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ポジティブな私 ポジ人

SMSと美術館への招待券

火曜日、「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を見に道立近代美術館へ行った。

たまたま共済保険の招待券プレゼント企画に応募したところ、当選したものだ。
まともに支払うと一人1800円。それが2枚当たった。運が良いというのもあるが、お知らせが届いたのがSMSだったことが幸運につながったのかも知れない。

SMS(short message service)はショートメッセージとかCメールと呼ばれ、昔はよく利用したがLINEを知ってからは、ほとんど利用しなくなった。

たまにSMSに届くメールは、大概怪しいものが多い。
「重要なお知らせ」とタイトルのついたものは特にロクな事がない。例えば「通信サービスは停止される場合がございますのでご確認ください」と、こちら側を焦らせるような文面を送りつけてくる。文面のパターンは様々だが、「当選のお知らせです」みたいなのもある。そのすぐ下にメールアドレスが貼ってあるが、これに触れようものなら、トラブルに巻き込まれる恐れあり。触らぬ神に祟りなし、触っちゃだめよ。

そんなメールばかり届くので、今回のチケットプレゼントのお知らせは、受け取った方の大半は警戒したのだろう。
私も最初、チケットプレゼントを装ったフィッシング詐欺かと思った。発信先の電話番号を調べてみると、まさしく自分が加入している保険会社のものだった。それで安心して、夫にもそのメールが届いていたので、それぞれ応募して、招待券をいただいたのだ。ありがたい。

前置きが長くなったが、「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」と銘打っているが、フェルメールの作品は「窓辺で手紙を読む女」の一点のみ。

その絵には天使の画中画が隠されていたということで、修復作業の映像も会場に流され、絵画の中に天使が現れるまでの経緯を見ることもできた。

修復前の複製画も比較のために飾られていた。他の画家によって描かれたものだが、手紙を読む女性の顔つきが、残念なことにちょっと嫌な感じがする。清楚な感じがない。顔の表情は大事だ。
フェルメールの作品の女性は顔の表情がとても良い。清楚で清潔な感じ。頬がやや赤らんで、初々しい表情だ。

画中画の天使が現れたことで、この手紙が恋文であることが示唆されている。天使は仮面を踏みつけているのだが、それは「誠実な愛は嘘や偽善に打ち勝つ」ということを表しているそうだ。愛は強し。
それを知ると、手紙を読む女性の表情も相まって、ドキドキするような感じが、こちらにまで伝わってくる。

「天使のある絵」と何者かによって塗りつぶされた「天使のない絵」。
どちらかというと、私は天使のない絵のほうが好きだ。
天使がある絵は“絵の意図する事”をより明確にしてくれるのだが、絵としては天使が大きすぎて、ちょっとうるさく感じてしまう。天使のない絵は、その場に流れる静寂な空気感が強調されるように感じられる。
絵画の見方も知らない私が、知ったふうなことを言ってしまったが…個人の感想です。

下に示したパンフレットは、折り目で天使が隠れたバージョンと、天使が見えるバージョンを比較できるように工夫されている。




その他の69点も小さめの作品が多かったが、重厚で当時のオランダの生活が伝わる作品も多く、面白かった。
ホイエンの「冬の川景色」の風景画に描かれた小さく描かれた人々をじっくりみると、真ん中に盛大に転んでいる人がいる。名画を見ながら、思わず笑ってしまった。
ミーレフェルトの「女の肖像」。襞襟と呼ばれる、真っ白いドーナツ状の見事な襟が美しい。女性の首から放射状に伸びる直線の何と真っ直ぐなこと。襟の周りのヒダの曲線の規則正しさ。妥協を許さない正確さに舌を巻いた。画家とは、こういうものなのだとつくづく思った。

後半、静物画が何点かあった。
豊富な果物、花々、キジやニシンの組み合わせなど、どれも写実的。果物はよく熟れていて、思わずつまんで口に入れたくなるような、美味しそうなサクランボ。花は露をはらんで生き生きとし、カキは殻の中でテロンとおさまっている。その質感は重さまで感じられるようだ。画家の表現力、すごいなあ。

美術は中学で習った画家しか知らない私なので、ほとんど知らない名前の画家ばかりだったが、その中にレンブラントの「若きサスキアの肖像」があった。サスキアはレンブラントの妻。特に感想無し。

会場は平日だというのに、フェルメールという「真珠の耳飾りの少女」などで知名度の高い画家なので、人が多かった。作品を鑑賞しながら距離を取るのが、なかなか難しかった。しかし皆マナーを守り沈黙のままだったので、安心して鑑賞できた。

会場を出ると関連の物販コーナーがあったが、特別フェルメール好きでもないので、お値段を確認してスルー。コピーの絵でも、万単位のお値段に驚いた。

別のコーナーで、一本660円のルーラーを購入。商品名「定規」じゃなくてイマドキは「ルーラー」なんだ。



おわかりいただけただろうか。
2本の定規のうち1本に角度をつけて写した。
小さくて分かりづらいかもしれないが、上と下ではホログラムで角度によって表情が変わる。面白くて買ってしまった。
一本、息子にあげよーっと。




コメント一覧

ポジ人
新・遊歩道様、コメントありがとうございます。

確かに展覧会の入場料お高くなりましたよね。これも、現在の世界の動向が関わっているのでしょうか。残念ですね。
tkgmzt2902
天使のいない絵、私も断然その方が好きです。
現地でみた感動が「ない」方でしたから。静謐感があるし・・・。共感者がいてホットしました。
フェルメールが爆発的人気が出て30点近く観ました。コロナ以前の良き時代です。
SMS、冷静に対処すれば素敵なチャンス到来ですね。私ならスルーしてたかも。
今、展覧会の入場料が一気に値上がりしましたが庶民の美術館であって欲しいものです。
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