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[映画] ブレードランナー2049

2017-10-28 | 映画

「ブレードランナー2049」を川崎109シネマズにて観てきました

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遂に公開された「ブレードランナー」の続編ですが、劇場で見終わってまず、”正統派の続編” となっていたのに軽く驚きました

だって35年ぶりですよ?

そもそも続編なんて無理だろうとしか思えない作品でしたし、何せ前作は2019年の時点でああいった形状の空飛ぶ自動車や人造人間が宇宙開発に実用化されている文明レベルなので、そんな ”if世界” の30年後と言われてもオレら観客にとってはある意味ファンタジー的な世界観なワケですが……前作の特徴的な文化や街並みやキャラクター達もキッチリ描写して ”地続き感” を強調しつつ(どうやらソ連がそのまま存続してるらしい?w)、”人間とは何か?” というテーマを前作と同じ方向性のままで見事に深化させる内容になっていました( ゚∀゚)o彡゚

”人間よりも人間らしい” 事を目指して創り出されたレプリカントが「2049」では当たり前の様に社会に存在している設定なので、それはつまり、”人間側の傲慢” や ”被造物の哀切” といった要素も普遍的に存在する社会になってしまっているという事で、ストーリーは前作以上にエモーショナルに、”2017年” に生きるオレらにも思いっきり ”刺さる” 作品になっているのではないかと思いました





以下ネタバレ感想:





なんともまあ、”ハードボイルド” な映画でした(゚д゚;)

ハードボイルドの作風として、”タフでどれだけ物理的、精神的に痛めつけられようと信念を貫く” 主人公~といったイメージがありますが、「2049」の ”K” の信念とはひたすら ”人間らしく” ありたかった事に尽きますかね(ノД`)

無我の境地ならぬ、”有我の境地” なんて言葉をふと思いついてしまったんですが、あの ”バーチャルお姉ちゃん” にK(と観客)が心を動かされたのは紛れもない事実で、過去も何もかも持っていなかった存在だったとしても、むしろ自らに ”無いもの” をねだる様こそが ”人間らしさ” であることを証明するかのような行動でしたな…

前作の主人公であるデッカードの存在がストーリーの随所に匂わされつつも、実際に登場するのは映画の三分の二が終わった頃くらい?でしたが、Kの目を通して進む捜査が前作の雰囲気を上手く再現していて(より発展させた精神テスト、カタコト日本文化、画像解析シーン等)、3時間近くの長い映画を飽きさせずに観客の興味を引っ張り続けた演出も素晴らしかったです

意味不明にバク転を繰り返したりといったキテレツな(^_^;)アクションは流石に再現されていませんでしたがw、さりげない ”性能” の描写や、ブラスターを正確に(機械的に)連射したりするアクションは実にカッコ良かったなあ(IMAXで見たこともあって音響も凄かった)


ただちょっとした不満もあって、ロサンゼルスの街並みの描写がちょっと薄くなっていた気がしてしまいました……立ちこめるスモッグの中でひたすら降りしきっていた雨のシーンが少なくて、主に雪に変わっていたのは、文明が更なる行き詰まりの段階に到達していた表現だったんでしょうし、ラストシーンの無情さに ”無垢な美しさ” を加えてもいたので決して文句が言いたいワケではないんですが、なんていうか前作のあの異様なディテールの ”情報量” みたいなのは現代のCG技術でも再現(補完)出来なかったんだなあというのが残念だったんです

(前作の)雨にはその一粒一粒から水たまりに至るまで全てにハイライトや鏡面効果があったワケですから、それも致し方ないって事ですかね…


デッカード自身がレプリカントだったかどうかについては、ガフのセリフにしても今回の顛末にしても ”どちらであっても問題ない” という見事な対応だったのではないでしょうか

そして ”レイチェル” までが普通に再登場していましたが、あれどこまでがCGだったんだろう…?
「ローグ・ワン」の若レイアはあの一瞬の登場だけでも違和感だらけでしたが、今回のレイチェルにはほとんど不自然さを感じませんでした


そのレイチェルが ”聖母” みたいな存在になっていたのが「2049」の物語のキーとなっていましたが、デッカードの娘がこれからこの世界にどういう影響を与えていくかというのを観客に投げっぱなしにしたのはちょっと賛否が分かれるカンジですかね……人類側からしたらもうどん詰まりになってる世界観っぽいので、(レイチェルのボディも入手して)これからはレプリカントの時代になるっていうウォレス社長大勝利エンドを示唆してると捉えるのが一般的かなあ…

個人的にはどうにもウォレス社長の描写についてはよく解らなかったというのが正直な所で、産み出されたばかりのレプリカントの前でのシーンで言ってるセリフと行動が繋がらなかったというか(-_-;)
タイレル社長がかつて完成させた、”妊娠が可能” なレプリカントを自分ではどうしても製造できない(神にはなれない)事への苛立ちや嫉妬って事でよかったんですかね?

またそのうち何らかのメディアで見返した時にでも考えてみたいと思います……おそらく前作と同様、これからの人生で何度も見返す機会が(必然的に)訪れると思われる作品ですので





…あ!とてもどうでもいい事なんですが、ガフ役って(前作からずっと)アダマ艦長の人だったんか!というのがこの静かな映画における個人的に最大の衝撃だったというのはヒミツですw
つい先日、ファイナル・カットを見たばかりでしたが、全く気づいてませんでした(^o^;)



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