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日本に『民主主義』を起業する

日本や世界における『民主主義』の起業、政策インフラやシンクタンクの構築等についての動きを伝えます。

政策インフラの構築を急げ

2005-08-31 10:44:57 | ソーシャル・ガバナンス論(ナショナル)
 日本は、本当に不思議な国である。民主主義の国であるといい、政治主導を実現したいといい、国連の常任理事国になり国際社会をリードし、国際的に敬意を得られる国になりたいと主張している。しかし、本当にそれらが実現できる国になっているのだろうか。
 政策の主なリソースは相変わらず行政である。つまり、様々な分野のアクターが政策情報をつくり、その実現をめぐり政策的に競争するという民主主義的な状況が存在していないのである。そして、その行政も2、3年の人事ローテーションで成り立っている組織である。つまり、政策における専門性や国際的観点がますます重要になってきている国際社会の中で、日本が議論し勝ち抜いていける人材が行政にはいないのである。また、役所の建物や執務スペースは、政策という知的活動するには不適切だ。行政官の活動を支える情報のデータベース等の機能も不十分だ。
 そのような行政に主に頼る立法には、政策秘書や秘書がいるが各議員を支える政策人材や政策リソースは非常に限定されている。政党や法制局や国会図書館などのような立法に関わる組織もあるが、政策情報という点からも、諸外国と比べても十分ではない。また、立替も検討されているようだが、現在の議員会館では、資料の整理にも事欠くような貧弱なスペースしかない。このような状況では、多様な政策ニーズを扱う議員は十分な政策・立法活動を行えない。結果として、本当の意味の政治主導は難しいのが現状だ。
 以上に述べたことは本の幾つかの例に過ぎない。このように日本には、政策を国際的スタンダードで構築し、その情報を社会的に蓄積する政策インフラが欠落しているのだ。日本が本当に21世紀型の成熟した民主的な政治システムを構築したいのであれば、それらのインフラの整備は喫緊の課題である。残された時間は限られている。