或るScientistの徒然なるつぶやき

つれづれなるままに、日ぐらしPCに向かひて、心に移り行くよしなしごとを、blogに書きつくれば......

毎日新聞の社説の愚かさ

2010-04-15 21:16:02 | シャカイ
「社説:外国人看護師 閉め出し試験の愚かさ」
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100415k0000m070099000c.html

の愚かさが気になった。

外国人看護士の話について書かれた社説の冒頭は以下のようになっている。

「経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアとフィリピンから来日している受験生が初めて看護師国家試験に合格した。ただし、わずか3人。両国の受験者は254人で、合格率は1・2%だ。一方、日本人の合格者は約9割に上る。外国人受験生にとっての壁は、難解な漢字や専門用語だ。本当に看護師の仕事に必要なのか。わざと締め出そうとしているようにしか思えない。」

そうだろうか?社説を書いた人間が漢字が読めなかったり専門用語や理解できないからといって、それが必要でないとするのは乱暴すぎるだろう。

社説の最後の文章がまたしても笑える。

「形式的な公平だけでなく、実質的な公平を実現しなければならないことを「合理的配慮義務」という。国連障害者権利条約などにある概念で、障害や宗教、人種などによる目に見えない障壁を取り除くために用いられる。看護師を目指す外国人に対する日本の国家試験はまったく合理的配慮に欠けている。高齢化が急速に進んでいく一方で、就労人口は減っていく。外国人看護師にたくさん来てもらわなければ困るのに、いったい何を考えているのか」

これは、目に見えない障壁ではない、目に見える障壁である。なぜなら、日本において仕事をする上で、日本語がきちんと理解できないことは致命的である。

ちなみに、専門用語は厳密に定義されていて、ほぼ英語と日本語の一対一で対応する言葉がある。そのため、少なくとも科学の世界では専門用語を使った会話は一般の英会話よりも容易である。したがって、専門用語を曖昧さが残る一般的な用語に置き換えるのは愚かといわざるを得ない。

これを毎日新聞の社説の愚かさと言わずして何と言おうか。
科学的思考の欠如のなせる業か。。。



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