燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

義母のこと 1

2021-12-07 14:55:00 | 家族
 おいおい書く……なんて言ってると、このまま年を越しかねないので、とにかく書こう。
 書きたいことはまだあるし、年末の大掃除だって、少しずつやってかないとだし。
 まあ、日記を書くのも、心の整理整頓みたいなものだけど。

 先月、ほぼ一年ぶりに、特養に暮らす義母を夫と訪ねた。
 実は、義母は、認知症が進行してきたため、2年ほど前だったか、それまでのホームから、より適切なケアが受けられそうな、より義兄夫婦の住まいに近い特養に移っていた。
 環境の変化による影響には、ばくちみたいなところがあると思うけど、仕方ないよなあ。

 職員さんに押されて車椅子で登場した義母は、小さな観音様のように、口元に柔和な笑みをうかべていたけれど、もう、目線を合わせることも、会話することも叶わず、私たちはただ、一方的に話しかけては反応を探したり、時々よだれをぬぐってあげることぐらいしかできなかった。
 事前に義兄から状態を伝えられていたので、心構えができていたとはいえ、実際に対面するとそれでもかなりショックだった。
 そもそも私には、あの義母が認知症になったという事実さえいまだに理解できないのだ。受け入れ難いにもほどがある。
 それでも、一年前には、笑みもなかったので、今回、穏やかな表情が見られたのはよかった。

 義母の両手は甲の骨が白く浮いて見えるほど固く強張っていた。それは、一年前には見なかった症状だと思う。
 手指を少しでもほぐさせるためのグッズなのだろうか、タオル地のとても簡素なうさぎと思しきグレーのぬいぐるみがきつく握り締められている。私の知る限り、義母にぬいぐるみを愛でる趣味はなかったと思うので、なんだか痛々しくて涙が出そうになった。
 そこでは、面会時に居住者に触れることは制限されていないので、私は、義母の手をそっとさすってみた。
 やはり、とても冷たかった。
 血行がよくないのか、緊張状態なのか、よくわからないけれど、これは、ちょっとさすっただけでどうにかなるものではなさそうだった。
 あとになって、認知症の人に何かお世話や介助をする場合には、相手の(視野が狭くなっていたりするので)正面から、先に声掛けをしてから行うほうがよいことを思い出して、自分のポンコツぶりに嫌気がさしてしまった。私はほんとに、臨機応変にできないから困る。知ってても実践できなきゃ無意味だよな。
 お義母さん、急に触られてびっくりしちゃったかな?
 私には、お義母さんの反応がまるでわからなかった。
 怖がらせたのでなければいいけど──だって、たぶんだけど、私のことがわかってないんだもんね。それって、知らない人、あるいは、お化けに触られたようなものなんじゃ?
 この面会がお義母さんのストレスになってないことを祈るわ。

 義兄や職員さんたちの話によると、義母の体調には波があるようで、調子のよい時には面会に来た息子たちの姿を目で追うこともあるとか。 そうか、やっぱり、自分のこどもはわかるのね、よかった。

 またまた長くなってきちゃったので、今日はこの辺で。


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