グレートジャーニー（多摩川編）

昨日は、アラスカからメキシコ間を４ヶ月かけて自転車で旅をした大学生のＩ君と多摩川サイクリングロードを走ってきた。

前回、帰国直後に会った時は、真っ黒に日焼けしヒゲも伸び放題でとても大学生に見えなかったが久しぶりに会うと色も白くなりヒゲも整えてあって年相応に見えた。

じゃあ行くか！と昼の１２時過ぎに登戸を出発。　向かい風の中、２人で色々と話しをしながらペダルを漕ぐだけで何だか楽しい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　最初の休憩をいつも猫がいる場所にして座ると早速、猫達が登場。あまりにも愛想がいいのでＩ君も驚いていた。　トイレ中の猫を撮影するととても迷惑そうな顔をしたので可笑しかった。

猫達に別れをつげて再びペダルを漕ぐ。　走りながらＩ君が日本や世界を旅した話をしてくれたので向かい風や寒い事も忘れてどんどん上流に進んだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３時頃になると２人ともガス欠気味になってきたのでサイクリングロードを出て福生に出て拝島駅の近くでラーメンを食べた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　燃料を入れて体も暖まってきたので再びサイクリングロードに戻り上流に向かう。日もやや傾き気温が下がってきたのでＩ君がジャンパーを取り出して着る、僕もフリース地のマフラーを首に巻きつけた。

２人でガチガチと歯を鳴らしながら寒さに耐えてペダルを漕いでいると遂に多摩川サイクリングロードの終点、羽村取水堰に到着。　Ｉ君がとても嬉しそうだったので来た甲斐があった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２人で記念撮影をして一服。　Ｉ君が凍えながら「いやぁ～やりましたね！グレート多摩川（グレートジャーニーにかけているらしい）」ととても嬉しそうな顔で言った。

そうこうしている内に日も落ちてきたのでライトを装着して来た道を戻る事にする。　帰り道は、やや追い風なのでスピードも出し易い。グングン下がっていく気温から逃げるようにペダルを回すのだが足先が冷たくなり痛くなってくるくらいだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　立川のあたりを走っていると前方にスキンヘッドのいかつい体をしたオッサンが犬の首輪を掴み犬を引きずりながら何やら怒鳴っているのが目に入ってきた。　横を通り過ぎると「オラッ～　クノヤロー！　イヌを◎＄×△っ～（聞き取り不能）！」と前方を散歩している女の人達に叫んでいる事が解った。

自分の犬だと思うのだが首輪を引き摺りながら歩いているので振り返って見るとオッサンが「アンタらに言ってんじゃね～よ！」と言ってきたので自転車を停めてオッサンに「その犬はオッサンの犬か？」と言うと逆ギレしたらしく「なんだ？てめえ？文句あるのか？そうだ～コノヤロー！」と言ってきたので頭に来た。てめえ！てめえ！と呼ぶのが気に入らない。真っ赤な顔をしてツバを飛ばしながら叫ぶのでオッサンの間合いには中々入る事が出来ない。奴もなかなかの策士なのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鼻っ柱に蹴りでも入れて黙らせたかったが馬鹿馬鹿しくなったのでオッサンを無視して自転車に乗り「オッサン、まあ冷静になれよ。ではバイバイ」と言うとオッサンが「何だとコノヤロー！」と言いながら近づいてきたのだが走り始めた自転車に追いつける訳も無くオッサンの姿と怒号は、だんだんと小さくなっていった。

今度会った時は、遠くから石でも投げてやろう。

Ｉ君と呆れながらペダルを漕いだのが楽しいサイクリングにケチがついてしまったので申し訳無かった。　最近、多摩川を走ると一度は、動物を苛める人間を目撃してしまうのが腹立たしい。

日も完全に落ちてきたのでライトを点灯させて走り、途中で缶コーヒーを飲み体を温めながら走る。　目からは涙が出てくるし鼻も出てくる。　やっとの事でゴールに着いたのが夜の７時だった。　「やったな！」とＩ君に言うとＩ君も「やりましたねぇ！」と鼻をすすりながら満足げに言った。