燈子の部屋

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義母のこと 2

2021-12-10 16:32:48 | 家族
 義母と面会した翌週早々、義兄と夫は、主治医から大事なお話を聞いた。
 簡単にいえば、今後の治療方針についてだったわけで──。
 義母は少しずつ嚥下に問題を抱えていたのだけど、現状、口からの食事が次第に難しくなってたので、この先、入院して延命治療に踏み切るか、それとも、このまま特養で生活し、食事は体調に任せて自然にするか、というような選択であったらしい。
 ああ、そうか、ついにその時が近づいてきたのか、と私は思った。

 後日、夫ら息子たちが下した決断は、後者だった。

 義母が以前からそういう話を息子たちとしていたかどうか、私は知らないけれど、自然体で穏やかに暮らすほうが、いかにも義母らしい。
 それでも、食事が十分に摂れなかったら、義母は少しずつ弱っていってしまうのだ、と思うと、私はちょっとたじろいだ。
 というのも、鼻からチューブで栄養を摂るというのは、私もわずかの間、体験したけれど、装着中は予想していたほど不快ではなかったので、少しでもどうにかして栄養を摂ってほしいとつい思ってしまった。
 ただ、通しっ放しなので、なんか不自由で、なんか邪魔なのだ。慣れはするけど、なんか邪魔。顔や頭に手をやろうとして、うっかりチューブに引っ掛けそうになったり。
 これを、会話のできない認知症の義母に装着するとなれば、義母のQOLは今より確実に低下してしまいそうだ。
 本人に理解できなければ、チューブを勝手に引き抜いてしまうかもしれないし、それを防ぐためにミトンをはめないといけなくなるだろうし……。
 入院すれば、ずっとベッドに寝かされて、ほかにもいろいろなチューブやら何やらを装着する必要が出てくるに違いなく……いや、これ以上、憶測で書いてもしょうがないな。私なんて、ほんのしばらく寝たきり状態だっただけで、大腿骨骨頭辺りのおしりが痛くなってしまったくらいなんだから、お義母さんにはできるだけ起きていてほしい。
 そういえば、お義母さんは、痛い時はちゃんと意思表示できるのかなあ?と心配になって夫に聞くと、不快な場合には、顔をしかめたりするのでわかるとか。
 はあ、なんかもっとこう、顔認識なんちゃらで、本人の感情をオープンに可視化できたらいいのに。

 とにかく、そう、延命治療って、自分ではもう判断ができなくなっちゃってる時に本人でない人が決断を迫られる選択だから、本当に悩ましい。
 本人にとっての最善とは何かを考えるといっても、結局、本人ではないのだから、仲のよい家族でも微妙に価値観が違うだろうし、自分の身に置き換えて考えてしまうほかはないのかな。

  今のところ、義母は雑炊などを少しずつ食べることができているらしい、と聞いて、私はホッとしている。




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