「Inner Views」

音楽家として逝こうと思う。

伊太利亜的鉄棒打人。

2005-09-16 | Archtop Guitar
 ニーハオ。フレット打ちました。フィンガーボードを整えて準備万端。ラーの鏡みたいにピカピカ。





 オイルとか塗ってる様に見えますが、手で磨いただけ。フレット打った後ですら、バッフィング・マシーンは使わない。細かいコンパウンドがエボニーに食い込んであんまり美しくないから。あの摩擦のちょっとした熱すら嫌う。もう、ホントに執着心の固まりのヒト。でも、長いこと一緒にいるとそれに慣れてくるから不思議。今でもちょっと怖いですけど。





 で、イタリア流にフレットをタタクヒト。


 



 後でフレットをすり合わせて、、、ってのは×。この段階でちょっとでもバラツキがあったら、やり直した方が◎。





 で、いわゆる「Marchione」のネックの出来上がり。鳴ります、ネックだけでも。コンコンと叩いてみると、その瞬発力というか、レスポンスの良さがよく分かる。このネック、かなりヤバくなると思います。大当たりの予感。重さもスゴくいいです。もちろんシェイプも。





 そしてようやく、一本の「Marchione Archtop」になる瞬間。今までの作業の総決算。なので本気でピリピリしてます、この作業中。僕は、最近です、スティーヴンの側でこの作業のお手伝いできる様になったのは。以前は怖くて近づけなかったのです。スティーヴンはいつも何も言わないのです。で、自分に自信がついて、彼がどの様に動き、呼吸し、何を考えているのかが見える様になったら、自ら進んで参加するのです。ほとんどの作業はこんな感じ。来てすぐの頃、手伝おうとしたら「しばらく見ておれ。」とだけ言われて彼の意図するモノが分かったのです。

 そして毎回、ネックを接着した後は、スティーヴンと握手して心から喜ぶのです。ここまで来るのには、ホントに大変だから。なんか、肩からスーっと力が抜ける感じがするのです。






 奇妙なのですが、この作業をする毎に、レベル・アップしていくのが感じ取れるのです。製作家として一歩、成長しているのが実感できるという感じでしょうか。おそらく、スティーヴンも同じ感覚だと思います。

 昔からすでに、飛び抜けたクオリティーのギター製作をしてましたが、現時点でもギター毎に成長しているという、恐ろしい事実。常に「ネクスト・レベル」へ、って自分に言い聞かせている。彼を見ててそう思う。だから、全ての「Marchione」ギターは彼の魂が入ってる。全部を使って、全部を投影して製作してるから。作るギターの全て、そのセットアップの全てが、毎回、彼のベストなのです。

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2 コメント

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ほえぇ~・・・ (Blue-ke)
2005-09-16 11:53:59
美しい・・・イタリア美女のうなじはほんと綺麗ですなぁ・・・手で磨いただけ(といっても大変だと思いますが)でこんなに鏡のような光沢がでるとは・・・ビックリです。

自分のネックスルーも指板がほんときれいでベンドしたりするとわずかな指の当たった所からキュキュッと音がするぐらい・・・すごいですよね。

ちなみにあのネックの鳴りと太さ、フレットの感触に慣れると他の所有ギターが頼りなく感じてきました・・・(汗)

まさしく廃人生活に突き進んでおります・・・

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へへぇ~。 (Taka)
2005-09-19 15:11:45
綺麗でしょ。ピカピカになるんです、磨いただけで。ネックが最高にいいですよね、スティーヴンのギター。あの弾き心地は、ちょっとスゴいなと毎回感じてます。
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