或るScientistの徒然なるつぶやき

つれづれなるままに、日ぐらしPCに向かひて、心に移り行くよしなしごとを、blogに書きつくれば......

事業仕分け第2弾

2010-04-22 22:45:41 | シャカイ
さて、事業仕分け第2弾が4月23日から始まるので、内閣府行政刷新会議事務局のサイトに掲載されたスケジュールを見てみよう。
http://www.shiwake.go.jp/

ひとまず、関心があるのは研究開発系だけなので、仕分け対象になっている独立行政法人(所謂、独法)のうち科学技術系のだけを抜き出してみた。かぎ括弧の中に書いたのは監督官庁。丸括弧の中に書いたのは対象となる事業です。

なんだか文部科学省というか旧科学技術庁の関係が狙い撃ちされているような気もします。巨大な加速器の施設とか原子炉とかを持つ、日本原子力研究開発機構(経済産業省と文部科学省が所管)とかがリストにないですからね。

どんだけアホで意味のない議論、というよりは一方的な主張が仕分け人から飛び出すのか楽しみです。

4月23日(金)
ワーキンググループA
沖縄科学技術研究基盤整備機構[内閣府所管](運営委員会の経費)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%A7%91%E5%AD%A6%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%9F%BA%E7%9B%A4%E6%95%B4%E5%82%99%E6%A9%9F%E6%A7%8B
「運営委員会の経費」についてらしいので、あんまり研究開発系ではないかも。

4月26日(月)
ワーキンググループA
国立美術館[文化庁所管?]、国立文化財機構[文化庁所管]、国立科学博物館[文部科学省所管] (美術品等の収集・保管事業等)
しかし、どれだけ文化とか芸術とか科学とかを軽視したいんだろうか。。。
ふつう、美術品の収蔵を仕分けとか恥ずかしくて言えないだろう。

そういえば、国立科学博物館が飛ばせる状態で維持しながら保管している日本初の国産旅客機「YS-11」の保管整備費用(年間1000万)が無駄だとか。。。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20100420037.html

YS-11は、まだ改造された何機かが自衛隊等に残っていますが、民間航空会社で使われていたものをそのまま保管することには、それなりに意義があると思います。
だって、戦後唯一の純国産旅客機ですよ?十分、産業関係の収蔵品としての価値があると思います。こういう収蔵品は失ったらもう二度と戻ってきませんので。
年間1000万ですが、国家予算に比べてそんなに高額でしょうか?お金が足りないのなら議員を一人減らせば十分にまかなえる額。

ワーキンググループB
理化学研究所[文部科学省所管(旧科学技術庁所管)](研究開発・委託業務関係)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%86%E5%8C%96%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80

不思議ですね。何で研究開発をするための独立行政法人の研究開発事業が、仕分けの対象になるのでしょうか。やっぱり、日本では科学を研究してはいけないということでしょうか?
理化学研究所は戦前からある研究所で「1917年に渋沢栄一を設立者総代として皇室からの御下賜金、政府からの補助金、民間からの寄付金を基に財団法人理化学研究所として東京都文京区駒込に設立された。」とのことwikipediaには「日本で唯一の自然科学の総合研究所」とも書いてあります。よく知られているリコー(理研光学)あるいはワカメスープの理研ビタミンとかは、昔、理研の研究から生まれた企業です。
過去の栄光はすでにないのかもしれませんが、この研究所の研究開発事業を仕分け対象に入れるとは。。。

物質・材料研究機構[文部科学省所管(旧科学技術庁所管)](研究開発)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E8%B3%AA%E3%83%BB%E6%9D%90%E6%96%99%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A9%9F%E6%A7%8B
通称はNIMS(ニムス)と呼ばれている研究所です。研究内容等はあんまり知り合いがいないのでよく知りませんが。。。

日本学術振興会[文部科学省所管](学術の振興に関する調査及び研究(学術システム研究センター)・競争的資金)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%AD%A6%E8%A1%93%E6%8C%AF%E8%88%88%E4%BC%9A
「競争的資金」というのは、大学等の研究者が申請して取得する研究費です(科学研究費補助金、略して科研費というのがそれです)。大学の研究者の研究費用(実験装置、資料、薬品等の購入)は、大学の予算が昔に比べてかなり削れた状態にあるため、現在ほとんど大学の外部からの「競争的資金」に頼っているのが現状です。もし競争的資金が減額されたら、日本の科学は終わりですね。科学者は海外に移籍することを考えたほうがよいかもしれません。

科学技術振興機構[文部科学省所管](競争的資金)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%91%E5%AD%A6%E6%8A%80%E8%A1%93%E6%8C%AF%E8%88%88%E6%A9%9F%E6%A7%8B
ここも同じで日本学術振興会と共に、「競争的資金」で日本の科学を支えています。

宇宙航空研究開発機構[総務省・文部科学省所管](研究開発・広報)
いわずと知れたJAXAです。ロケット打ち上げ、衛星の開発などで皆さんよくご存知かと。航空宇宙関係の3機関、文部科学省宇宙科学研究所(ISAS)・独立行政法人航空宇宙技術研究所(NAL)・特殊法人宇宙開発事業団(NASDA)、をまとめてできた独立行政法人。そういう意味ではすでにスリム化は完了している。これ以上予算を減らすと何にもできなくなってしまうのではないかと心配。あんまりいじくると、ある日、気象観測衛星ひまわりが本当になくなってしまうかも。

新エネルギー・産業技術総合開発機構[経済産業省所管](研究開発関連業務等)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%BB%E7%94%A3%E6%A5%AD%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%B7%8F%E5%90%88%E9%96%8B%E7%99%BA%E6%A9%9F%E6%A7%8B
NEDO(ネド)という名前の団体です。基本的に、自前の研究所を持っていなくて、テーマを定めた研究を外部の研究所や大学等資金を提供して研究してもらうというスタイルです。そういう意味では科学技術振興機構と同じように「競争的資金」の供給元ですね。
ただ、この団体のやり方だと無駄が多いというのは確かなようです。予算の使い方の制限も文部科学省のやり方とは違うのでやりにくいという研究者の声をよく聞きます。

4月27日(火) 3日目
ワーキンググループB
情報通信研究機構[総務省所管](新世代ネットワーク技術の研究開発等)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E9%80%9A%E4%BF%A1%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A9%9F%E6%A7%8B
情報通信分野の研究所らしいですが、これまた知り合いがいないのでよく分かりません。

4月28日(水)
科学技術系は特になし


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