川崎TOHOシネマズにて観賞
おお…これはナカナカ斬新なホラー映画でした
それもそのハズ、この映画は「SAW(ソウ)」シリーズを生み出したリー・ワネルとジェームズ・ワンのコンビが監督・脚本を手がける新作でして、個人的にも非常に期待してた映画なんです
ホラー映画というと、恐怖を象徴し、残酷で暴虐な振る舞いに明け暮れるキャラクターが付き物ですが、この映画で登場するのは腹話術師の人形です
「ソウ」でも不思議なピエロみたいな人形が象徴的に登場していましたが、あちらが”ジグソウ”という(普通の)人間がその背後にいて操っているのとは違って、こちらの人形はある程度、超自然的な現象をも引き起こすことが可能な存在なので、「ソウ」シリーズと同じノリを期待してた人にはちょっと微妙だったかもしれませんね
その超自然的な現象ですが、(ネタバレになるので、深い事情は書きませんが)人形が被害者を惨殺する際に周囲を無音状態にするというものです…タイトルの”デッド・サイレンス”を訳すと”死の静寂”というカンジでしょうか、劇中では”周囲が不自然な静寂に包まれた時、叫び声を上げると(人形に)殺されてしまう”というルールが存在するんです
ゴシックホラーな雰囲気が漂う寂れた小さな田舎町を舞台に、(ホラー映画において)あまりにも当たり前の演出である”叫び”を奪われてしまう設定が、登場人物だけでなく、観客にも多大なプレッシャーをかけていて非常に面白かったです
そして「リング」などの昨今のホラー映画と同様、”人形の呪い”の原因を主人公が調査するミステリー的な側面もあるんですが、そちらにも大きな仕掛けがあったりして、最後まで楽しませてもらいました
以下ネタバレ感想:
いやー、ラストの仕掛けには見事にしてやられました
”なんで(主人公の)父親だけが、呪いから外されてるんだろう…?”という疑問は、オレも劇中で感じてはいたんですが、ラストで全てが明かされる演出にはゾクゾクさせられましたね
贅沢を言えばもうちょっと、謎が解けた余韻が欲しかった気もしましたが…(”叫び声”を上げさせないといけないからムリか…)
そして上でも書きましたが、”死の静寂”の演出もアイディア賞もので良かったです…ただ、メアリーがあまりにも律儀というか、キチンと叫び声を上げるのを待ってから舌を引っこ抜いていたのに、ちょっと笑っちゃいそうになったりもしたんですけどね(特に終盤の刑事のシーンとかw)
それと劇場で大きなリアクションを取るのが一般的らしいアメリカの観客とかには、余計に効果的な演出だったんじゃないかなと妄想してみたりw
あと、”完全な人形”が、行方不明になった少年を元にして作られたのだと思わせるミスリードにも唸らされましたねえ
ちょっと続編を作るのはキツい展開だったと思いますが、この製作者コンビの次回作にも是非期待したいと思います!
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