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[格闘技] PRIDE 男祭り2006 FUMETSU

2007-01-02 | 雑記

05_21 2006年12月31日…大晦日の恒例となった格闘技イベント「プライド 男祭り」ですが、フジテレビとの契約が打ち切られてしまったことで、運営会社のDSEは他局も含めた地上波放送の可能性をギリギリまで模索していたみたいですが…結局、地上波放送は実現しませんでした

07_11 スカパーとインターネットを通じた有料放送、サッカーW杯でお馴染みになったパブリック・ビューイングの各会場、そしてさいたまスーパーアリーナに直接行った観客だけが、日本でリアルタイムにこの大会を楽しめたワケですが…

今回の「男祭り2006 FUMETSU」は、プライドという格闘技イベント史上でも屈指の名試合のオンパレードでした!

上で挙げた、ほんの一握りの人しかこの感動を共有できないという現状が、ほん…っとうに勿体無いです!!

昨年、一昨年とプライドの地上波の視聴率は20%に迫るかという勢いだったので、なおさら内容の充実ぶりが逆に悔しくてなりません…

興行と名の付くものには大なり小なりヤクザ系の影響が付き物なんですから、フジテレビも考え直してくれませんかね…
(プライドが直接犯罪に関わってたりするなら流石に大問題ですが、これだけマスコミの耳目に晒されている中で週刊現代以上の情報が出てこないということは、フジテレビとしてもプライドを問題視する意味がないと思います…あくまで深い事情は知らない素人考えですが)

07_12 こちらは会場の前に設営されていた「男神社」の夜店なんですが…商品のネーミングのふざけ具合はさておきw、日本中の神社などで催されている縁日の夜店も、裏ではヤクザの仕切りであることがほとんどですから、プライドの興行をヤクザ云々で責める人は、それらの縁日も非難してるんでしょうか…

…我ながら強引な論理だとは思いますが、プライドの興行が直接的に犯罪に結びついているのでは無い限り、たとえヤクザが仕切っていたとしても、オレとしては否定したくないですねえ(そのヤクザによる反社会的行為を追及するのは別問題)

まあそれはさておき、あれから丸一日が経っても未だ興奮冷めやらぬ大会を、ここで振り返ってみたいと思います

    ***以降で各試合の詳細に触れますので、勝敗や内容を知りたくない方は読まないで下さい

■第一試合:田村潔司×ミノワマン
 勝者:田村潔司(KO 1R 1分18秒)
美濃輪育久改めミノワマン衝撃のデビューw…煽りVの素晴らしいセンスと相俟って、第一試合の始まる直前の会場はまさに爆笑の渦でしたw
ですが、そんなひょうきんな試合前の雰囲気とはまるで正反対に、試合後の会場の空気が凍りついた試合内容は衝撃的でした…

オレを含めたほとんどの観客は、試合開始からまだ間もないのにいきなり美濃輪がリングに崩れ落ちた姿を見て”???”と狐につままれたような状態だったんですが、リプレイの映像で田村の見事な膝蹴りが倒れる直前の攻防で美濃輪の肋骨(もしくはレバー)に入っていたのを確認してからは、騒然となりましたね
お祭り気分を一気に冷まし、真剣勝負の凄みをまざまざと見せ付けられて”やっぱりプライドは凄い”と、あの試合を見ていた誰もが唸らされたのではないでしょうか

■第二試合:青木真也×ヨアキム・ハンセン
 勝者:青木真也(三角締め 1R 2分04秒)
トリッキーな関節技を得意とする期待の新鋭、青木真也と、”北欧の処刑人”の異名を持つ強豪ハンセンの対戦…ハンセンは青木とよく似たタイプの今成正和をたった一発の膝蹴りでKOした実績があるので、青木が如何にハンセンの打撃をかいくぐって関節を決めるかが勝負の焦点だったんですが…
青木はプライド武士道で衝撃的な勝ち方を2回もしていて、オレとしてもかなり印象的な選手でしたが、今回もあのハンセンをまるで子供扱いにして圧勝してしまったのには驚きました…あの芸術的な戦い方は言葉ではとても表現しきれなくて、昨日の地上波放送がない事が最も悔やまれた試合の一つです

ところで、煽りVで知ってびっくりして調べてみたんですが、青木は06年の4月に警察官として就職したのにも関わらず、格闘技への情熱を諦めきれなくて、わずか在職2ヶ月でとっとと退職してしまったのだそうですw
いやー、静岡県警としては大損失でしょうが(汗)、プライド、ひいては日本格闘技界にとっては最高のニュースですよ!w

■第三試合:郷野聡寛×近藤有己
 勝者:郷野聡寛(判定 2-1)
不動心を掲げたストイックな姿勢で、パンクラスという格闘技団体の輝かしい戦績を引っさげてプライドに参戦したにも関わらず、ほとんど実績を残せていない崖っぷちの近藤
DJ OZMAとのコラボなどで選手入場の際に壮大なエンターテインメントを仕掛けることと、ビッグマウスで有名な郷野

静×動、生真面目×おちゃらけ、などと表現するのが相応しいこの二人の対決ですが、互いに相手が攻めてくるのをかわして反撃するのが得意なタイプの格闘家なので、二人とも基本的に相手の出方をうかがう動きの少ない試合になってしまったのが残念でした
決して低レベルの試合ではないのに、他の試合があまりにも派手な試合ばかりだったので、地味さが余計に際立ってしまったのが不遇の組み合わせでしたね

そして結果として判定で負けてしまった近藤がちょっと不憫でした…何故かプライドでひたすら勝てない近藤の今後が心配です

■第四試合:マウリシオ・ショーグン×中村和裕
 勝者:マウリシオ・ショーグン(判定 3-0)
シウバやサイボーグといった、ガンガン前に出てくるブラジルのシュート・ボクセ勢に対して一歩も退かないで戦える日本人格闘家はそう多くありません
シュート・ボクセの次期エースと目されているショーグン(プライドのミドル級GP王者でもあります)に対しても、中村は一歩も退かずに戦ってくれました
惜しくも判定で負けてはしまいましたが、ショーグンの経験不足からくるグラウンドの弱点を上手く突き、スタンドでも互角以上に戦っていたのではないかと思います

■第五試合:川尻達也×ギルバート・メレンデス
 勝者:ギルバート・メレンデス(判定 3-0)
2005年9月にライト級の王者である五味と歴史に残る壮絶な戦いを繰り広げた川尻ですが、あれからさらなる鍛錬と実績を積み重ねてきて、2007年のライト級GPの査定試合の意味合いもある今回の試合にてどのような戦いを見せるかが注目されていたんですが…
相手のメレンデスがこれまた凄まじい選手でして、あの五味戦を彷彿とさせるようなハイスピードのパンチの打ち合いは壮絶の一言でした

現在のプライドは公式に”マストシステム”というルールを採用してまして、3人のジャッジの判定で必ずポイントに差がつくようになっているんですが、今回の試合ばかりは”ドロー(引き分け)判定”こそが相応しいと、強く思いましたねえ

■第六試合:藤田和之×エルダリ・クルタニーゼ
 勝者:藤田和之(KO 1R 2分08秒)
日本人格闘家の中で最強との声もある藤田(ヘビー級の日本人選手がほとんどいないってことも大きいですが、藤田のタフネスぶりが日本人離れしているのは確かです)の相手は、グルジアのアマレスの猛者…
この大晦日の大舞台に、格闘ファンでも”誰だよ、それ?”ってカンジの相手になってしまったのは、イロイロと大人の都合があったんでしょうね…

オリンピックのメダリストだったとはいえ、総合格闘技の初心者では案の定、顔面への攻撃が一発入った時点で戦意を喪失してしまいました…
無差別級GPにおけるシウバとの激戦からのブランク明けの藤田にとっては、ちょっと楽な相手で良かった側面もあるのかもしれません(汗)

■第七試合:五味隆典×石田光洋
 勝者:五味隆典(KO 1分14秒)
この試合は、試合前の煽りVと合わせて試合内容を見ると、思わず震えが来るほど凄まじかったです

煽りVにおいて片や、プライドに参戦してから四連勝の快進撃を続ける新鋭と、片や、絶対的な強さを見せた2005年までの実績と比較されて、ほとんど落ち目みたいな扱いを受けている王者…
石田が誇る”未だに誰にも破られたことのないタックル”について五味が、”ガードなんてしない、タックルなど一切させずに勝つ”と言い切っているんですが、煽りVでの発言っていうのは、まあプロレスにおける単なる挑発行為みたいなモノで、要するにちょっと芝居が入ってるんだと思います
観客もそれはわかっていて、試合に入れば真剣勝負ってことで、煽りVの内容は試合が始まればスグに忘れちゃうような扱いなワケですが…

なんと今回の五味は、煽りVで宣言した通りの試合展開を実行して圧勝…日本人離れの強さを見せつけて世界中の軽量級の猛者たちからその首を狙われていた五味が…”あの恐ろしい五味”が帰ってきた!と思わず叫びたくなる試合でしたね

■第八試合:吉田秀彦×ジェームス・トンプソン
 勝者:ジェームス・トンプソン(TKO(タオル投入) 7分50秒)
プライドの日本人エース的なポジションである吉田秀彦の今大会の対戦相手を決める調整は難航を極め、正式に相手が決定したのはなんと大会の四日前でした
わずか四日で対戦相手への対策を講じることなど不可能なのは吉田も相手のトンプソンも同じなので、どちらかの選手に対する贔屓みたいなことは無いでしょうが、選手としてはたまったもんじゃないでしょうねえ

そんな両選手にとって大変だったであろう試合ですが、試合中にとんでもない事態が発生しまして…
見ている最中は全く詳細がわからなかったんですが、試合中に吉田が完全にグロッキー状態になったのにも関わらず、レフリーが何故か試合をストップさせない、という異常事態に会場は騒然となりました

確かに試合の前半は吉田が優勢で、柔道家の吉田がヘビー級を相手にした打撃の応酬に付き合いさえしなければ、吉田が普通に勝っていた試合に見えました
吉田が負けることに対する心理的な抵抗があったせいなのかは解りませんが、レフリーのおかしな対応のせいで、結果として試合後に担架で運ばれるハメになった吉田の姿を見た時は、怒りと困惑で会場中が動揺していたと思います

この後のジョシュ×ノゲイラ戦が始まっても、まだ会場の動揺が治まっていないカンジでしたが、翌日に発表されたDSE社長のコメントによれば、吉田は大きなケガなどをしたわけではなくて、過呼吸のような状態にあったとのことです
なので、担架で運ばれた後ですぐに病院に搬送されたということもなかったようです…とりあえず安心しましたが、レフリーのおかしな対応については厳重注意が必要なのは間違いないでしょう

■第九試合:ジョシュ・バーネット×アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
 勝者:アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(判定 3-0)
今年の5月から3大会に渡って開催された無差別級GPのクライマックスとも言える、ジョシュ×ノゲイラ戦が早くも再戦となりました
無差別級GPではジョシュの判定勝利となりましたが、まさにどちらが勝っていたとしてもおかしくない試合で、今回も名勝負となることが確実視されていました

そして観客の期待に違わず、またもや判定にもつれこむ大接戦…ジョシュに負けたことで徹底的にジョシュを研究したというノゲイラが見事に勝利を収めました

個人的な思い入れとしては、世界最強のオタク格闘家であるジョシュの方がノゲイラよりも上なんですが(これまでプライドを背負ってきたノゲイラへの思いは格別ですが、何というか、ジョシュが毎回「北斗の拳」のオープニングテーマと共に入場して来る際の会場の異様な盛り上がりを、どうにかして言葉にして伝えたいんですが…とても無理ですw)、今年のジョシュは試合数がやたらと多かったことと、フジの契約が切れて消滅の危機すら迎えていたプライドの救世主となってくれたことに対して、本当にお疲れ様でした、と伝えたいです

■第十試合:エメリヤーエンコ・ヒョードル×マーク・ハント
 勝者:エメリヤーエンコ・ヒョードル(羽根折り固め 1R 8分16秒)
白状すると、正直、この試合はあまり期待していませんでした…結果が見えているというか、ヒョードルの強さが誰を相手にしても桁違いで鉄板すぎるというのもあるんですが、ハントは元K-1王者で立ち技には物凄く強くても、寝技で吉田やジョシュにあっさり負けている過去があるので、立ち技も寝技も化け物みたいに強いヒョードルにはどうあがいても勝てるわけがないと、たかをくくっていたんですが…

今回のハントは全くの別人のようでした!!
”(K-1にもプライドにも)お金の為に出てるだけ”と公言して憚らないハントが…あの面倒くさがりのイメージがすっかり定着しているwハントが、物凄く寝技の対応を練習してきてるのが見て取れる試合ぶりだったんですよ!

あのヒョードルの攻めをしのいで返すどころか逆に組み伏せて、腕の関節技をも仕掛けるほどの好試合ぶりに、会場の盛り上がりは凄まじかったです
一瞬、ヒョードルの敗北を感じさせた選手というのは過去に何人かいるんですが、今回のハントが最もヒョードルに勝利する可能性を感じさせてくれたのではないでしょうか…いやー、試合前にこんなに好試合になると予想していた人はほとんどいないんじゃないですかね

■全体:
さすが男祭りというべきか…大晦日の地上波放送に対応する為に、ほとんど全ての試合を通常の大会ならメインを張れるカードばかり揃えていたワケですが、結局地上波放送は実現しなかったので、クオリティの高い試合が多かった事実が逆に切なかったです…

フジテレビでもどこでもいいので、こんなに優秀なコンテンツなんだから是非今年こそ地上波放送の復活を!!
そうすれば選手の知名度も上がりますし、大会にメジャーなスポンサーもついて資金が潤沢になり、その結果、選手へのギャラも増えてミルコみたいに選手が流出してしまう哀しい事態を防げます…

繰り返しますが、今年こそ地上波放送の復活を!!…もうそれに尽きますね…

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