みのもり雑記

旅行関連が多くなるかと思いますが、ふと書きたくなったことを気の向くままに、という感じで。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に

2019-12-28 17:19:22 | アニメ
2019年12月20日、ついに『この世界の片隅に』の長尺版である『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開されました。
※以降、ここでは『この世界の片隅に』を「前作」、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を「今作」と記載します。


ちょうど公式がTwitter感想投稿キャンペーンを始めたので、ちょっと乗っかって感想っぽいものをだらだらと書いてみます。まとまりは無いです。
10月の広島旅行編を書いている途中ではありますが、まあちょっと休憩ということで。



まず最初に一応書いておきますと、今作は前作から約30分の新規カットを追加した、別の映画です。
主題も異なっており、追加分以外はほぼ同じ内容ながら、まったく異なる印象を抱くことになります。

特に前作を見た方で、「前作はみたから今作はいいや」などと思われている方は、どうか劇場で2作の違いを体感していただきたく思います。
前作の時には見ていない人に対して「どうしたら見に行ってくれますか?」という思いでしたが、今作では前作を見た方に対して「どうしたら~」と強く思います。


【注意】
この先、盛大にネタバレです。
まだ見ていない方は、どうか引き返して、そのまま劇場までお運びください。

ちなみに前作の感想はこちら



さて、では開始です。

公開初日、有給休暇をもぎ取ることに成功したので金曜日ながら映画館へ。
監督舞台挨拶の初っぱなであるテアトル新宿は予約を取れなかったので、次発であるキネカ大森へ。

映画が12時開始なので、大森には余裕を持って11時ちょい前に到着しました。
大森駅は初めてですね。どこでランチにしようかな。

……私の中の欲望が「今日は公開記念のお祝いだから」と自己正当化を図った結果。


うむ。



さて、ではそろそろ向かいましょう。
初めての劇場ですし、トイレも行きたいので、30分以上余裕はありますが、念のため。

と思いましたがこれは大正解でした。
チケットの発券機が1台しかなく、あとあと長蛇の列が出来ていました。
入場開始になってからも結構列んでましたが、なかなかにデンジャラス。

私の方は、無事にパンフレット(冒頭の写真)も購入して、トイレも済ませて準備万端です。

トイレの手前にパネル展示コーナーがあって嬉しいですね。






さて、開場です。
幸い特にご近所さんで問題のある方も無く、ストレス無く見ることが出来ました。
ほとんど高低差の無い構造になっていますが、前から5列目の通路側という位置取りだったのでなんとかなりました。


そして開演。
ちなみに前作のときとは異なり、原作はゲット済みです。
ただ、細かい部分までは覚えていないですし、あえて予習もしませんでした。
以下、「原作通りじゃないか」というような部分についても驚いていたりしますが、そうした理由ですのでご容赦ください。


うん、久しぶりに劇場で見ると、やはり良いですね。
歌(悲しくてやりきれない)のクレジットで、「花澤香菜」と表示されてテンションがあがります。

そして最初の追加シーン。
すごい、水原哲が怪獣のようだ。
「女子の掟」ってのが、この後の絵を描くシーンを連想させて良いですね。
まったくうまい。


……ところでこの劇場、高低差が無いというのは先ほど触れました。
私は座高がある方でして……つまり普通に座っていると後席から激しく恨まれるわけです。

というわけでかなり腰を前進させて頭の位置を下げるという、非常に体に悪い座り方をキープしていました。
ときどき集中が乱されますね、これ。



おお、晴美ちゃんの軍艦解説が増えている!
……ああ、こうして婚家に帰ったんですね。納得。

小松菜の冒頭あたりは、なんか径子さんの声に違和感もあるような?



前作ブルーレイのコメンタリーでも言われていましたが、すずさんは何も考えていないぼーっとした人のように見えて、その実、すごく色々なことを考えている。
お茶碗シーンの顔を隠して「照れとる」と言われたところも、本当は何を考えていたんでしょうねぇ。

それにしてもトンボがようけ飛ぶ映画じゃ。



ご懐妊疑惑のところは、前作は数秒だったのが、今作ではリンさんシーンの追加もあってものすごく変わったところです。
というかリンさんの現実主義な発言は、リンさん自身がそうした境遇であることを引き立たせますね。

ところで「すず」と「リン」という表裏一体な名前を持つこの2人がいて、リンさんの「平仮名読めない、片仮名ならなんとか」っていう設定が、お互いにあり得た可能性でありながらもう越えることのない別のものとなっているのだな、と。


……前作では「ハッカと、わらび餅」だと思っていましたが、実際には「ハッカ糖、わらび餅」だったんですね。



前作では警報ラッシュからの最初の大規模空襲という「戦争」の迫ってくる様子が強く印象に残りますが、今作では雪の日にシーンが足されたことで、代わりにすずさん・リンさん・周作さんの物語が強調されます。

さて、はなざーさん(花澤香菜さん)です。
正直1人だけキャスト追加ということで非常に心配していたんですが、実際に声を聞いてみると何のことはない、実に自然にこの映画のキャラクターとして息づいていました。
声を傾聴すると確かに花澤香菜なのですが、そうした意識をせずに映画としてみていると、実に違和感なくテルさんです。
良かねー。

最後のお別れシーン、窓を閉めることで向こう側のテルさんが声も姿も見えなくなるのが、なんかちょっと怖いくらいでした。

そのシーン最後のすずさんの「うちはまだ~」発言は、まだうまく理解できていないのでもうちょっと見ないとですね。



竹槍作成シーンも、すずさんの「ぼーっとしているように見えて、ものすごく考えている」が印象的なシーンです。
ノートを取り出しに行くところなんかは、すずさんの目線で動くので、なんとも緊張感があります。


炭団の代用品を作っているところの歌なんかも、すごい良いですね。
夜、周作さんを拒むところも、アニメーションだからこそ拒絶している様が際立ちます。


水原さんの登場をこれほど心待ちにするとは思いませんでした。
もはや水原さんは全編を通しての癒やしキャラとして捉えています。

これまでのいくつもの追加シーンを通してみることで、前作ではまったく理解できなかった周作さんの締め出しも、その後のすずさんの「腹が立って~」もようやく腑に落ちました。
この「腑に落ちた」というのが、私が今作を見て非常に強く感じたところです。
今作が制作されて、本当に良かった。

ところですずさん、ハゲは大丈夫です???


二河公園でのお花見、なんとか事前に聖地巡礼できたので嬉しいですね。
これまた、リンさんは「知らんぷり」のところで本当は何を考えていたのでしょう。
そしてすずさんのよく考えること、考えること。

ただ、2人が普通に挨拶していたのでちょっと良かった。

ところで二河公園のあの山は、この当時もあったんですね。


てことはあの塞いだ穴は、やはり防空壕なのですね。





しっかしこの山、地形的にはどういう経緯で形作られたんだろう。
あまりにも細長く南北に延びていますが……。
二河川の河岸段丘かと言えば、細すぎるし。日本海が作られる過程で作られた火山岩が浸食されずに残ったのかと言えば、それだと中国地方であれば東西に延びていてほしいし。
う~ん、二河川が山を削った?
それとも戦前に土木工事でこの部分だけ残して削った?

分からんなぁ。




広空襲のシーン、残念ながらまだ円太郎さんがなんて言ったのかを正しく聞き取れていません。
これまた、宿題。

広と呉、2つの視点で同じ空襲のラジオを聞くのは新鮮ですね。



油断していたのは、見送りに来たすずさんに対する、別れ際の周作さん。
まさか変更&追加があるなんて思っていなかったので、ものすごい不意打ちのパンチを受けました。
細谷さんすごいな~。


知多さんが日傘を差して歩くシーンの、もうお先真っ暗になるような締め付けられるような。
前作では一気に明るい感じになる次のシーンへも静かに切り替わるので、今作はなかなか楽をさせてくれません。



浦野家、わずか半年でえらい荒れようですね。
そしてひっそりと住んでいる子達……大きくなってくれれば良いのですが。


枕崎台風は、径子さんが流されるシーンなんかはもはや喜劇っぽい感じですね。
本当にあの斜面で流されたら生きていることに感謝するレベルでしょうけど。

しかしそうか、小林のおじさんまで……。


この台風でかえって広島の掃除(がれきが押し流される)が進んだのは、なんとも皮肉ですね。
あるいは水で除染も進んだのでしょうか?



エンディング、イントロが違ったので驚きました。
エンディングでクレジットに載せる人が増えたため、尺を伸ばしたそうです。
裁縫箱のイラストは、その副産物ですね。

さあ、第2エンディング。
……2度にわたり自分を探しましたが、発見ならず。
後から知りましたが、パンフレットの表示は1行10人、エンディングは1行13人なのだとか。
そりゃあ見つからないわ。


そして上映が終わり、監督の舞台挨拶です。
前から5列目という好位置でしたが、照明の関係で監督のお顔にあまり光が当たらず、結果ピンぼけ多し。。。


途中、何度も目元をぬぐわれていたのが印象的でした。


その後のサイン会では、パンフレットの裏表紙にサインを書いていただきました。
最後をこのイラストで締めているのが、今作では本当に相応しいように感じます。

監督にも「裏表紙がこの絵でとても嬉しい」とお伝えしたところ、第2エンディングの色つけをメンバーの方がしてくれて、採用したという話をしてくださいました。
……いけん、自分の名前を探すのに夢中で見ていなかった。


素晴らしい作品をありがとうございました。



あ、ちなみに今作は上映時間が2時間48分あり、舞台挨拶も含めると3時間を越えます。
幸い、トイレは大丈夫でした。



そして翌日(12月21日)。
今度は渋谷。ユーロスペースさん。

ここは、前作を最初に見た劇場さんです。
当時、劇場公開2日目の朝一で見ました。今作も偶然にも公開2日目。なんとも奇縁です。



2回目ですので、前日では圧倒されるままに過ぎてしまった追加シーンを改めてじっくりと見ることが出来ました。
それにしても……実はこの上映回は監督の他にのんさんや、尾身さん、新谷さんが舞台挨拶をされるのです。
ということでチケットぴあさんで席が売り出されまして、見事当選……と思ったら劇場の一番すみっこ。




う~ん、こういう片隅は想定外でした。
まあ、ある意味では会場でこれ以上無いくらいに私が一番「片隅」ですし、前日とは違って後ろに気を遣わなくて済むと思えば?
※ユーロスペースはちゃんと高低差があるので、そこまでナイーブにならなくても良い。


お隣さんと「隅っこですね」と会話しつつ、さあ開始です。
……開始から数十分、お隣さんの携帯がピカピカと光り始める。メールでも届きましたかね。そして、どうもご本人は気づいていないご様子。
膝に上着を掛けていらして、こちらにだけその隙間から光が届いているようです。

残り時間をず~っとこの光にわずらわされるのはさすがにしんどい……ただ上映中に声を出すのは極力避けたい……。

ということで、ジェスチャーで。

まず左腕を軽くぽんぽんして気づいてもらい、
携帯の方向を指さし。

そして次が難関、携帯が光っていることを伝えるジェスチャー。
手でつぼみを作り、パッと閉じ開きを繰り返す。

最初はお隣さんも「え?何???」って感じでしたが、再度携帯を指さしたところで気づいていただけました。
良かった良かった。



さて、内容に関する感想は1日目のところで触れたので、ここでは割愛します。
第2エンディングは、今回も見つけられませんでした。
途中からは諦めて絵の方に意識を向けましたが、なるほど色がある。
もう一度、今度は絵だけを見たいなぁ。

観客ですが、初日よりも笑いの反応が良かったですね。
というか、完全に初見な人がいたようで、前作にもあったシーンでも笑い声が出ていました。
笑えるシーンで笑い声が出る上映は、とても雰囲気が好きです。


舞台挨拶。
のんさん、顔がすっごい小さい。
マジですか、本当に同じホモサピエンスですか???

横顔は他の登壇者の皆さんと同じくらいのサイズ感でしたが、正面から見たときの印象が段違いです。
すごいなー。

しゃべり方は、すずさんというよりはあまちゃんですね。


終了後、お隣さんに一言詫びでも言おうかと思ったら脱兎のごとく去ってしまった。
まあ、そもそもお隣さんの落ち度だし、別にええわい。




ということで、今のところ2回劇場で見ています。
まだムビチケ(前売り券)を1つ所持しているので、もう1回は確実に見ますね。
(艦これイベント、期間が重なって邪魔だなぁ)


全体的に、前作だと戦争という大きな流れの中ですずさんのドキュメンタリーを見ている感覚でしたが、
今作では各キャラクターが何を考えているのか、そうした内面に想像を巡らせるような作りです。
結局、リンさんも周作さんも、それぞれ自分の思いはほとんど語っていないんですよね。

これなら前作を劇場・自宅含めて10回以上見ていても、問題なく新作として新たな気持ちで見ることが出来ます。
むしろ前作でもあったシーンがどう表情を変えるのかというのも楽しみの一つです。


以上、まとまりのない、思ったことをただ垂れ流すだけの感想でした。

次は、ちゃんと広島旅行編の続きを書きます。


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