馬鹿バスケ

Brooklyn Comets(ABA)でのアシスタントコーチを終えて、今はNYでスタッツいじり。

Rockets VS Pacers

2005年02月13日 | NBA観戦記(Indiana)
やっぱコンセコはいい。試合開始30分前まではコートの直ぐそばまで行くことができる。この日はAJ、Tinsley、Harrison、S.Jackson、Fred Jones、RocketsではHoward、Suraの写真を近くからゲットできた。

また、ここ数年アウトサイドのシュート力を上げているTinsleyのシュート練習を後ろから観察(下の写真中央はTinsley、右がHarrison)。リーチが短いため、体全体で押し出すようなフォームである。ただ問題は右ひじがやや開いており、ややシュートがブレやすいように思う。



この日はレジー・ミラーが正式に引退を発表して初めての試合ということで、感傷的なムードが漂う中で試合がスタートした。Tinsleyが怪我を悪化させてしまったようで、試合前の熱心なシューティングにもかかわらず開始2分で退場したが、ペイサーズはJオニールのミドルシュートで序盤リードを奪った。

一方ヒューストンはヤオのインサイドで付いて行く。ヤオをマークするフォスターにファウルが込み、ペイサーズは1Q途中でポラードを投入。今度はポラードも数分でファウル二つを計上し、1Q 残り1分で今度はルーキーのハリソンが登場。するとハリソンは入って4秒でファウル、ロケッツに楽々FTを献上していた。

センター陣のベンチの厚さと対照的に露呈したのがPG層の薄さ。この日はTinsleyの怪我でAJが試合の殆どをPGとしてプレイしたが、彼は自らチャンスをクリエイトしたりスピードで相手をかく乱できるタイプではなく、ビッグセンターを擁するヒューストンに対して早いトランジションを使えないのは苦しい。やはりAJはあくまで控えのPGとして存在が生きるタイプではないだろうか。また普段は3枚目のPGであるEddie Gillが出ると、マークしているSuraがインサイドにダブルチームを仕掛け、結局Gillが最後に打たされるというパターンに陥っていた。徐々にロケッツがリードを奪いハーフタイムに入る。

ハーフタイムショーの後では、レジーの引退発表を受けての各選手のコメントとレジーの過去の名場面が紹介されていた。するとファンの間から沸き起こるレジーコール。ちょっと胸が熱くなった瞬間。

レジーの何が凄いって、まず18年間もトップレベルでプレイを続けたという能力の高さとコンディショニングもあるが、それ以上に、その過程で徐々にJオニールやアーテストにチームリーダーとしての役割を委譲し、スムーズな政権交代を行ったということ。通常トッププレイヤーというものは、プライドが邪魔をして他のチームメイトにリーダーの座を譲るなんてことができないものだ。しかしレジーのお陰で、ペイサーズは特にドアマットチームに陥ることなく長年安定した成績を残しただけでなく、レジー引退後のフランチャイズを支えるリーダーを得ることもできた。しかしインディアナ州は今年、Reggie MillerとGene Keadyという、Future Hall of Famerを二人も失うことになる。Hoosier Stateも世代交代の時期を迎えているということだろうか。いずれこの州の伝統を受け継ぐ次代の選手・監督が出てくることを願いたい。

でもって後半、前半静かだったマグレディが徐々に当たりだし、一方インディアナはインサイドで点が取れず、最大15点近くのビハインドを抱える。しかしそこからペイサーズの猛攻、Fred Jonesのスラッシュで5個目のファウルを犯したヤオをベンチに座らせると、AJのアウトサイドで第4Q序盤で同点に追いつき、場内は騒然。しかしペイサーズの反撃はここまで。終盤はシュートが全く入らず、91対83でロケッツの勝利。

(Recap)
(Box score)

目立ったのはロケッツのディフェンス、特に対Jオニール。ハワードがかなりタイトに付き、フェイダウェイでも必ずブロックに来る。その分ドライブインしやすいのだが、中へ入っていけばあっさりヤオかムトンボの餌食に。さすがのJオニールと言えども、ヘルプに来た2メートル20センチ台の選手のブロックをかわすのは困難だったよう。そんな感じでインサイドで点を取れなかったので、アウトサイドが入らなくなると自然と点差が開くような展開。ただヤオのディフェンスは横の動きが遅いため、スラッシュしてくるGFに対して比較的簡単にファウルをしていたような気がする。ロケッツでは以前もコメントしたSuraのリバウンドに感心。勝負どころで抜群のタイミングでオフェンス・ディフェンスリバウンドをもぎ取り、計9リバウンドを上げた。

またこの日は、高校・大学のバスケットボール部の先輩で、現在シンシナティに赴任している方がコンセコまで試合を見に来ていた。僕はこの日、同じく部の先輩で私の学校で教授をなさっている方と一緒に試合を見に行ったのだが、試合後は合流して教授の家に集合し、明け方まで高校OB会と相成った。我々3人はみな高校時代に同じコーチの下でプレイし、その監督の強烈な個性と独特な指導方針に多大な影響を受け、大学までプレイを続けた人間たちである。残念ながらその監督は数年前に亡くなられてしまったが、監督のとりなす縁でこうして辺境の地でも楽しく酒を酌み交わすことができた。

赤さん、ありがとう。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マローンも。。。 (で~やん)
2005-02-14 13:22:08
引退するみたいだね。

2人ともすごい選手だったのに、結局チャンピオンリングは手に届かず。(だよね?)特にマローンは優勝目前で夢潰えてしまって、悔しさも一入かもね。それでも身を引く潔さがかっこ良い。そういう感覚をウチの会社の幹部も持ってもらいたい。
返信する
Re:マローンも。。。 (t123da)
2005-02-14 15:18:54
一つの時代が終わった、って感じ。よっぽど優勝したかったんだろうけど、「優勝することはチームの目標であって、個人の目標ではない」みたいなことを言っていてこれがまた泣かせる。

http://www.nba.com/jazz/news/transcript_021305.html

そういえば初めて買ったNBAグッズはマローンのトレーナーだった。



でーやんとこはまだ将来性ある幹部が会社にしがみつきたくなる気持ちもわかる。問題なのはうちみたいな衰退産業に属する会社ですよ。。。
返信する
愉しく拝読しました!! (wakkanai097)
2005-02-14 22:13:50
こんばんは!!(インディアナの時間では“おはようございます”?)



この記事を愉しく読みました!!観戦した試合に関する、競技経験者の目線での話し、レジー・ミラーの件に引っ掛けた「男の引き際」の話し、遠いインディアナで出くわした旧くからの仲間との友情…良いですね!!



> スムーズな政権交代を行ったということ。



これ!!低迷を経験したり、現在低迷中のチームでは「思い当たる節」が色々とある話しかもしれません…示唆に富んでいますね!!

また“勤め人”一般としても「引き際」は、興味尽きない話題ですね…



追伸

拙作ブログですが、Warrior Girls(GSのダンスチームです!!)のカテゴリーを新設しました…
返信する
Re:愉しく拝読しました!! (t123da)
2005-02-19 14:27:04
wakkanai097さん、いつもコメントありがとうございます。ただあったことをつらつら書いているだけなので、そんなに言って頂くと恐縮してしまいます。



そちらのブログもいつも楽しく拝見させて頂いてます。ウォリアーズのチアガールの方からコメントが入ったり写真が提供されるなんて羨ましい。インディアナに来る機会があったら連絡下さいって言ってもらえるとありがたいです。なんちって。
返信する