと思われる人たちが、パン作りだけでなく経営まで意識するのはなかなか大変そうに思える。
このプロジェクトでは、「マニュアルに沿った製パン」を可能にするため、「無添加生地」「国産小麦100%」の原料は、指定業者から仕入れなければならないとされている。
たぶん、季節や天候によって仕入産地を替えたりするだろうから、指定業者というのは複数あるのだろう。
原料の見極めができない素人にとって、安心して仕入れることができるのは大きなメリットだ。
ただ、いつまでもそのままでは、本当の意味でのパン屋さんにはなれないのでは、とも思う。
また、スタートダッシュで商売が軌道に乗った時、自分で開発したいパンがあっても、まずは某社に相談してからでないと勝手に販売できないというのは、品質保証のためであっても、独立開業という言葉のイメージから外れている気がする。
とはいえ、町のパン屋さんが諸事情によりひっそりと消えていく中で、次々と新しいパン屋さんが生まれるのは頼もしい。
それでも、つい思ってしまう。
無事にめでたく開業し、やがて経営が安定した人たちの中から、パン作りをさらに追求する人たちが現れてくれればいいな──と。
※備考
先月、テレビ東京「カンブリア宮殿」にも取り上げられていたようだ。
よほど流行っているらしい。
売れるパン作りノウハウをおしげもなく伝える主人に感動しました。
美味しいパン屋が増えるのは嬉しいですが、経営となるとパンを作っていればいいだけではなく・・・・
宣伝だけでなく、お客の違法駐車に近隣からの苦情や異物混入の苦情などの対応等、客商売の辛さに耐えられるのか心配です。
とはいえ、トラブルを乗り越え、新たな商品を開発し、美味しいものが増えて欲しい。
自分には無理なので、人の頑張りに期待しています。^^
とほさんが挙げているように、経営って、やることが多岐に渡ると思うんですけどね~
おいしいものが食べられるのは幸せなことなので、そんなお店が増えてほしいと思います。
あ、私も他力本願です(笑)