12時間Blog

映画とかマンガとかドラマとか

[映画] フォーリング・ダウン

2012-08-26 | 映画

Fallingdown
ニコニコ映画会にて視聴

平凡なサラリーマン風な男が、日々のストレスの積み重ねに耐えかねて爆発してしまう~というこの映画ですが、1993年の公開以来、テレビ地上波でも何度も放映されているのでオレ自身もおそらく最低でも3~4回は見てるんじゃないかと思います

最後に見たのは十年以上前だったからか、初見以来のノーカット版の視聴だったからか、オレがそれだけ年齢を重ねたってことなのか、まあそれら全てが複合的な原因なんでしょうけど、なんていうか物凄く胸にグッと来るものがありましたね…・゜・(ノД`;)・゜・

*ネタバレを気にせずに感想を書きますのでご注意下さい

この映画で描写されてる無駄な公共工事、治安の低下、増え続ける外国人労働者、リストラ、貧富の格差といった、この日本でも誰もが疑問に感じているけど普段は考えないようにしてる社会問題の数々は、20年の時を経て改善されるばかりか益々悪化してるんじゃないかと思わせてしまうのがやるせないですな…

そんな諸問題に対してスカッと(文字通りにw)一撃を加える痛快な娯楽作である一方で、不器用にしか生きられなかった男の哀切も語られているわけですが、若い頃は前段の部分に共感し、中年になると後段の部分により強く共感せざるを得ない映画なんだなっていうのを改めて認識した次第です

行動を端から見ると単なる狂人にしか見えない主人公ですが、街の腐敗への接し方、実家の母親への態度、嫁と娘に押し付けて来た価値観なんかを見てると、内面はむしろ正義感の固まりで理想主義者なんですよね

誰もが子供の頃に親や周囲の大人から言われたような ”道徳観” みたいなのを、後生大事に持ち続けてるだけの人というか

こういう価値観の人は往々にして、他人にだけひたすら厳しいイヤな人になりがちですが、おそらく友達とかも一人もいなかったんだろうなとかそこまで断ずるには主人公の過去の描写が不足してるので何とも言えませんけど、要するに ”(子供目線からの)理想の大人像” がどこにも存在しない現実に苛立ちまくって爆発した挙句に、最後には自分の中にもそれは存在していなかった事に気付かされて絶望してしまったと…

…なんかこうして書いてるこっちが身につまされまくりですが(涙)、おそらく20年先でも通用する面白さを内包してる映画なので今の若者にも是非見てもらって、また自分が年を取った時に改めて見直す楽しさを味わってもらいたいものです

映画感想一覧


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« [アオイホノオ] 岡田斗司夫x... | トップ | [初音ミク] セガの本気 »

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事