燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

母、膝を診てもらう 2

2006-12-14 12:47:03 | 母の病気のこと(完)
 診断の後、理学療法を受けた。
 電気針(タコの吸盤みたいなものが二つで一組になっている)を五組、
 消毒した右膝にペタペタとつけてスイッチオン。
 イージーリスニングな音楽が鳴り始め、理学療法士さんが電圧を上げていく。
 「痛くありませんか?」
 「痛くないです」
 そんなやり取りが数回続いた後、
 「最初なのでこのくらいにしておきましょう」
 15分間、そのままの状態で刺激を受ける。
 母に聞くと、チクチクとくすぐったいような痒いような感覚らしい。

 終わると今度は温熱療法が待っていた。
 寝台に移り、ほかほかの温熱シートを膝に乗せて寝る。
 その大きさと、端っこを少し持ち上げてみた感じは、伸し餅二枚分といったところ。
 これも15分かかるというので、その間、私は待合室で本を読むことにした。
 理学療法室で新聞や雑誌などを読んだりすることは禁じられている。
 療法士さんに対するマナーとしては理解できるけど、
 患者(の付添い)の側からすると、機械相手だったり寝ていたりなので、
 なんだか少し窮屈な気がしないでもない。

 頃合を見て戻ると、筋トレが始まるところだった。
 ベンチに座った母の足首に、療法士さんが革製の幅広ベルトをつけている。
 ベルトにはロープがついていて、ベンチの下を伝って背後のフックにかかっていた。
 その先に1kgのサンドバッグが吊り下げられると、ロープがピンと張った。
 療法士さんの指示に従って、母は右足をゆっくりと上げていく。
 ふくらはぎを伸ばすように足首を手前に倒し、10秒ほどそのままの状態を保つ。
 これを繰り返すことで、大腿の筋肉を鍛えていくのだ。
 この筋トレは私も一緒に受けたいくらい。

 これら一連の療法をできるだけ多く受けるのが望ましいというものの、
 母には入浴日があることだし、私も毎日付き添うのは難しいので、
 しばらくの間、火・金の週二回通うことにした。
 どのくらい続ける必要があるのか、今は見当もつかない。

 調剤薬局で湿布をもらった時には、診察からすでに二時間が経っていた。
 次回は診察がないので、一時間ほどで済むだろう。
 この日は、雨が降ったり止んだりとあいにくのお天気だったけど、
 その時は止んでいて、歩いて病棟に戻ることができた。
 途中で休憩しつつ、母の足で20分ほど――歩く練習によい感じ。
 医師の診断書を看護師さんに渡し、次の予定などを伝えて病棟を後にした。

 病院を出ると、ちょうど雨が降り始めたところだった。
 その絶妙なタイミングがなんだか可笑しくて、
 もう少しで怪しい人になりそうだった。


(次を読む)


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヒザで入院したとき (とほ)
2006-12-26 07:16:57
σ(・・)理学療法室でよく言われたことは、
患部に意識を集中しなさいってことでした。

ジムの筋トレでも(現在はいってませんが)、
鍛えている筋肉を意識しろって指導されました。

雑誌などを見てたら、治りが遅くなるのかも知れません。
返信する
なるほど (燈子)
2006-12-30 09:14:42
 >患部に意識を集中しなさい
 そう言えば、そう言われたような気がします(苦笑)
 とほさん、膝のご経験がおありでしたか……。

 >鍛えている筋肉を意識
 そう言えば、これも(苦笑)

 >雑誌などを見てたら、治りが遅くなるのかも知れません。
 きっとそうです、はい(笑)
 最初の電気針の時は母の傍についていましたが、以後は待合室で読書です。
 治療と自主トレの効果が出てきたようで、水曜に診てもらった時は、
 もう少しで三本指を持ち上げられそうでした^^
返信する

コメントを投稿