これは凄い映画でした!
正直、予告を見ただけではそんなにピンと来てなくて、もう散々出尽くしたシークレット・サービス系のアクション映画の一つだろうと、(せいぜい「24」の焼き直しみたいな映画だろうと)軽い気持ちで観たんですが…いやはや、見事に期待をいい方に裏切ってくれました!
でも確かに、”大統領暗殺事件に遭遇した8人の視点を、それぞれ別々に時系列に沿って見せる”という手法はかなり「24」を意識したかのような演出でしたが、凄まじい緊迫感と、視点が変わっただけでとんでもない展開が矢継ぎ早に発生することで、そんな余計なことを考えてるヒマなどありませんでしたね
多少、強引な展開も見受けられましたが、ラストに向けて全ての事態が収斂していく様は見事で、手に汗握りまくりでした!
これは文句なし、現時点で今年最高の一本でしょう!
ネタバレ感想:
やはりテロリスト側が非常に優秀に描かれているのが印象的でしたね…対テロ戦争において、全般的にアメリカに見られる傲慢さ(汗)をあざ笑う展開が秀逸でした
テロリスト側の描写にせよ、リアルタイム風に視点をスイッチしていく演出も、「24」が無ければ生まれなかった気がしてなりませんが、逆に、ひょっとして劇場版「24」の製作が突然無期延期になってしまったのは、この映画のせいだったりして…?(かの「ダイハード4」が、「沈黙の戦艦」のせいで製作がストップしてしまったかの如く(汗))
それにしても同じ時系列なのに、視点が変わっていくごとに想像もしなかった背景事情が明らかになっていく展開は素晴らしかったです
一つ目のマスコミの視点で巨視的な状況から伏線をバラ撒いて、次の視点でその伏線を少しずつ解決していき、また別の視点で更にその裏をかいてみせる…この見事なまでに緻密な脚本は、ラストの一点で全てが繋がる為に計算され尽くしているワケですが、結末のカタルシスはとんでもなかったですねえ…
上でも少し書きましたが、あの旅行者や母娘の行動の少々の不自然さなんか、このカタルシスの前では全て帳消しです!w
あ、あと瑣末な事ですが、ほとんど冒頭にしか出番が無かったシガニー・ウィーバー(一応、8人の一人)の使い方はちょっと勿体無かったですな(汗)