[映画] クワイエット・プレイス

「クワイエット・プレイス」をTOHOシネマズ上野にて観てきました

低予算だけどアイディア次第で物凄く面白い作品に ”化ける”…という現象が映画界ではたまに発生しまして、超大作映画も勿論それはそれでいいんですが、いち映画ファンとしては ”化けた” 作品に出会った時の方がその満足度といいますか ”悦び” が大きい気がするのはオレだけではないでしょうヽ(￣▽￣)ﾉ　

最近だと日本では「カメラを止めるな」という超低予算映画が僅か2館から300館以上へと公開規模が拡大されるまでに大ヒットしてますが、今作「クワイエット・プレイス」も製作費が20億円ほどとハリウッドでは低予算に分類されるにも関わらず初週全米で興収1位を獲得して、二週目2位に後退した後で三週目にまた1位に返り咲くという離れ業を成し遂げたのだそうです（世界興収は350億円を突破）


作品ジャンルとしてはホラーで謎のモンスターに人類が襲われるというパターンなんですが、”アイディア” 部分は ”音を立てたら殺される” というシロモノ……潜水艦映画で、少しでも物音を立てたら敵に発見されるシチュエーションがお馴染みだったりしますが、あの緊張感がとある家族に向けて90分間、全編に渡って繰り広げられるのだと表現すれば面白さが伝わりますでしょうか

血しぶきやらグロテスクな描写はほとんど無いのでホラーが苦手な人にも是非ともオススメしたい……のはやまやまなんですが、展開にちょっとアラが多いというか、ツッコミ所が気にならないと言えば嘘になる作風なので、細かいことを気にしないで映画が楽しめる方にオススメしたいです！ｗ





以下ネタバレ感想：


イロイロと無茶な設定が散見される展開にちょっと事前の期待が高まりすぎたかな？といった肩すかし感はどうしてもありましたが、ちゃんと最初から最後まで緊張感が持続して楽しめました……ラスト一分で、一気に ”バカ映画” としてその緊張感から解放されるカタルシスは実に素晴らしい体験でした！d(≧▽≦*)

序盤から中盤にかけて、どんな些細な物音も立てないようにサバイバルしている一家と、静かな劇場の中で息を詰めてスクリーンを見つめてるオレらの感覚が完全にシンクロしているのはまさに映画館ならではで味わえる体験でしたねえ……あんまりおおっぴらには言えませんがオレはペットボトルのお茶を劇場に持ち込むのが常なんですが、ペットボトルのフタを開ける時、お茶を口に含む時、飲み込む時に絶対に音を立てちゃならねえ的な義務感みたいなのまで感じてしまったのは楽しくて仕方なかったですｗ

”些細な音も出せない” 状況の中で一家が曲がりなりにも1年以上も生き抜いてきた知恵みたいなのが窺えるのも面白かったですね

人工耳の開発やらモニタリングシステムやら、発電をどうしてるのかというのがずっと気になってたんですが、直接的な描写はありませんでしたよね？……まあ、風力とか太陽光とかそういう設備があったのだろうと無理矢理解釈してますが(^0^;)、表に大量にライトが並んでて何でのんきにイルミネーションなんか？と思わせておいてからの非常時の救援・警告の意味合いを持たせていたのには唸らされました（耳が聞こえない娘がいるからこその生活習慣みたいなのが彼らを生きながらえさせたんですな）

そしていくら砂をまいてるとはいえ裸足ってのはどうなの？静かに歩ける靴だっていくらでもあるんじゃね？…って所からの釘！ｗ

後半はひたすら釘が！釘が！っていうシーンばかりが印象に残ってしまった気もしますがｗ、こんな事態になっても奥さんが身重の体を引きずって重労働の家事をやらされ続けてるのは、夫婦役の二人がリアルでも夫婦で、旦那の方は脚本・監督まで手がけてる所に何か明確な意図が込められてる気がしてなりませんでした(^_^;)


（下世話なハナシになりますが、なんで奥さんまた妊娠してるの！？…って、次男があんな目にあっちゃったらそりゃまあイロイロとあったんでしょうけど、それよりも何よりもエミリー・ブラントが声を必死に押し殺してセックスしてたのかとか想像させるのはどうなの？こんなひたすらな静寂な中じゃエロ妄想に耽っちゃうのも不可抗力ですよね？ｗ）


正直、映画の禁じ手みたいなアイディア一発勝負の勢いだけで最後まで突き抜けていたのは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、オレとしては劇場で見られて心底良かったと思わされましたし、大好きな映画です（ビデオや配信でまた見たいかと言われるとちょっと微妙ですが）



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